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【マンガ感想文】ドイツでの生活ってどんな感じ?

長引く緊急事態宣言、次々に減っていく対面授業・・・。
ストレスは溜まる一方。
それなのに満足に外出もできない毎日。

おまけに最近は雨が多いので、低気圧にやられて体調もズタボロ・・・。
もうこんな時は、一度気持ちをリセットするためにもどこか遠くの国の生活に想いを馳せるしかない!!!!!

ということで今回は、私の大好きなドイツの生活を追体験できる漫画をご紹介します!

それがこちら、ながらりょうこさんの『ねこと私とドイッチュラント』。

こちらの作品の作者は実際にご夫婦でドイツ・ベルリンで生活していて、作品はフィクションなのですが、作者の先生の実体験をもとに描かれているお話もあるんです。

食やお買い物、交通事情など、日本とは違った「日常生活」を覗くことが出来るこちらの作品の魅力を、私がドイツに行った時の体験や作品の感想などとも絡めてたっぷりご紹介していきます!

みなさんも、一旦気持ちを落ち着けるためにちょっとだけ現実逃避してみませんか?

1.白黒なのに色が見える!?料理シーン

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この『ねこと私とドイッチュラント』、お話の中心になっているのは食文化
そう、この作品の一番の魅力はその「料理の描かれ方」なんです。

白黒なのに、まるで色が見えるよう。
湯気や香りや温度感まで伝わってくるような料理のイラストで、読んでいるうちに不思議とお腹が空いてきてしまいます。

物語の中で主人公は、それぞれの季節に市場に並ぶ野菜を使ってドイツ料理を作ったり、ドイツでも手に入る食材を使って和食を作ったり・・・。

実はドイツでは、意外と日本の調味料なども手に入るんです!
私もドイツに1か月ほどドイツに滞在していたことがあるのですが、私がホームステイしていた家にも、キッコーマンの醤油がストックしてあって驚いたのをよく覚えています。

また、日本にあるものとは種類が違っていてすごく太いものなのですが、ドイツにはネギも売っているんです。
この作品の中にもそのネギが出てくる回があって、「ドイツに行く前にこの調理法を知りたかった・・・!」と心の底から思うような味付けをしています。
ネタバレ防止のためにどんな味付けだったのかという詳細は書きませんが、読むだけでよだれが出そうなほど美味しそうでした・・・。

ちなみに私がドイツに行ったときは、友達のホストファミリーがこのネギでスープを作ってくれたので、それを飲みました。
ネギの香りがしっかりとありつつも、それでいて少し優しい味付けで、これはこれでおいしい!

ドイツに行くことがあれば、ぜひ一度味わってみて欲しいです。
日本のネギと味を比べてみるのも面白いかもしれませんね!

そして食文化はその国の地理的・歴史的な特徴が強く現れる部分でもあります。

作中では、日本ではなかなかお目にかかれないような食材も数多く登場。
「この国ではこんな食材を使うのか!」という感動を、その国から遠く離れた場所からでも得られるというところも、この作品の魅力の一つです。

お話を読んでいくうちに、「いつか自分が行ってみたら食べてみたい!」という食材も見つかるかもしれませんよ!

2.「環境にやさしい国」としてのドイツ

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(▲筆者撮影。ミュンヘン中央駅)

次に私がおすすめしたいポイントは、「環境にやさしい国」としてのドイツがしっかりと描かれているというところです。

環境先進国」とも呼ばれるドイツでは、エコに関する取り組みが積極的に行われています。
例えば、市街地では公共交通機関や自転車での移動を勧めて自動車での移動を制限している都市があったり、飲み物の容器にデポジット制(飲み終わった後に容器を返却したり所定の場所で回収してもらうと容器代が戻ってくる制度)を導入していたり。

2020年から日本でも導入されたレジ袋の有料化は、ドイツでは日本よりも少し早い、2016年から進められてきました。
さらにドイツでは、有料のレジ袋もプラスチック製のものではなく、紙袋や繰り返し使うバッグ型のものになっています。

もちろんこの制度の効果は各国のゴミの回収の仕方とも関わってくると思うので、「絶対にこの制度を勧めるべき!」とか、この制度の効果がどれほどあるのかなんていうことは一概には言えません。

ですが、それだけドイツのエコに対する取り組みが早くから呼びかけられ、国全体でしっかり推し進められてきたということは確かです。

私が個人的にいいなと思うのは、飲み物の容器のデポジット制度
日本でもビン・缶やペットボトルなどの回収はもちろん行われていますが、回収してもらってもお金が戻ってくるわけではありません。

しかしドイツでは、これらをスーパーなどにおいてある回収用の機械に入れると、容器代がそのスーパーで使える割引クーポンという形で返金されます(このクーポンで返ってくる形式はあくまで私が滞在していた地域ではの話なので、もしかしたら州やスーパーによって違うかもしれません)。
これはもう、お得以外の何物でもないですよね・・・!?

環境にも優しくて自分の得にもなる。
自分の得になるから、制度も浸透しやすい。
一石で何鳥取れるんだという感じです。

この作品でも、デポジット制について楽しく、そしてとってもわかりやすく解説されています。

“fun”という意味での面白いエピソードだけでなく、このようにドイツが未来のための取り組みとしてどんなことをしているのかという、”interest”という意味での面白いお話も盛り込まれている。
気持ちをリフレッシュしながらも新しい知識を得ることができるという点が、個人的に強く推していきたいポイントです!

3.あまりにも魅力的な作者さんのエッセイ

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(▲筆者撮影。ニュルンベルクの市場)

そして最後にもう一つ。

1章でも紹介したように、この作品自体はフィクションなのですが、お話とお話の間に作者さんのエッセイが入っているんです。

こちらのエッセイでは、物語に落とし込んでいない、作者さんのドイツでの生活にまつわる実体験がイラストや漫画で綴られています。

これがまた面白いんです・・・!

その内容はというと、食べ物の話だけでなく、住環境の事情や公園の様子、はたまたドイツの虫についてのことなど、「実際に住んでみないとわからないこと」が盛りだくさん。
「物語の舞台になっている場所に作者が実際に住んでいる」作品ならではの魅力です。

また、このエッセイは毎回物語の内容に沿ったテーマで描かれているので、物語の元ネタになったエピソードが読めたり、物語への理解が深まったりもします。

ガイドブックや旅行記を読むだけではわからない、「ドイツの本当の姿」を垣間見ることができますよ!


というわけで今回は、ドイツの生活が描かれた『ねこと私とドイッチュラント』という漫画作品をご紹介しました。

私はドイツから帰国してすぐにこの作品を見つけたのですが、読み返すたびにドイツでの生活を思い出しては「逆ホームシック」になっています・・・(笑)。
早く海外に行けるような世の中に戻ってほしいと、ひたすら願う毎日です。

この作品は、小学館のWebマンガサイト「サンデーうぇぶり」で連載中のほか、単行本も4巻まで出ていますので、ぜひお手に取ってみてください。

また、私自身がドイツに行ってみて感じたことやおすすめしたいポイントについて綴った記事もありますので、こちらも併せてどうぞ!

みなさんもぜひ、なかなか先の見えない不安な現実に潰されそうになった時には、どこか遠くの国に想いを馳せてみてはいかがですか?
現実逃避も、時には大事なストレス発散法ですよ!

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