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2015年1月3日、夜勤の記録。

2015年1月3日、今年はじめての深夜勤務でした。病棟の起床時間6時、まだ外は暗い。東の空の朝焼けは今日も本当に美しかった。
この写真は7時を過ぎた頃。ずっとベッドで寝たきりの患者さんに見せたくて、落ち着いていたすきに、シャッターを押した。金色の朝。朝の陽光は圧倒的で、混じりけのない純度の高い光だなあといつも思う。

今日、朝をここで迎える人たちは、お正月をおうちで過ごせなかった人達、年越しを愛する人と過ごせなかった人達がほとんどだ。だからこそもあるんだろうか、患者さん同士が新しい年を迎えられたことを讃え合う姿を時々見かけて、胸が熱くなる。そんな、さんがにち最後の一日。まだぎりぎり、新年の気持ちで「明けましたね。おはようございます!よく眠れましたか?」と言える朝に働けることは、やっぱり看護師として働いているからこそ出会える幸福だなあと思う。もちろん辛いときもあるけど、これは、醍醐味だなあ。

生きていれば、朝はやって来る。「もう嫌だ、死にたい」と夜中ずっと眉間に皺を寄せていた彼にも、今日の外出を楽しみにしている彼女にも……生きる歓びに満ちている人にも、もう生きるのがしんどいと嘆く人にも、待ちわびていた人にも、来てほしくなかった人にも、同じように、朝はやって来る。それぞれの朝がやって来るんだなあ。朝陽が登り闇に光が射す時間。同じ速度でやってくるそれぞれの朝。目の前の彼や彼女にとってどんなに辛い朝だとしても、その中にある希望を掬い取れるように、そのために、患者さんと共に、朝が来たことを愛でたいなあと思う。この朝を、一緒に歓んだり嘆いたりしながら。彼らのとなりで。

……改めてそんな気持ちを確かめられた夜勤でした。お正月パワーだな!

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