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イメージする力

歌を歌う時、「イメージする事」も大切にしてほしいなと思っています。

ここでいう「イメージする」というのは、歌をどのように表現しようかな?と考える力の事です。

声は頭の中に浮かんだイメージを形にするためのツールです。例えばサビを歌手と同じように高い声で歌いたい、声量をあげたい、ビブラートをできるようになりたい等は声のスキルを磨く事になるのですが、声のスキルと同じくらい、曲全体を通しての捉え方、「イメージする力」も磨いてほしいのです。

歌には歌詞があり、歌詞には言葉がありますよね。そして言葉は意味を持っています。その意味をしっかり捉えたうえで、それにふさわしい声をチョイスできるかどうかで伝わる歌かどうかが決まってきます。そのためには、歌詞の言葉を発する自分を頭の中でしっかりとイメージできているかどうかが大切だと思っています。

例えば「ありがとう」という言葉も、背景が違えば全く別物になります。

(例)

・大切なものを落としてしまった。いくら探しても見つからない。テンションだだ下がりの中、友達から「見つかったよ」と電話。そんな友達に伝える「ありがとーーーーーっっ!!!!」

・大好きな彼と二人で歩く道。さりげなく道路側に移動してくれた彼。車にぶつからないようあえて道路側を歩いてくれた彼にドキドキ。そんな彼に「ありがとう」

・旦那と喧嘩した日。険悪なムードの中、黙々と私の洗濯物を畳んでくれている。そんな彼に伝えるちょっとぶっきらぼうな「…ありがと」


いかがでしたか。
「ありがとう」の言葉一つでも、背景が違えば全く別物のニュアンスになりますよね。表情も違えば声色も違う。同じ言葉なのに面白いですよね!

歌もこんな風に沢山イメージをしてほしいのです。言葉をただ追いかけて歌うのではなく、言葉の中にある意味や情景をしっかりと頭でイメージしてほしいのです。自分がその言葉を言っている時、どんな気持ちになりどんな表情をしているのか。悲しいのか楽しいのか嬉しいのか怒っているのか。そしてどんな声を出しているのか。そんな豊かな想像力が歌の世界をより良いものにしてくれると思っています。

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