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5号棟「ヴィーシ"Viisi"」ができるまで


こんにちはサラマンダー小野です。
この度5号棟ヴィーシがグランドオープン致しました!

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オープンに際して制作過程や思いについて綴らせて頂きました!長文になりますが読んで頂けると幸いです。


【なぜサラマンダー小野が5号棟ヴィーシの制作を行なったか?】


今まで、The Saunaのサウナといえば野田クラクションべベーさんが制作を行っていましたが、なぜ5号棟はサラマンダー小野が担当したのか?

◯それぞれの想い

~べべさんの想い~
「いよいよサラマンダーに託す時が来た…」

サラマンダーがサウナチームに転籍してから2年間、The Saunaを良くしていこうと必死で頑張ってきた。
その中で、チームのメンバーが増えポジションも変化し次のステップに進むための課題としてサウナ制作を任せた。

・今まで積み重ねたものを形にする1つの体験
・プロジェクトをやり切る能力を鍛えるため
・どんなサウナがお客様に喜ばれるのかを自分で作ることで理解する
この3つをやり切ってほしい…

こんな想いがべべさんにはあったようです。

~サラマンダーの想い~
「なんで俺が作らなきゃいけないんだろう…」

5号棟のプロジェクトが立ち上がった当初はずっとこんな気持ちでモヤモヤしていました。
正直、自分はサウナを作りたいとは思っていなかったし、当時のThe Saunaを良くしていくことで精一杯だったのでサウナ制作どころではなかった事を覚えています。(あとは0から何かを生み出すことがすごく苦手でした)

そんな中プロジェクトを進めていく過程で、サウナの「ラフ画」を書いたことがきっかけで一気に気持ちが変わりました。

「ラフ画」

サウナのイメージ画を書いていく中で、「この絵を形にするのってすごい事だな…」と不意に思い、頭の中の発想をとりあえず描きまくりました。
書いていくうちに、こんなサウナがいい、こんな機能が欲しい。。。
今までThe Saunaのサウナ番をする中で思い描いていたことを「1つのサウナ」に落とし込んでいきました。
考えた事なかったですが、意外と自分の中に作りたいサウナ像はあったことにも気づかされました。

沢山、描き切った頃には「早くサウナ作りたい…」という気持ちに切り替わっていました。

もう一つ、コンセプトの中で「BRIGHT UP LIFE(人生を明るくする)」という理念を考える中で、より多くの人を幸せにするには新しいサウナが必要だな。と思ったのも吹っ切れた要因です。
こちらに関してはヴィーシコンセプトのところで詳しく説明します!


◯何かと【5】 という数字に縁があった

高校時代のユニフォーム

・小中高と続けたサッカーの背番号が【5】だった
└これがきっかけで【5】という数字が好きになった


・好きな数字が【5】ということで結婚記念日は5/7
└【
7】は奥さんの好きな数字

5号棟の担当になった時、運命を感じざるを得ませんでした!!


【5号棟ヴィーシのコンセプト】

「今回のコンセプト」
・「BRIGHT UP LIFE(人生を明るくする)」というLAMPの理念を突き詰めたサウナにしたい
・五角形にしたい
・泉みたいな水風呂が欲しい
・雨除けスペースが欲しい
・よりロウリュを楽しめる設計にしたい

◯「BRIGHT UP LIFE(人生を明るくする)」というLAMPの理念を突き詰めたサウナにしたい

サウナのコンセプトを考える上で、一番根っこになる部分。
「今自分達は何故、LAMP・The Saunaで働いているのか」そこから改めて考えました。
「BRIGHT UP LIFE(人生を明るくする)」これはLAMP社の理念ですが、やはりここに行きつきました。
LAMPを通して、来てくれたお客様を幸せにする。
沢山の人を幸せにして、世界が平和になればいいなと本気で思っています。

では、LAMPに来れない人はどうなるのか?
体が不自由な方、お年寄りの方、お子様連れの方、、、
その人たちを幸せにすることはできないのか?

そんな想いが湧いて来ました。。

ただ、その想いを今、サウナに全て込めるのは物凄くハードルが高い事も思い知らされました。

現状の設備や営業形態ではこの想いを全て実現することはできませんが、今後アップデートを重ね絶対に実現します!

