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会話によるアート鑑賞法!目の見えない白鳥さんとアートを見にいくIN山形県。

こんにちは。みなさん。ハールです。
前回の記事の投稿が5月あたりということで今は7月の初め・・・
だいぶサボっていました!!理由としては単純にノートに記事を書くことに対してのモチベーションが下がっていたというのがありますね。ネタ切れになってくると記事の質もなんだか自己啓発のような答えもなく行き場のないものになってしまいますからねえ・・・
しかし今回はようやく事実かつとてもみなさんにお話ししたいことがあったのでこのNOTEに書き込んでいきたいと思います!!

・全盲の美術鑑賞者『白鳥さん』

さてさて私の記事といえばたまーーーーに紛れ込む美術芸術関連のお話しですよね?
今回のお話もそれに関連するお話なのですが・・・


みなさん絵をどうやって『見』ていますか?


何をいっているんだい?目で見るに決まっているじゃないか?


そう思ったみなさん。それもまた正解です。しかし今回お話しするのは
『全盲』
つまりは目が見えない全盲の障害を持つ『白鳥さん』とアートを見た体験談を書いていきます。

・偶然目にした表紙と偶然の美術鑑賞会

私は大学の授業で『ビブリオバトル』というものをやろうということで、書店で本を探していました。
なんせ私美術芸術デザインを学ぶ大学に通っているわけですから?
最初に選んだ書籍は白鳥さんとは特に関係のないデザインの本でした。

さあ!!お会計をしに行こう!!
レジに行こうとした時に私の目に飛び込んできたのは・・・

『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』


え・・・・・?

目が見えないのにアートを見る?


どういうこと?



最初の私は疑問に思ったのです。それと同時にその本に対する興味が湧き出てたまらなくなりました!!

速攻でその本を購入し読み進めたわけです。
ここでこの本の概要を少し説明しますと
著者はノンフィクション作家の『川内 有緒』さん
出版社は『集英社インターナショナル』
本の内容はこの川内さんが白鳥さんと出会いアートを『見る』ことによって視覚の不思議、アートの意味、生きること、障害を持つことなどなど
アートを『見る』ことを通じてさまざまな考えや思いが巡る追体験型の書籍になっています。気になった方はぜひ読んでみてください。


・白鳥さんが山形に来た!!

ではなぜ私が白鳥さんと共にアートを見る機会に恵まれたかというと

実は白鳥さんのことが『映画化』するんですよね。
その関連企画ということで
主催:『山形アートサポートセンターら・ら・ら』
共同企画:株式会社Q1

映画『目の見えない白鳥さん、アートを見にいく』&『わくわくひょうげんの泉展』関連企画白鳥健二さんとアートを見にいくワークショップ

という催し物が開かれることになり私はこれに参加したというわけです。

ここまで概要的な内容を書き込んできたのでそろそろ本題に入りましょうか。

・どうやってアートを『見る』の?

ここからは実際白鳥さんとアートを見た体験談をありのままに書いていこうと思います。
開催地の『ギャラリーら・ら・ら』には障がいを持っている方々のアート作品がずらりと並んでいました。
そこには白鳥さんと私を含めて鑑賞会の参加者さんが7名いらっしゃいました。

白鳥さんの鑑賞方法は『会話』をすることなのです。

そう白鳥さんは、そこにいる人たちと『会話』し、『聴く』ことでアートを『見る』のです。
ここで作品を鑑賞する際の注意点なのですが、
白鳥さん曰く
・最初に作品の詳細やタイトルをあまり見ない方が良い。
・自分が話したいと思った時に話すのが良い。
・無理して話し続けなくても良い
ということで話し下手な私にもとても優しい。。。

そんなことで鑑賞会スタート!!

・1作品目

作品のは絵画作品でした。
私の『目」から見た作品は
・女性の顔
・なんだか山のような形をいている
・すっごいまっすぐな目をしている
・なんか気が強そうだけど優しそう
・化粧している?
とまあこんな感じでしたね。
会話が始まりました。
そうするとどうでしょう?

