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ニヒリズム=還元主義か【新人読書日記/毎日20頁を】(04)

「人生の意味の心理学」61-80頁、読了です。

精神科医・心理学者のフランクルが学問上のニヒリズムを「還元主義」と呼ぶ話が面白いと思いました。

還元主義は、人間をもの化し、事物化し、非人格化する傾向によって、実存的空虚を助長しているという。たとえば、親の愛を「ナルシシズムにほかならない」と言い切ったり、友情を「同性愛的欲求の昇華にほかならない」と主張したりすることは、「ほかならない」という言い回しによって人間の全体的次元に関する還元・矮小化をしてしまう点でニヒリズムが隠されているというわけである。

(Frankl,1972 山田監訳 2004,pp.9-10)

確かに、複雑な問題を単純化し、解決しやすくするのは賢い方法ですが、人生や人生の意味をあまりにも単純化しすぎ、本質的に考えたら、面白さも失ってしまいます。むしろ人生というものは、複雑であれば複雑であるほど面白いと言ってもよいのではないでしょうか。但し、面白さの盲目的な追求で、乱歩の「鏡地獄」にあるように「鏡の地獄」に落ちないよう要注意です(冗談じゃないです)。

若い世代に無意味感が高まっているのも「還元主義」の影響が教育に反映されているからだと、フランクルが指摘しているそうです。現代的な理性溢れる考え方が人生の意味に対する虚無感を助長したと考えざるを得ませんね。

次回は幅、深さなど、人生の意味を測る内容に入ります。
あなたの人生の意味の深さは何メートル?😺


🐈…今回の話がスキな方に、こちらの本もおすすめです!


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