コーチング受けてみたら、目から鱗した話(1)
「コーチングと聞いて、どんなイメージを持ちますか?」
それがZOOM越しで、私のコーチングをしてくれる事になったWAONさん(仮名)の最初の質問だった。
私とWAONさんは、私とハレさんの共通の知り合いを通して出会い、私がその時にポロッとこぼした将来への不安を気にかけてくれて、今回この機会を設けてくれたというのだ。
「なんか、コーチングって調べると苫○地流とか出て、なんか不思議なおじさんが出てくるイメージですね…。」
WAONさんは笑いながら、
「コーチングは未来に目を向けて、どのように改善していけるかを、クライアントと気づいていくものである。」
と説明してくれた。うろ覚え感は否めないが、私はこのように解釈した。
そして本題へと入る前に一つWAONさんから、ある約束事を取り付けられた。
それは、コーチング中は遠慮せず、素直に話してほしいとのことだった。話したくないことがあれば、その気持ちを含めて「話したくない」と言ってほしいと言われた。
素直の意味が「包み隠さず」という部分では同じなのに、話さなくていい、という選択肢があることに私は少し驚いた。
ともかく、私達のセッションは雑談混じりに、リラックスした雰囲気の中で始まった。
まずは悩みの話。何に悩んでいるか、何について話したいかを決めるために自分が直面している問題をポロポロと話し始めた。
まずは、仕事を辞めたいけれど、転職がうまく行かないこと。不安もあって退職する勇気が出ないこと。
次に、ライターとして本気で活動したいけど二の足を踏んでいること。
他には家の中をスッキリ断舎離して、片付けたいということ。
そもそも、これらを行うための「やる気スイッチ」を押したい。と話した。
WAONさんはふむふむと聞きながら、
「仕事を辞めたいけど、やめられない、モルスちゃんを引き止めている要因はなんだと思う?」
「ライターをやって、いつかどうなりたい?」
「モルスちゃんにとってのライターってどんなものなのかな?」
と柔和な笑みを持って質問をなげかけてくれた。
話して行くうちに、私は経済的問題で今の仕事を辞める勇気が出ないことや、ライターはあくまでもスキルアップための”肥やし”であり、いつかは小説家になりたい、ということが浮き彫りにだが明確に顔を出した。
実はこれは驚きとかではなく、頭の片隅にあった「願望」や「事実」が表面に出てきた”だけ”なのだ。
けれどこの「願望」や「事実」は、私が今まで諦めて、蓋をして、目を向けないようにしていた「本音」であることを再確認させた。
これが……コーチング……!
他人から「これが〇〇だ」と言われるより、自分でそうだと気づくことがストンと落ち着く、というヤツがあるだろう。まさに、これ。
コーチングは答えは言わないが、クライアントに答えに行き着かせるための公式を当てはめていく手伝いをしているんだな、と思った。
他にも「モルスちゃんの中にはいろんなモルスちゃんがいる」と言われた。
これをサブ・パーソナリティと言うらしい。
「ビリー・ミリガン的な……?」
絶賛中二病の私は「ちょっとかっこいいな……」なんて思ってしまったのだが、どんな私がいるのかとリストアップしたとき、別に暗黒微笑する私がいるわけではないのは当然である。
サブ・パーソナリティとは、別人格の話をしているわけではなく、感情や行動を個々の存在として見ることだという。
私がリストアップしたのは、
・小説を書きたい私
・WEBライターに身が入らない私
・めんどくさがりな私
・頼まれたときに、人のことばかり考えてしまう私
・お人好しな私
・疑わない私
・怖がっている私
などなど……
その中で、徒党を組んでいるいろんな「私」が、自分の「願望」から目をそむけさせて止めている、のだという。
私が「邪魔ですねー」なんて笑うと、WAONさんは、
「この子達は敵じゃないない。このチームで止めている、この子達は、本体のモルスちゃんにどうなってほしいと思う?」
と聞いた。
私は少し考えた。こんな風に考えたことなかった。
「普通に生きてほしい、と思ってる、気がします。」
リスクを負わずに、社会に溶け込んで、自分から苦しい道に進んでほしくない。そんな小さな声が聞こえた気がした。
「次は、そう思ってる子達を尊重して、納得させられるようにしていこう。」
自分の中で、何かが腑に落ちた気がした。
それを思ってる「私たち」を否定したり、押さえつけることは、回り回って結局本体を否定していることなんだなぁ思った。
「自分と向き合うこと」というのを、私は恥ずかしながら人生で初めてしたのだ。
目から鱗。
自分の中にいるいろんな自分と、ハガレンさながらに対話して行くことを、学んだのだ。
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