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すずめの戸締まり

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『すずめの戸締まり』は今まで観た映画の中で、トップクラスに良かったです。多くの人が感想や考察を書いていますが、私が読んだ中で共感できるものやハッとさせられたものを集めてみました。…
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2023年2月の記事一覧

芹澤朋也という男〜すずめの戸締りの特典小説を読んで〜

1/28(土)から、すずめの戸締りの特典として「小説 すずめの戸締り〜芹澤のものがたり〜」が配布されると聞いて、私は1/28(土)の朝、2回目のすずめの戸締りをみにいきました。 正直、めちゃくちゃ寒い日の朝で、ニュースをみて何も考えないで席を押さえた自分を恨みながら朝準備をしました。 せっかくなので丸眼鏡をお揃いにして髪を巻いたら、大学の近くの喫茶店で「トモと付き合ってるかって?2~3回ヤッたけどそういうんじゃないって笑 ないない笑」って言ってそうな女ができあがっていてそれ

「すずめの戸締まり」冒頭約10分の●●が凄い件について。

※このコラムには、一部ネタバレ要素を含みます。   世間で話題を呼んだ「すずめの戸締まり」は冒頭に力点を置いた作品だと思う。具体的には、冒頭の約10分間で視聴者に複数の展開を提示することで、一気に作品に関心を引き寄せる戦術が盛り込まれている。そして、新海誠監督(以下、同氏)がそのような戦術を取り入れた背景には、現代人の「タイパ志向」が関係していると筆者は推測した。  「タイパ」とは、タイムパフォーマンスの略であり、文字通り「時間効率」を指す。つまり、時間効率を意識するスタ

「すずめの戸締り」はエンタメの力技でグリーフケアしてくる

2022年の劇場用長編アニメーション映画「すずめの戸締り」(新海誠監督)は、11月11日という公開時期にも関わらず2022年の年間興行収入ランキング3位という記録を打ち立て、2023年2月現在も上映が続いているロングランヒットとなっている。 新海誠監督の前作『天気の子』が公開された2019年、【『天気の子』が般若心経な3つの理由】というエントリを公開し、「新海誠は令和時代の<仏教伝道者>だ」と記した筆者にとって、最新作にはどんな宗教的な要素が織り込まれているのか?観逃せるは

すずめの戸締り考察 ~新海誠監督の神道観~

新海誠監督の「すずめの戸締り」は、日本書紀、古事記、日本神道に由来するモチーフに彩られています。 作中の名称だけでも、 ・閉じ師である草太が扉を閉じるときの呪文のような言葉が祝詞 ・岩戸鈴芽→天岩戸 + 天宇受売(あめのうずめ、岩戸を開くときに尽力した芸能、縁結びの神) ・宗像草太→宗像三神(航海、交通の安全)+草太(草薙の大刀) のように日本神話のモチーフが散りばめられています。 また、この閉じ師の祝詞や彼の仕事内容から、日本神道を下地にした新海誠監督自身の神観とも言うべ

【対談#1】藤田直哉×杉田俊介 『すずめの戸締り』とはなんなのか?――徹底討論

*注意:この記事にはネタバレが含まれています 二〇一六年の『君の名は。』で二五〇億円を超える興行成績をあげ、日本映画の歴代興行成績二位に躍り出た監督・新海誠(現在は三位)。その影響力はもはや国民的と言うべきであろう。次作『天気の子』も一四〇億円を超える成績を挙げ、広範な支持を得ている。アメリカのアカデミー賞への招待、『君の名は。』のハリウッドリメイク、国際的な映画祭での受賞等々、国際的な評価も高い。二〇二一年一一月一一日公開『すずめの戸締り』は、ロングランヒットを続けている

『すずめの戸締まり』感想おまけ

こんにちは、ことろです! 今回は、前回の『すずめの戸締まり』の感想のつづきというか、おまけのようなものです。 前回は鈴芽に焦点を当てて書いたので、今回はダイジンや草太など、書ききれなかった細々とした感想を語ってみたいと思います。 今回も、ネタバレを含みます。 読みたくない方はUターンでお願いします。 辺土(リンボ)とは? 草太が見る不思議な夢に、辺土と書いてリンボと読ませる場所が出てきます。 辺土(へんど)……都から遠く離れた土地。辺地。片土。 リンボ……キリシタ

『すずめの戸締まり』は、鈴芽が12年間胸に秘めていた怒りや悲しみを終わらせる旅だった

こんにちは、ことろです。 前回の自己紹介記事には、たくさんのスキをありがとうございました。 ここはあったかい場所だなぁと思いました(笑) 今回はさっそく『すずめの戸締まり』という作品について感想を書いてみたいと思います。 感想というか解説のようなものになってしまいましたが、私が小説版を読んでいて、見つけた答えのひとつです。 『すずめの戸締まり』は映画を1回、小説版を2回ほど読んでいます。 感想なのでネタバレというか本編を知っている人向けの記事になってしまうかと思います

映画「すずめの戸締まり」

この映画を観たのは一ヶ月以上前なので、既に記憶が曖昧です。なぜか感想文を書き忘れていたようで、観た直後に書いた箇条書きをメモ代わりにnoteに残すことにしました。 そのため、読んでいただくにはあまりにも無味乾燥で意味をなさないような内容になってしまっていることを、予めお断りしておきます。 ただ、しばらく時間が経ったからこそ、観たときに湧き起こった感情が濾過されて、純粋度を増したようにも感じます。 大丈夫、未来は怖くない。 自分の事は自分で救う。 人とのつながりが自分

諦められない、祈りの物語が好き(映画「すずめの戸締まり」感想)

見てから少し時間が経ってしまったのですが、すずめの戸締まり、面白かったです! ツイートもしたのですが改めてnoteにも記事を残しておこうと思います。 目次に分けるほどではないですが、新しいトピックを話し始めるときは該当箇所を太字にしてますので、何か特定の気になるトピックがある方はざーっとスクロールしてみてください。 そして感想とはタイトルに打ったものの、がっつり脱線している箇所があって、ちょっとエッセイ寄りかもしれないことを前置きとして書かせてください。 * さて、新海誠

大ヒット中のアニメ映画「すずめの戸締まり」から学ぶ。日本史。

ワタシが、アニメーションや漫画を愛しているのは 作り手の混沌から生まれた凄まじい拘り(愛・執着・執念)と言うエネルギーからエナジーを貰えるからなのだ。 さてさて、すずめの戸締まり見てきた感想。 仙台市の小学2年生の山根あん(8)さんが、白猫ダイジンの声役を好演している。それも仙台在住としては嬉しい限りだ。 ひとことで感想言うと観るのに覚悟がいる映画。 あの日、宮城で被災した暮らしを 鮮明に思い出されて嗚咽と号泣し、つけまつ毛が取れました。 岩手出身の自分としては、故