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膝関節靭帯損傷の評価・アプローチ

2023.3-2024.2 投稿予定記事

3月 姿勢観察と前屈・後屈動作
  動作評価|スクワット・片脚立ち・回旋
4月 足関節の評価・徒手療法
  足関節の運動療法・トレーニング
5月 足関節捻挫の評価・アプローチ
  足関節捻挫の運動療法・アスリハ
6月 膝関節の評価・徒手療法
  膝関節の運動療法・トレーニング
7月 膝関節靭帯損傷の評価・アプローチ
  膝関節靭帯損傷の運動療法・アスリハ

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膝内側側副靭帯損傷のリハビリでは、
膝関節の構造的な安定性を獲得後、膝関節周囲筋の強化により機能的な安定性を獲得することが第一目標となります。

その後上下の関節だけでなく、上半身質量中心、下半身質量中心の関係性から膝関節にかかる負担を考慮し、運動療法を展開していきます。

膝関節疾患で多い、膝内側側副靭帯損傷を例にして初期のリハビリからスポーツ復帰までの流れについてご紹介していきます。





1.膝内側側副靭帯(Medial Colateral Ligament|MCL)概要

❶機能解剖

浅層|内側広筋、大内転筋と連結
深層|内側半月板と連結
POL(後斜靭帯)|内側半月板後節を介して半膜様筋と連結

MCLは膝関節内側で内側広筋・大内転筋・半膜様筋や半月板と強く連結することで、膝関節全可動域で一定の張力を保つとされています。

作用
MCLは矢状面においては、大腿骨から脛骨に向かって後方から前方に走行するため、膝関節伸展位では全線維が緊張し、軽度屈曲位(45°〜60°程度)では直線化します。
またその走行から膝外反と下腿外旋を制動するとされています。

受傷起点|膝関節外反が主な受傷肢位となる


❷重症度分類と治癒期間

外反ストレステストを膝関節伸展位および軽度屈曲位で実施し、不安定性の有無で重症度を判定します。

屈曲位外反ストレステスト(−)・圧痛(+)
 →MCL表層部(前方線維)|Ⅰ度
屈曲位外反ストレステスト(+) 
 →MCL表層部(前方線維)|Ⅰ-Ⅱ度
伸展位外反ストレステスト(+)
 →MCL深層部(後方線維)|Ⅲ度

治癒期間

Ⅰ度|2週
Ⅱ度|4-6週
 コラーゲン合成量が増大する2-4週間で靭帯に一定の張力が得られます。
 6週間程度で靭帯の強度が増大するため、おおよその復帰目安となります。
Ⅲ度|8週
 靭帯が正常な強さになるにはそれ以上かかるとされており、おおよそ1年かかるとも言われています。



2.MCL損傷後のリハビリのポイント

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