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足関節捻挫の理学療法

2023.3-2024.2 投稿予定記事

3月 姿勢観察と前屈・後屈動作
  動作評価|スクワット・片脚立ち・回旋
4月 足関節の評価・徒手療法
  足関節の運動療法・トレーニング
5月 足関節捻挫の評価・アプロー
  足関節捻挫の運動療法・アスリハ

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1.足関節捻挫概要

足関節捻挫はスポーツにおいて頻発する怪我であり、重症化する事が稀なことから、十分なリハビリ・トレーニングを行わずに復帰し再発するケースや、その後の不十分な対応により症状が残存しているケースが多く見られます。

病態
日本スポーツ協会では以下の様に重症度を分類しています。

Ⅰ度|前距腓靱帯の伸張あるいは部分断裂
Ⅱ度|前距腓靱帯の完全断裂
Ⅲ度|前距腓靭帯、踵腓靭帯損傷および後距腓靭帯短線維の断裂

日本スポーツ協会


慢性足関節不安定症

再受傷率の高さは、不十分な安静期間(治癒期間)による機械的不安定性の残存や不十分なリハビリによる機能的不安定性の残存により、不十分な状態で早期復帰することで足関節捻挫を繰り返す原因となります。

不安定性が残存しその繰り返される状態を

慢性足関節不安定症=CAI|Chronic Ankle Instability

とされています。

CAIと判断する基準
 ✔︎少なくとも1回の重大な足関節捻挫の既往がある
 ✔︎giving-way・不安定感の既往がある
 ✔︎アンケート調査の基準を満たす

またCAIはMAIとFAIに分類されます。

機械的不安定性|MAI(Mechanical Ankle Instability)
関節を構成する組織が破綻(靱帯の弛緩性や滑膜の炎症、インピンジメントなど)により不安定性が生じる状態

機能的不安定性 |FAI(Functional Ankle Instability)
筋力低下や固有感覚の低下、姿勢制御能力の低下など機能的な問題が主となり不安定性が生じる状態

MAIの評価では前方引き出しテストを中心に関節の不安定性を評価します。
靱帯の修復が不十分な状態になることで関節不安定性が生じることから、リハビリにおいて修復期間を考慮したアプローチが必須となります。
※関節外靱帯の修復期間|6w-3M

FAIは機能的な問題となることから、リハビリにおいて十分に考慮したアプローチが必要になるほか、予防として機能改善トレーニングを取り入れる必要もあると考えます。
特に足関節背屈可動域制限や腓骨筋・ヒラメ筋の機能低下による足関節制御不全が報告されており、それらの機能を十分に改善する必要があります。


以上のことから、足関節捻挫の再発を予防しリハビリを進めるポイントは以下となります。

✔︎組織の治癒過程に合わせたアプローチ
✔︎足関節可動性改善、腓骨筋・ヒラメ筋機能改善
✔︎足関節制御能力の改善

足関節捻挫の改善には、
病態を考慮し、筋力と可動域改善による機能的安定性を得るために、適切に管理されたプログラムが必要となる
と考えます。


※亜急性期における徒手的アプローチ後



2.急性期のリハビリ|炎症コントロール

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