『この人は実在するの?』
『なんだか山みたいだね』
『お化粧しているのかな・・・』
『なんか習字のような躍動感があるね』
『地面から生えているみたい』
『この目マーブルのようだね』

『絶対この人、気が強そうだけど優しそうだよね!!』



などなど会話が楽しくて作品に対する解像度がどんどん上がっていくのです!!
最初に作品のタイトルや詳細を見てしまうと我々はその先入観に支配されてしまうのですね。
会話で作品を鑑賞するとさまざまな人々の人生観や直感力、知識量がぶつかり合い作品に対する興味と解像度が発展していく!!
とても興味深い鑑賞方です。

・2作品目

『自動車道にある標識かな?』
『すごい!全部定規も使わないで手書きで書いてるよ』
『この花笠被ってる女の子ピンクで可愛い』
『標識が切り抜かれて一つの作品に収まってるんだね』
『テトリスのパズルゲームみたです』
『温度計標識まである』
『茂吉記念館結構多いね!!』
『ドライブが好きなのかな?』
『僕運転怖いんですよー』
その作品は手書きの道路標識がまるでパズルゲームの『テトリス』のように綺麗に配列されている作品でした。

・3作品目

『何これ花?』
『今まで見た作品の中でも一番筆圧が強そうですねw』
『水性ペンか何かの細いペンで書いたのかな』
『作品の上に行くほど筆圧が強くなってるね』
『背景が青空みたいだね』
『しっかり花が配列されているんだね』
『僕ちょっとこの作品怖かったんですよ。なんか叫んでるみたいで。』
『この花全部同じ方向向いてるね』
『赤青緑黄色の花があるけど全部の花にオレンジが使われてるね』
『タイトル”ひまわり”っていうらしいですよ!!』
『ああ中山のひまわりか!!』
『そいうえばあそこのひまわり迷路みたいになってるところありますよね!』
『そんなところあったんですね』
その作品は赤青緑黄色などの花が配列よくペンで描かれておりその背景にも同じように水色で見たような花が体力に描かれていました。

・4作品目

『でかいな!!』
『縦に長いですね』
『虹色のクレヨンで綺麗に描かれていますね』
『ここにはらぺこ青虫がいますよ!!』
『オレンジにりんご、カップケーキもありますね』
『これ一人で書いたのかな?』
『いや流石に一人では書いていないでしょう』
『これ僕だったら、こんな綺麗な虹色の上から黒で文字は書かないなあ。だってない方が綺麗そうだもの』
『確かに文字書いてありますね』
『なんか下の方に行くほど色が薄くなってませんか?』
『確かに!!』
『なんか虹の滝に見えてきた』
『アンパンマンいる!!』
『そうなると僕はでかい鳥に見えてきました!!』
その作品は縦170センチくらいの大きさで色鮮やかな虹色の上から黒で文字が書いてある作品でした。

・アートを見るって?

はい。ここまで鑑賞会の体験談をお話ししてきました。
私は美術館に行くのが好きでよく行くのですが、ピカソやモネの作品は好きで先に下調べをしてから見に行くことが多いのです。
もちろんその鑑賞法の正しく。。。いやそもそもこれが正しいなんてないのでしょう。
しかし会話をすることによって作品の解像度は爆発的に増したのは事実。
しかも白鳥さんはそんなに盛んにお話しするというわけではなく相槌を打ったり、では次に行きますか、みたいなことをお話しするだけなのですよね。
我々の会話を楽しんでいるようにも感じます。


アートを見るということはただ『見る』だけではないということを知れた鑑賞会でした。
私も作品のアイデア出しをするときに直感的に考え方ことをスケッチしたり人に話したりすることでさらにアイデアが出てくることがあります。
つまりは人と人同士の直感的な意見のぶつかり合いはさらなるアイデアの発展につながるのかもしれません。
この鑑賞法の形式はさまざまな場所で応用できそうですね。
何はともあれ会話をして作品を見るという鑑賞法は私にとってとても楽しかっつたのです!!
みなさんも誰かと作品を見るときにタイトルを見ずに話し合いをしてみてはいかがですか?


以上で今回の記事を終わりにします。次の更新はいつになるか分かりませんが程々にやっていこうと思います!!
ではまた!!



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