見出し画像

休日のダラダラをなくす科学的な方法 #創作ハック

こちらは、より豊かな創作活動を実現するための情報をお届けする「創作ハック」というマガジンの記事です。

今回は、ついついやってしまう「ダラけて後悔する休日をどうやって改善するか」について書きます。

僕はすごく怠惰な人間なんで、やらなきゃいけないことがあっても、気を抜くと『スプラトゥーン2』をやってしまったり、マンガを読んだりと、「今すぐやりたい」という欲求に従ってしまいます。

誰だって似たような経験はあるんじゃないでしょうか。試験前の大事な時間なのに、ついつい本棚のマンガに手を伸ばしたり、普段はする気が起きない掃除をなぜか始めてしまったり…。どれだけ休日をムダにしてきたことか。

ただ、この行為って単に僕らの意志が弱いということじゃなくて、人の行動原理として実証されていることなんですよね。行動経済学の「双曲割引」という概念があって、人は目の前にあるものの価値を高く見積もり、未来に手に入るものほど価値を低く見積もってしまうみたいなんです。

長期的には、目の前にある少し大変な作業をこなすことのほうが大事かもしれないとわかっていても、すぐマンガを読むことによる価値のほうをより高く見積もってしまうせいで、マンガを読んでしまうというわけ。僕らが休日についダラダラしてしまう要因のひとつはこれ。

この問題を解決する方法として、自分でやってみて「これいいな」と思ったものをふたつご紹介します。

ーーーー

まずひとつは、四の五の言わずとにかく始めてしまうこと。始めちゃえば、だんだんやる気が出てくるんです。

これは心理学用語で「作業興奮」として広く知られています。人が行動すると、脳内の「側坐核」という部分が活性化し、ドーパミンという“やる気のもと”が分泌されると言われています。それによって積極的に行動が起こせるようになるというわけ。

たぶんこれも経験ありますよね。机の上を片付けるの面倒くさいなぁと思っていたけど、いざ始めてみるとだんだんノッてきて一気に終わらせてしまう、みたいな。これが作業興奮。

ーーーーー

じゃあ、何でもすぐに始めればいいんだと思って、それが実践できる人はいいでしょう。

でも、どうしてもやる気が起きない、どうしてもあと1歩を踏み出せない、という瞬間があります。

そういうときのためにおすすめなのは、自分の理想を可視化した「メンタルマップ」を作っておくこと。これはハーバード大学のショーンエイカーさんが提唱している方法です。

やることは超カンタン。自分がどうなりたいのかを書き出すだけ。

「人生の目標」っていうと「そんなのわかんないよ」ってなってしまうかもしれませんが、ぼんやりでいいんです。誰だってあんまり明確になっていないだけで、「なんとなくこの方向に行きたいな」「こういうことを達成したいな」ということはあるはずです。

ひとつに絞るのはすごく難しいと思うんですけど、最初のステップとしてはざっくり列挙するといいと思います。

たとえば「仕事で成功して異性にめちゃくちゃモテたい」とか、「自分の作ったものを多くの人にほめてもらいたい」「スプラトゥーンのプレイヤーとして有名になりたい」とか、そういうのでいいと思います。

ーーーーー

このメンタルマップをつくるにあたって、3つのことを意識しましょう。

①仕事や趣味、恋愛など、人生に関わるいろんな領域について考えるのが大事。心から求めているものをちゃんと洗い出しましょう。

②はじめから完璧を目指さない。月に1回ぐらい見返してブラッシュアップすればOK。

③見返しやすいようにしておきましょう。ただつくるだけだと忘れちゃいます。プリントして、デスクに置いておくとかいいですね。

ーーーーー

この作業をするにあたって「マインドマップ(not メンタルマップ)」のツールを使うとラクです。

マインドマップのツールって、適当に羅列したものを整理しやすいんですよ。バーッといろんな項目を書きなぐったあとで、「この項目はあの項目の下位概念だな」みたいにして洗練させられるんですよね。

「XMind」「mind meister」などがあるので、調べて使ってみてください。↓こんな感じのものが作れます。

(これはXMindのスクリーンショット。最初はこだわりすぎず、領域別に3×3ぐらい書いて、それから洗練させるといいと思います)

「XMind」の公式サイト
→無料でクラウド上に保存できる最高のサービスだったが、今はローカル保存のみに…それでもよければ無料で使える

「mindmeister」の公式サイト
→PCはWebのみだけど、UIなどけっこうキレイ

ーーーーー

ちょっと話が脱線しかけているんですが、今回の記事のテーマは「ダラダラ過ごしちゃう休日をどう変えるか」という話でした。さっきのメンタルマップで準備は完了です。

つい目の前のラクで楽しいことに手を出してしまいそうになったときには、メンタルマップを眺めて「そういえば自分は〜を目指してるんだった」と思い出しましょう。そのうえで、目の前の面倒な行動(作業)にどんな価値があるのか、人生にどんなメリットがあるのかを書き出します。これだけなら1分で終わるはずです。

たとえば「仕事で成功して異性にめちゃくちゃモテたい」という理想があったとして、「この資料をきれいにつくることが成果につながり、社内の注目の的になるかも」みたいな。

この例はちょっと間抜けな感じになっちゃってますが、こんな風にすると、ただめんどくさかった作業に意味付けがされて、やる気が出てくるはずです。

ウォートン・ビジネススクールの研究者によると、仕事の内容が長期的な目標と合致していたときは、モチベーションや生産性が3倍にもなると実証されたそう。そのほかの研究でも、長期的な目標に対する重要なステップとして目の前のことを捉える効果は高いとされているようです。

意味づけによる勢いで始めてしまえば、冒頭に紹介した作業興奮の効果も相まってさらにやる気が強まるでしょう。

ーーーーー

まとめると、こんな感じ
・とりあえず始めればやる気は出る(作業興奮)
・理想を描いたメンタルマップを作っておく
・ラクなほうに流れちゃう前に「目の前の行動(作業)にどんな価値があるのか」を書いてみる

ちなみにこのやり方はかなり汎用性が高くて、休日に限らず普段の仕事なんかにも活かせると思います。自分が達成したいことに対して、目の前にある作業にはどんな意味があるのか考えれば、やる気や集中力がかなり変わるはず。

みなさんの休日が、有意義なものになったら嬉しいです。

こんな感じで創作活動をサポートする記事を書いていきます。Twitterでも同様のことをつぶやくので、もしよかったらフォローお願いします!

参考書籍


この記事が参加している募集

推薦図書

見てくださってありがとうございます。サポートは調査研究に使わせていただきます。これからもよろしくお願いいたします!