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「クローバー」読書感想。

今回の本は、島本理生さんの小説「クローバー」。

一緒に暮らす、双子の姉と弟。
ガサツだけど常にボーイフレンドは切らせたくない姉の華子と、冷静で気づかいができるが女性関係に興味が持てない弟の冬治。

互いを補うような関係のふたりが織り成す日常が、作者の軽快で読みやすい文章で、まるでエッセイを読んでいるのではと錯覚する距離感をで進む。
物語に引き込まれるというよりは、人気者のブログや動画配信をたのしみに待つような気持ちで、いつのまにか、すっかり二人のファンになって読み進めていた。
そのくらい、読者との距離が近くに感じる小説でした。
登場人物に愛嬌がある人が多いのも、よかった。

読み進めるうちに、華子と冬治の印象の変化も面白い。最初は世話を焼かれていると思った華子を、頼もしいと感じている瞬間が度々ありました。
そして次第に物語もキュッと青春小説に絞られていくような展開になっていく。

最後に掲載されている、あとがきも合わせて読んで納得といった読書体験でしたので、あとがきまで読んでみて下さい。

残り僅かの夏。
青春小説で締めくくってみてはいかがでしょうか。



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