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💗心のおはなし2.私の心の『取り扱い説明書』

私は幼い頃から気がつくとポロポロと涙がこぼれてしまうほどに自信がなくてネガティブで不器用すぎる女の子だった。
そんな自分を変えたくて、変えたくて、仕方なかった。
でも、その方法を見つけることのできないまま大学生になった。
私はずっと自分自身を責め続けてきた。


私は今、心理学を学んでいる
日々「学び」の偉大さを心から強く感じている。

“「学び」は必ず人生の糧になるものだ。“

こんな言葉、あまりにありふれすぎたものかもしれない。
けれど、私自身がきちんとそう感じることができたという事実を、今、ここに、残しておきたいと思う。



105点のうち100点。
私のシャイネス傾向の数値だ。
100点はあまりにも高い数値であるという。


シャイネス傾向とは、他者とコミュニケーションをとる場面での不安傾向を示すものであり、定められたいくつかの質問の回答から導くことができる。


人間関係においての不安は人間誰もが抱く感情であり、ありふれた個性の一つと言って良いそうだ。
しかし、シャイネス傾向の値は人生に大きく影響するというのだ。

それを明確に示す実験がある。

「世間からの離脱」1988 caspi et al
被験者:1928年~1929年にカリフォルニアで生まれた314名

実験内容:8歳~10歳の期間に母親によって、
10歳~12歳の期間に教師によって、30歳~40歳の間に本人へのインタビューと性格検査によっての3回にわたってシャイネスを測定する


<結果>
児童期においてシャイであった男性は就職、結婚、および父親になる年齢が、シャイでなかった男性に比べ平均して3年から4年も遅れ、また給与や社会的地位にも良くない影響を及ぼす。また女性の就労にも影響する。
(女性の結婚に影響が見られなかったのは、当時の結婚は男性主導であったため。)


シャイネス傾向の高い人は、仕事も結婚も、低い人よりも明らかに劣ってしまったり遅くなったりしてしまうというのだ。



「現在はシャイではなかったとしても、かつてシャイであったことの影響はドミノのように様々なライフイベントを経由して現在まで影響する」

「シャイネスは身体的なハンディキャップにひけをとらないくらい心理的なハンディキャップであり、個人の将来に極めて深刻な影響をもたらす」

その話を聞いたときの私の心はずんと沈み、決して変えることのできない「過去」が影響してしまうのなら、どれだけ「今」を頑張ったって意味がないじゃない、もううんざりだ、と、投げやりな気持ちになってしまった。


でも、一夜明けめて、沈んだ心をどうにか立て直し、もう一度講義のレジュメを見返した。
色々なことを考え直して、思ったことがある。


自分自身が「シャイネス傾向が強い」ということを知ったからこそ、周りの人より色々なことのペースがゆっくりだったり、
何度もつまずいて上手に進んでいくことができない自分を、今まで以上に大事にしてあげられそうな気がしてきたのだ。


今の自分ではどうしようもできない原因を知っているからこそ、自分に対して必要以上にイライラしたり、責めることがなくなると思う。


仕方ないよね、ゆっくりコツコツ進んでいこう。と、一番の理解者であり、味方になれると思ったのだ。


それは、凄く大切なことのように思える。

「学ぶ」ということは、時に今までの自分を傷をつけるような刃になりかねるのかもしれない。
知らなきゃよかった、なんて思ってしまうこともある。


でも、それは捉え方次第で、必ずこれからの糧にできると思う。
物事のとらえ方の新たな手段を導いてくれる。



大学での講義で色々な心の仕組みを学ぶことで、胸の奥でじっと胡座をかいていたモヤモヤがすっきりと腑に落ちることが多くある。

「知る」ことで少しづつ苦しみから解き放たれることができている。
それと同時に、知らずに生きてきた自分はどれだけ苦しかったのだろう、と思う。
過去の自分をぎゅっと抱きしめてあげたくなる。
知ることができて、本当に良かった。


「無知」がゆえに苦しんでいる人は本当に多いのではないだろうか。
自分自身もそうだったし、今もまだそういうものをいくつも抱えているのだと感じている。



最近、学ぶことで自分自身の取り扱い説明書を作っていくような感じがしている。
ずっと手に負えず、どうしようもできなかったものに少しの説明書きがあるだけで、心はスッと軽くなる。
知識が増えることで、説明書はより具体的で明確なものになる。



自分自身のために説明書をより詳しく丁寧なものにしていってあげたいと思う。
だからこそ、そのために、「学び続ける人」でありたい。

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