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#137 行動は遺伝に勝るのか

・センスないな…でも、仕方ないよね、遺伝だから。
・あの人はセンスあっていいな…親の遺伝かな…。

こんなことを思ったことがある人はいませんか。

遺伝に関する研究が進むにつれて、
遺伝がいかに大きな影響を与えているのかが
次々と分かってきました。

中には、その研究結果を見て
絶望する人もいるかもしれません。

それだけ、遺伝の影響は大きいと言われているからです。

しかしその一方で、遺伝子で人生がほぼ決まるのは
大きな誤解だという話があるのはご存じでしょうか。

能力や考え方などが「遺伝子」の影響下にあると
考える人は少なくないかもしれません。

でもそう判断するのは少し早いのかもしれません。

今回は、遺伝について、私がかつて感じた印象や
現在の研究について解釈した内容をお伝えします。

1.やるせない気持ちになった瞬間

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私自身、遺伝が現在の能力や考え方に
影響を及ぼしていると知ったのは、5年前でした。

ビジネススクールに通っていた際に、
講師から「能力の半分は遺伝の影響をうけている」
と聞いて驚いたのを覚えています。

それから数年後、私に追い打ちをかけたデータはこちらです。

遺伝と環境

(AERA 2019年7月29日号より)

能力、性格といった様々な形質は、
親から受け継いだ「遺伝要因」、
生活や教育といった「環境要因」
の影響で決まるといわれています。

その遺伝と環境がどのぐらいの比率で影響するのか、
を示しているのがこの一覧です。

IQは66%が、スポーツは85%が遺伝で決まるという結果でした。
音楽に至っては92%です。

音楽やスポーツについては、イメージできました。

しかし、数学の87%を見て、
「ではどうしろと?」と思いました。

落ちこぼれの高校生が一念発起して
一流大学に合格する類のサクセスストーリー。

マンガやドラマでよく見かけましたが、
このデータからは「誰もが頑張れば一流大学に行ける」
とは到底思えないですね。

こんなにも遺伝の影響を受けるのであれば
どれだけ頑張っても無駄ではないか

そう思ってしまう私がいました。

ですが、事実はちょっと違いました

2.大切なのは後天的な環境だった

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同じ遺伝子でも、同じ結果になるとは限りません。

それどころか、同じ結果にはならないことが多いんです。

たとえば一卵性双生児は「まったく同じ双子」
と言われていますが、正確には
「まったく同じ」ではありません。

もちろん、まったく同じ卵子から生まれ、
同じ時期に育った双子であることは事実なので、
ふたりの先天的な環境は同じです。

でも、重要なのは「後天的な環境」と言われています。

「一卵性双生児で生まれたひとりは学校の教師をし、
もうひとりは薬物依存に苦しむ」

ということが充分に考えられるということなんです。

実際にアメリカで一卵性双生児を異なる環境下で育てた
という実験があり、実証されています。

遺伝子の働きは、食事や運動などの生活習慣や
どんな書物を読むか、どんな人とつきあうかで
劇的に変わります。

3.遺伝子の働きを変えるしくみがあるらしい

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最近の研究によって、遺伝子の働きを変えるしくみ
が存在することが明らかになったようです。

話によると、遺伝子を使うか使わないか、
オンオフを決める様なスイッチがあるようです。

このスイッチを研究するのが「エピジェネティクス」
という学問分野で、いま、爆発的に発展しているとのこと。

興味のある方は、
専門書を何冊か読むことをオススメします。
(内容が専門的過ぎてここでは説明を割愛させてください)

とてもざっくり言うと、

私たちが日常的に経験している多くのことが、
遺伝子を使うか使わないかのスイッチに影響を及ぼしている

そうです。

例えば、
・毎日何を食べて何を飲むのか
・何をしてどんな人たちを日常的に接するのか
・どんなことに悩まされるのか
・どんなことで息抜きをしているのか

こんな、日常のごくありふれた出来事が
影響していると言われています。

先程お伝えした「後天的な環境」がスイッチになる
ということですね。

こんな日常の出来事が、
脳の反応の仕方を変えていくそうです。

例えば、うつを発症するかどうかを
左右するのは「ストレス感受性」と言われています。

これは遺伝子が影響しています。

でも、「どの遺伝子が細胞で使われるか」は
これまでの後天的な環境によって異なります。

要するに、同じ遺伝子を持っていても
個人が立ち直れるか、うつを発症するかは
本人がどんな環境で何を経験したかによる
、ということです。

遺伝や幼少期の環境は確かに大事なんです。

しかし、最後にそのスイッチを押すかどうかは、
私たちの今の環境や、これまで経験した出来事で
決まる
ということを私は教えてもらいました。

4.まとめ

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いかがですか。

今回は、遺伝について現在研究されている
内容をざっくりとお伝えしました。

超解釈なところがありましたら申し訳ありません。

その際はぜひコメントで教えていただけますと嬉しいです。

今回伝えたかったのは「遺伝だから仕方ないよね」
と諦めるのはやめませんか、という気持ちです。

確かに遺伝の影響は大きく受けますし、
人は誰しもが平等だなんて思っていません。

でも、最後あなたがどうなるのかを決めるのは
「これまでのあなた自身の行動」であって「決意」
です。

もしかしたら誰よりも努力しないといけないかもしれませんし、
大変なこともあるかもしれません。

でも、諦めてそこで試合終了です。

そして、その他に気になることがあるとすれば、
脳の研究はまだまだ進んでいないということ。

現代の科学では、あなたに眠る全ての才能を
測れるわけではないかもしれません。

だからこそ、あなた自身があなたを信じて行動していく。

そんな考え方をしていただけたら嬉しいなと思っています。

今回の内容が誰かのお役立ちになればうれしいです。

今回は、これで終わりにします。
ではまた。

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