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昔、家族で一瞬見たエリザベス女王

今、イギリスでは「プラチナ・ジュビリー」一色だ。エリザベス女王在位70周年とは、率直にすごい!と思ってしまう。

テレビニュースで、高貴で、凛とした美しさをたたえるエリザベス女王を目にし、昔「リアル・女王」を見たことを思い出した。

私が小学校低学年のころ。エリザベス女王の桂離宮(京都市)訪問のニュースを聞いた父が、家族で女王を見よう!などと言い出した。当時住んでいたマンションは、大きな通りに面していた。この通りをずっと西に行くと、桂離宮の近くに行きつく。だから、ドアの前の廊下に出ていれば、きっと見られるとの提案だった。(父が車の通過時間をどうやって知ったのかは、不明。)

父・母・私・弟の4人は、じっと待った。マンションの2階から、道行く車を見つめ続ける。

「・・・あっ、来た!」

父が右を指をさすと、黒塗りの車が数台連なっている。車は、スーッと目の前を通過する。よく見ると、美しい顔立ちの女性が、こちらにちらりと顔を向けて、微笑んだ。

「エリザベス女王!」

私が叫んだと同時に、車は、あっという間に通り抜けてしまった。なんて、きれいなんやろう...まるで、お姫様みたい。当時の私は、まだ幼かったから、こんな言葉でしか表現できなかった。

上品で、エレガント。気高く、優美。ノーブルで麗しい。

今、改めて当時を振り返って、女王のことを表現したら、こんな感じだろうか。

それにしても、美しかった。あんなきれいな女の人は、これまで見たことがなかった。美しさの中に厳かさもあり、イギリスという国と、運命を共にするかのような威厳も感じられた。ほんの数秒のことなのに、あの瞬間は、私の心に、はっきりと刻まれているのだ。

「本物の女王様が見られて良かったなあ。」家族全員で、最大のミッションを達成できた喜びに、しばらく浸っていた。4人の輝く笑顔と共に。

この日から、私の心の奥底には、エリザベス女王の姿が静かに厳かにたたずんでいる。それは今も消えることはない。ずっと後になって、突然英語を学びたくなり、イギリスに飛び立ったのも、この日のエリザベス女王の笑顔のおかげなのかもしれない。

お元気そうなエリザベス女王の姿に、あの日、私たち家族に素敵で、幸せな思い出をありがとうございます・・・と、心の中でつぶやいている。




・画像はネットから引用しています。


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