詩 「星に願いを」
〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜
七夕の夜空は
あまりにも悲しすぎるのである__
夜空から降ってくる星の数ほどに
地上では人々の想いや願いの数があり
それぞれの夢を乗せて
"Desire"と言う名の列車が星空を駆けて
どこか遠いところへと消えてゆく
あの日__
俺の元から君が去っていったのは
束縛からの訣別であり
君自身の自由への旅立ちである
「それは寛容すべき正しい選択だ。」と
安楽椅子に座っている頭の中の俺自身が
理路整然とそのように云い聞かせる
しかし胸の内では
こんなにも哀しい気持ちになるのは
なぜだろう?
君と過ごした時間が__
その幸せが当たり前と思い込み
筋肉や血管や臓器までもが
一体となって繋がっていた
君との別れは
身が引き裂かれるような
激しい痛みを伴い
心に大きな穴を空けてしまった
もう既に
俺と君の人生の歩みは
分岐している
気が付けば何万光年も隔たって
埋まることのない距離をお互いに感じながら
同じ夜空を見上げているのだろうか?
七夕の夜空を眺めていると
そんな未練がましい自分の
苦々しさを噛み締める
君と奏で合った旋律の余韻
想い出は古びた弦のように
並びあって揺れている
懐かしさだけがいつまでも
胸の奥で鳴り止まないでいる__
〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?