マガジンのカバー画像

システム論の射程 第1章 システムの定義

10
システム論は、ある原集合の部分集合を要素とする副次的な集合を扱う。ただし、その部分集合は共動性を持ち、かつ、その共動性には、方向性と意味の多様性がある。システム論においては、原集… もっと読む
運営しているクリエイター

記事一覧

1.2.4. 理性

 ここで言う〈理性〉は、言葉にされた「理性」、すなわち命題の真偽ではない。その根本として…

1.2.3. 表象

 同じ対象のさまざまな〈表象〉は、〈システム〉として〈概念〉に統合される。  たとえば、…

1.2.2. 意識

 〈意識〉は、客主観によってとらえられる主観主体の概念性を、当の主観主体にレトロダクショ…

1.2.1. 概念

 基本概念としての〈システム〉について論理的に明確にしたところを利用して、さらに我々は、…

1.1.6. ソリッドシステムとクラウドシステム

 〈システム〉の〈要素〉すなわち「部品」は、もとより〈原集合〉の〈部分集合〉であり、それ…

1.1.5. ホットシステムとコールドシステム

 時計などの機械仕掛けは、ある一定の共動を繰り返し引き起こすことができる(ことになってい…

1.1.4. 双対システム

 〈システム〉は、〈要素〉と〈軸〉を逆にした〈双対システム〉を伴う。〈双対システム〉は、理論的にはかならず存在する。たとえば、〈要素〉aが、〈部分集合〉あ、い、う、の三つに属するとするば、逆に、aを属させる〈部分集合〉の集合{あ,い,う}を考えることができるからである。  「主体」を〈要素〉、「関係」を〈軸〉とする社会システムの〈双対システム〉は、「関係」を〈要素〉、「主体」を〈軸〉とするものであり、一般に「制度」と呼ばれる。「制度」という〈システム〉は、静的な「関係」その

1.1.3. 階層間システム

 動的、静的、いずれにせよ、〈システム〉の「部品」の間の〈軸〉には、このように〈作用〉の…

1.1.2. システムの構造

 「システム[system]」とは、「幹・軸[stem]」を「共[syn]」にする物事である。これは…

1.1.1. システム論の位置

 アリストテレースは、「全体は要素の寄せ集め以上の存在である」と言った。しかしながら、《…