追求と実現の差に気をつけて【新人読書日記/毎日20頁を】(10)
「人生の意味の心理学」181-200頁、読了です。
誰かに「あなたにとって人生の意味は何ですか」と尋ねることは、要するに、人生で何を求めているかと問うことといっても良いでしょうか。私たちは、人生で大事だと思うものを追求して、目標に近づいて、実現して、また新たに何かを追求し、・・・といった具合に繰り返して人生の意味のために走り回っています。
ここで乙一の「落ちる飛行機の中で」という短編小説を思い出しました。何年も続けてT大に受かるために頑張っていて、結局どうしても受からなかった男が絶望し、漬物の商売で稼いだ大金で拳銃を買って、飛行機に乗ってハイジャックしたというストーリーです。私のお気に入りです。小説の中の男がまさに自分の追求と実現の差に負けたため、狂って人生の意味を丸ごと否定した典型的な一例だと思います。
つまり、目標と能力の距離が大事です。人間の潜在力は無限だと言っても、遥かにある目標のために、どのように頑張っても近づくことが全くできないのも虚しいと言えば虚しいですよね。それは本当に追求なのか、それとも歪んだ執念なのか、一旦冷静になって考え直した方が良いかもしれません。
・・・・・ 新刊速報 ・・・・・
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