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NYで3分に1人が亡くなっている状況で、ミシガン州では自粛反対デモが起きる国、それがアメリカ

これが、アメリカという世界最大の資本主義国家で起きている現実です。あなたはこの投稿を見た後、どんな気持ちになるでしょうか。

外出制限1ヶ月が経っても状況が改善しないニューヨーク

今もなお、3分に1人の命が失われているニューヨーク。ソーシャル・ディスタンシングが浸透し、ブロードウェイなどの観光地はもちろん、レストランやデパートも休業。我々の知る「ニューヨーク」の姿はどこにもありません。さらなる感染拡大の防止のため、あらゆる市民が厳しい制限下で生活をしています。また、医療現場は非常に逼迫し、命の選別をせざる得ない状況が続いています。

「健康より経済が心配」自粛反対デモが拡大するミシガン

外出制限の解除や早期の経済活動を求めて、抗議デモが拡大する州が増加しています。デモが深刻化するミシガン州は、全米で3番目の死者が多い州です。自粛に対するイライラが我慢の限界にきた人々は、自由の権利、そして労働の権利を主張し、ついに動き出しました。

本来は国全体が1つにまとまらなければいけない状況にもかかわらず、分断が進むアメリカ。なにが分断を生んでいるのでしょうか。


背景には2020年の大統領選挙での再戦を見据えたトランプ大統領の存在

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4月16日にトランプ大統領が早期の経済活動の再開の方針を発表したことを背景に、全米各地でもデモ活動が加速しました。このような抗議活動を主催しているのは、トランプ大統領の所属する共和党などの複数の右派組織とされています。つまり、トランプ大統領の支持基盤である共和党が、トランプ大統領の掲げる経済活動再開を後押ししている、という構図になります。

背景を理解する上で重要なのが、プライドが高いトランプ大統領が何よりも最優先しているのが、自身の大統領の再選だということ。アメリカ大統領の任期は1期4年、最大2期8年となっており、今年の11月にその2期目への再選をかけた大統領選挙において、ライバルである民主党の候補者と戦います。1期のみで終わった大統領は、アメリカの歴史の中で負の烙印を押されてしまいます。

それだけは避けたいトランプ大統領は、選挙の際に自分にとって有利な状況が欲しいがために、わかりやすい結果が欲しくてたまりません。つまり、アメリカ経済は好調であり続けなければならず、一刻も早く経済活動を再開させたいのです。アメリカ大統領は基本的には現職が有利とされていますが、「大スキャンダル」もしくは「経済を落ち込ませた」場合は再選されないというケースが過去に多く存在しており、今年の選挙もどうなるかフタを開けるまでわかりません。

参考までに、ミシガン州は2016年の前回選挙ではトランプ(共和党)が勝利しています。一方でニューヨーク州は青い州とも呼ばれ、過去20年以上すべての大統領選挙で民主党の候補者(前回はヒラリー)が勝利しています。支持している政党が異なるのです。

この地図の色分けをみると、アメリカがいかに州によって分断されているか、イメージが少し湧くと思います。

最後に

アメリカは、50ある州それぞれのルールや主張が強いというイメージがありますが、それ以上に大統領に権限が集中しすぎている国でもあります。大統領の指示次第で、この大国が目指すべき姿が180度変わってしまう。それがこの国の強みでもあり、弱みでもあるのだと感じています。政治や宗教、そして人種による分断が進むアメリカは、トランプ大統領のもとこの未曾有の難局を乗り越えることができるのでしょうか。

その答えは、11月の大統領選挙の結果が教えてくれるはずです。

おわり

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