サラマンダーがヴィーシに込めた想いの根っこには「BRIGHT UP LIFE(人生を明るくする)」があります。


◯五角形にしたい

5号棟なので五角形にしたい、そんな軽い気持ちで考え始めました。
今までのサウナは全て四角形だったので、他のサウナと何か差別化できることは無いかと考えた時にまず「形を変えよう」となりました。

この発想がゆくゆく僕たちを苦しめるとは知らずに、、、


◯泉みたいな水風呂が欲しい

泉みたいで、岩岩しくて、水が湧き出て来るような、そんな水風呂にずっと憧れがありました。
水風呂のイメージはサウナよりも先に固まりました。
それくらい水風呂にはこだわりがありました。


◯雨除けスペースが欲しい

アウトドアサウナをやる上で雨除けスペースは必要不可欠。
今までのサウナの中で、付属でついているのは初めて。
*他のサウナには後付けで併設させています*

自分がサウナ番をする中で、「雨除けスペースがあったらなぁ〜」と思う場面が幾度となくありました。
それで、雨除けスペースは初めから付けると心に決めていました。


◯よりロウリュを楽しめるサウナにしたい

フィンランドに行って、ロウリュの素晴らしさや奥深さに改めて気付かされました。
ロウリュを楽しめるサウナは、結果的に凄く居心地が良くて入りやすい。

ロウリュを楽しめるサウナにすることで、
サウナが苦手な方や、子供、お年寄りの方も入りやすいサウナになるのでは?そう思いました。

フィンランドで老若男女がサウナを楽しめているのはこの要素も大きいと思います。
あのフィンランドの風景をLAMPでも再現したい。そんな想いからよりロウリュを楽しめるサウナにしたいと考えました。


【苦労したこと】

初めてのサウナ制作プロジェクト。私、サラマンダー小野は様々な壁にぶつかりながら制作を行いました。サウナ作るってめちゃくちゃ大変なんだなぁ、、、

◯0から何かを作り上げる事

今回のサウナ制作の中でこれが一番苦労しました。

今まで私は、0から何かを生み出す経験がほとんどありませんでした。
「自由にやっていいよ!」と言われると逆にやりづらいタイプで、他の人が生み出したものをより良くする方が得意でした。

これによって、初めの2,3ヶ月は本当に苦しみました。
ずっと考えてるのに、何も浮かんでこない。。
サウナってどんなんだっけ、、水風呂ってどうやって作るんだろう、、

The Saunaには他にも4つ良いサウナがあり、それらのサウナとはまた別の、そしてもっと良いサウナを作らなくてはいけないというプレッシャーも多少感じていました。

途中から自分で考えても、無理なことが分かったので、相談したり、いろんな建築物を見てインプットをして少しずつ、生み出していきました。
脳みそを、絞りに絞って絞り切って作りました。もう脳みそがシワシワです。。

やっとの思いで絞り出したイメージ画:うおち作


◯五角形である事(角度108°地獄)

初めに作成したヴィーシ図面

〜五角形のログサウナ〜
五角形のログサウナを作りたいと、設計士の方に設計図を書いてもらおうとお願いをしたところ、、
「五角形のログは理論上成り立ちません」

背筋が凍りました。
そこそこ構想が固まって来た段階だったからこそ、振り出しに戻った気分でした。
ログサウナは木と木を重ね上げて作る手法で、これが奇数だと最後に段数が合わなくなるようで「設計できない」と言われてしまいました。

確かに、五角形のログサウナを作るという発想が出てきた段階で、参考までにインターネットで調べてみたが、一切情報が出て来ませんでした。
六角形はあるけど五角形だけがない。。
そもそ成り立たない建物だったからなのか。。。そういうことか。。。

絶望の淵に立たされた私は、念の為いつもログサウナを作っていただいている、LOGRAFさんに相談をしました。
「職人技でなんとかできるよ」

いつもお世話になっているLOGRAF 松田さん

震えました。
職人技ってなんだよ。ずるすぎる。カッコ良すぎる。
こうしてなんとか五角形ログサウナへの道は事なきを得ました。

〜角度108°地獄〜

頭を沸騰させながら計算した痕

ヴィーシは正五角形で設計しているため、頂点の角度が108°になっています。これがどんなに全員の頭を悩ませたか。角が直角じゃない事がどれほど大変かを痛感しました。

何をするにも108°という微妙な角度に合わせて設計しなければいけない。
完全に数学の世界でした。
高校生の頃は一応、理系でしたが全く役に立たず。1から調べ直しました。

