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私の読書感想文➁~『キリン解剖記』

昨日行った図書館で、運命的な出会いをしてしまった、ある本。

『キリン解剖記』(郡司芽久・著)

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私も動物園に行けば、必ず見るキリン。絶対にスルーできない動物の首位を保つ動物だと個人的に思う。それを、解剖って?あんな長い首のキリンをどうやって?いくつもの疑問があふれてしまい、思わず棚に手を伸ばした。

筆者の郡司さんは、1989年生まれ。すでに3歳で動物園のキリンの前から動かなかったという根っからのキリン好き。

そして、大学院の修士~博士課程でキリンの研究を行い、今は国立科学博物館に勤務。「キリン博士」として、世界で最も多く解剖しているかもしれないそうだ。

平均的な大人のキリンは首の長さ約2m、重さは100~150㎏。こんな長いキリンの首を解剖していくのだ。今は、ほとんど郡司さん一人が解剖されているようだが、女性の力で解剖するのは、本当に体力がいる。

一方で皮膚をはがしたり、体の中の筋肉のつき方や様子を入念に観察して、写真とスケッチで記録をする細かい作業もある。気が抜けない大変な仕事だろうなと思う反面、好きなことに没頭して研究できる楽しさ、幸せが文章から感じ取れる。

我が身を振り返ると、高校生のとき生物の授業の「カエルの解剖」で怖くて、ビビっていたレベルとは全く次元が違う話なのだ。

研究者としての鋭さを持ちながら、キリンにこよなく愛情を注ぎ続ける郡司さん。同時に好きなことを徹底して極められていて、まぶしさ、うらやましさを感じる。

今後の人生で、私はおそらく「キリンの解剖」はしないと思うけれど、絶対自分がやらないことに挑戦している方が書いた本には、私の好奇心のメーターが振りきれそうになる。

実は、この本、まだ半分しか読めていない。しかし、あまりの新鮮さ、面白さのおかげで、早く感想文が書きたくなってしまった。

残り半分、ゆっくり味わって読もう。次に動物園で行ったとき、キリンの前で、この本に書いてあったことを、一人静かに語りかけているかもしれない。


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