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無職四畳半日記 20日目 マンガ感想文「ベルリンうわの空」

もしかしたら「うわの空」は「今」を味わうために必要な余白なのかもしれない。

たまたま見つけた「ベルリンうわの空」が心にじんわりしみるいい漫画だった。

ささやかだけれど優しい日常。ほんのりふしぎなタッチで描く自由きままなドイツ移住記。(単行本の帯より)

おすすめポイント

1 ユーモラスで不思議な魅力の絵柄 

「ベルリンうわの空」っていうタイトルの響きに通りの可愛くて、ちょっとふしぎな絵柄に引き込まれます。二色刷りが綺麗です。独特の可愛らしさで物としてのこの漫画に愛着を感じてしまいますよ。

2 ベルリンの日常 

スーパーマーケットや行きつけのカフェのことなど、そこで生活して見えてくるあれこれが面白い。ハリボーの種類が多いとか、そういうでティールが良い!

3 作者が生活しながら経験するいろんなモヤモヤ、些細な、それでいて大切な小さな何か、をすくい取った物語

第一話の最後はこんなセリフでしめられている。

この街の平凡や日常を過ごしながら、大事なものやささいなものを集めている。•••それで、僕なりに色々わかってきた これから描くのは、そんな「色々」だ

作者がベルリンの空気を、生活を、味わって自分なりに消化したものが丁寧に描かれているのが素敵だった。

そこに生きられた時間を感じるから、心に染みてくるんだな。

スマホから顔をあげて、周りの景色を見てみる。隣の人の表情を丁寧に見てみる。どんな音が今、聞こえてて、どんな匂いがするか。それに自分はどう反応しているか。丁寧に豊かに生きるのはこれしかない。自分の今、ここ以外に生命はありえない。そんな「今」を感じるための余白の大切さを教えてくれる愛すべき漫画です。おすすめ!

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