力を貸してくれた現役大学生、元スタッフのたむ



ヴィーシサウナ施工を担当した「遊さん・ちぇきねさん・佐藤さん」いつものメンバー

五角形ということで、この3人には本当に迷惑をかけたし、大変だっただろうなぁ〜
みなさん口々に「もう五角形はやりたくない」といっていました。
木材のほとんどが四角形で直角なので、そのまま使うことができず斜めにカットして使用しました。とにかく手間がかかりました。。

直角ってすごい。90°ってすごい。
ずっとそんなことを考えながら108°と向き合っていました。

座面を作る遊さん
窓を抜く佐藤さん
炉台を作るちぇきねさん


◯予算管理(予算オーバー)

ヴィーシの制作にあたって、実は大幅に予算オーバーしています。
サラマンダー小野、予算管理が下手くそ。

想定していたよりもどんどん追加で必要なものが増えて予算がオーバーしてしまう、なんてことはよく聞く話ですが、
ヴィーシに関しては初めからどうやっても大幅に予算オーバーしていました。

色々、原因はありますが、水風呂にこだわりすぎました。

こだわりの水風呂

写真を見てもらえれば一目瞭然ですが、今までのThe Saunaの雰囲気にはなかった、禍々しくて、カッコ良すぎる水風呂。
これがやりたかったのです!!これだけは譲れなかった!!!
この水風呂が作れるのなら予算オーバーしたっていいじゃないか!!!!

そんなことはありません。予算は大事。
これを糧にしっかり予算を管理できるようになります。

P.S.
野田クラクションべべー先輩からは、
「俺は初めてサウナ作った時、無料で拾った樽から始めたのに、こんなにお金かけるんだ。へぇ〜〜〜」と言われました。

大幅に予算オーバーしているにも関わらず、承諾して頂いた、
べべさん、まめさん(社長)
本当にありがとうございました!!!


【こだわりポイント】

◯ロウリュを楽しむ設計

実はヴィーシ制作真っ只中の6月初旬にフィンランドサウナツアーに参加していました。
このツアーでフィンランドサウナのロウリュの素晴らしさに感激し、ヴィーシではこれを再現しようと心に決めました。

〜ロウリュを楽しむための設計〜

・Flesh Airダクト

Flesh Airダクト

薪ストーブの裏側に外からのFlesh Airを送り込むダクトを設置しています。この空気がサウナストーンの上に送り込まれることで、ロウリュをした時にその空気が蒸気に乗ってサウナ室に充満します。
蒸気に酸素が沢山含まれる事で、ロウリュをしても息苦しくなく、しっかり呼吸する事ができます。


・輻射熱を抑えるシステム


このシステムは薪を炊き続けてもサウナ室が熱くなりすぎず、かつサウナストーンは熱々の状態を保つ為のものです。
追い焚きを行う薪ストーブではどうしても輻射熱が発生してしまう。

輻射熱が出過ぎるとサウナ室の温度が上がりすぎてしまう→サウナ室の温度が高すぎると蒸気も熱くて息苦しくなってしまう→ロウリュを楽しみずらい

ヴィーシは薪ストーブ煙突に工夫をして輻射熱を抑えています。

【薪ストーブ】NARVI NC 24

NARVI NC 24というフィンランド製のサウナストーブを導入しています。
こちらのストーブは全体が遮熱板で覆われており、ストーブからの輻射熱を抑えつつ、サウナストーンをしっかり温める構造になっています。


【煙突】二重煙突

サウナ室内に二重煙突を設置し、煙突からの輻射熱を抑えています。
The Saunaのサウナは全て、サウナ室内はシングル煙突を使用し煙突からの熱も効率良くサウナ室に広げていましたが、ヴィーシではそこをあえて抑えました。


・蒸気の流れを作るパチンコ板

パチンコ板

蒸気をより効率的に人に当てるため、流れを誘導する板を天井に設置しました。
簡単な仕組みですが、あるのとないのとでは驚くほど違います。

◯泉水風呂

私は渓流釣りをよくやる関係で、川のような岩の間を流れる水や、水が落ち込んで深くなっている場所が大好きです。
水風呂を作るとなった時、森の中にある、川や泉の情景がブワッと舞い込んできました。
この情景のまま作ったのが、ヴィーシの水風呂です。

・深水風呂と浅水風呂

手前:深水風呂(130cm) 奥:浅水風呂

深さの異なる2種類の水風呂にしました。
この水風呂を作るとき、深い泉に飛び込むようなイメージがずっとあり、絶対に深い水風呂が欲しいなと思っていました。
ただ、深い水風呂だけでは不便なので、浅くて広い水風呂も隣接させました。


・長野県産の岩

上:千曲川自然石  下:諏訪鉄平石

水風呂に使用する岩を長野県産にこだわりました。

-諏訪鉄平石(深水風呂)
鉄平石(てっぺいせき)は、長野県の諏訪・佐久地方に分布する、2500万年前の火山活動によって形成されている石。
こちらは深い水風呂に使われていて、何千枚もの鉄平石が折り重なって出来ています。

-千曲川自然石(浅水風呂)
千曲川は長野県を流れる一級河川で、これが新潟県に入ると「信濃川」と名前を変えて日本海に流れ込む、日本最長の川です。
千曲川を長い年月をかけて転がることで、角の取れた滑らかで丸い石を、浅い水風呂に使用しています。


◯サウンド・シェルター(雨除けスペース)

雨除けスペースとしてサウンド・シェルターを設置しました。

サウンド・シェルターとは
C.Wニコルさんが長野県信濃町にある「アファンの森」に作った、カナダの少数民族が狩りに出掛けてトナカイの群れを待つときに建てる小屋を参考にしたもの。雨や雪をしのぐだけでなく、中に座るとシェルターの構造が「大きな耳」のような役割を果たし、鳥や虫の鳴き声、風が渡って葉が揺れる音など、森の音を全身で感じることができる。

引用:C.W.ニコルさんが取り組む、森での「心の再生」

こちらを設置しました。
ただの雨除けスペースではなく、信濃町ならではのもので、自然をより感じていただくために採用しました。


◯五角形のウッドデッキ

サウナ前のデッキは統一感を出すために五角形にしました。
初めのデザインは、台形で簡単な作りにしていましたが、
「せっかくなら五角形にこだわろうよ」と施工担当の遊さんからアイデアがあったので速攻採用しました。

中央にある最後の1ピースがめちゃくちゃ美しい


◯LAMPフェスお披露目

ヴィーシ制作の締切は7/1(土)でした。
この日はLAMPフェス初日。
ここまでに完成させて、LAMPフェスでお披露目したら絶対盛り上がるよね!!

ということで、最後のこだわりポイントは「LAMPフェスお披露目に間に合わせる」です。

「LAMPフェスでお披露目したら絶対盛り上がる」
これ成し遂げたらすごいことになりそう、という漠然とした期待感と胸の高鳴りを覚えています。

初めは、高鳴っていたのですが、
雪が溶け、春になり、ヴィーシの制作が本格的に進んでいくうちに、焦りとプレッシャーの念が少しずつ湧いてきました。
「7/1になる。。大丈夫か?」

The Saunaがやっている音声コンテンツ「The Saunaのホカホカラジオ」の中で「5号棟の近況報告」というコーナーがありました。

このコーナーの中で「5号棟はLAMPフェスに間に合いますか?」
メンバーのべべさん、おゆう、視聴者の皆様のおたより。
何度聞かれたことか。。

聞かれるたびに自分のケツを叩く意味でも
「間に合わせます」と言い続けました。

▼「5号棟の話」24:25〜▼

▼「5号棟の話」13:57〜▼



そして、6/26に保健所の許可を頂き無事完成しました。
ギリギリだった。。。

LAMPフェスでのお披露目も最高に盛り上がりました。

テープカットをやりました!
オープン前には長蛇の列が!
まめさん(社長)の粋な計らいで、祝いの和太鼓のサプライズまでありました!!


終始泣きそうでした。
本当にありがとうございます!!!


【まとめ】

ヴィーシの子熊ちゃん

様々な苦労がありましたが、みんなのサポートを貰いながら、何とか完成させることができました!!みんなで作り上げたサウナ!!!

しっかりこだわり抜いて、ユクシ・カクシ・コルメ・ネリャ・ハルモニアこの5つのサウナとはまた違う色を持たせたサウナにすることが出来ました。
まだ産まれたてホヤホヤなのでここから、どんどんアップデートしてもっといいサウナに仕上げていきます!!

是非、5号棟ヴィーシに入りにきてください!!

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