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意外と知らない「1年で異動してしまう先生」の真相と「学校の職員事情」

共育LIBRARYへよくぞおいでくださいました✨

教育、人間、人生など、様々な「知恵」や「情報」が詰まった図書館のような、皆さんがくつろぎ、人生の「気付き」を得たり、知的好奇心を満たしたりできる居場所を目指しています😌

どうぞ、ごゆるりとお過ごしください。

共育LIBRARYりょーやん、元教師です。


さて、先週から始めてみた「お品書き」ですが、今週もやっていきたいと思います🍀

今週LIBRARYに収める記事たちのラインナップです🎵

📘今週のLIBRARYのラインナップ📗

(2023.11.6~11.12)

【月曜日】
意外と知らない「1年で異動してしまう先生」の真相と「学校の職員事情」
【火曜日】
《道徳》教科書通りの授業が失敗する理由 子どもに伝えるべき本当の日本人像とは?
【水曜日】
プロは「鉛筆の握り方」から100の分析をする 勉強・運動・感覚の関連性
【木曜日】
まさか不可能でしょ?「叱りゼロ」の子育てを実現させてしまう方法(一部有料)
【金曜日】
やっている人はもったいない!脳に悪い7つの習慣
【土曜日】
「頭の良さ」は4つの種類に分かれる!あなたはどのタイプに当てはまるか?
【日曜日】
もう古い?年々難しくなる「叱る」行為 そもそも「叱る」は必要か?

一部有料記事というものに、初めてチャレンジしてみたいと思います✨

気になった方は、購入を検討してみてください🎵

・・・

「今年来たばかりなのにすぐ異動になる先生がいるけれど、なぜ?」
「通級の先生って何をする先生なの?」

学校の内情を知らない方から、このような質問をされたことがあります。

学校内には、予想以上に様々な役職があり、それが、外部には広く認知されていません。

そして、その役職や雇用形態によって、その学校に留まることができる期間や時間が変わってきます。

そのような学校の内情に関することは、「必ず知っておかなければいけない」というレベルの情報ではないかもしれません。

しかし、知っておいた方が社会的資源を有効活用できることになりますし、相談するときや6年間をイメージする上で、ある程度の予測が立ちやすくなるでしょう。

そこで、学校内の役職や組織について、教師歴10年の筆者が1つ1つ解説していきます。

これを知れば、「急に先生が異動した」という事態を想定できると思いますし、困ったときに誰に相談すればよいのか、受けることができる支援は何なのかが分かるはずです。

この記事は、そこまでニーズはないかもしれませんが、興味本位で見ていただけると有難いです。

知りたい方の為に、それぞれの役職を簡単に解説していますが、幾分役職が多いので、

「特に知っておくとよいのでは」

と考えている役職は🟦を付けています。

ニーズによって読み分けてくださればと思います。



なぜ1年で異動するのか

まずは、なぜ1年でいなくなってしまう先生がいるのかを説明します。

1年で異動・交替するパターンは大きく分けて6つ。

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

❶学級担任であるが講師の場合
❷出産による育休に入る場合
❸専科教員(講師)である場合
❹学校内で同僚と結婚した場合
❺不祥事を起こした場合
❻その他の事情で退職した場合

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

不祥事や病休、転職、その他様々な理由で教員を退職せざるを得ない、異動せざるを得ないケースは、皆さんも分かると思います。

1番分かりづらいのが講師です。

講師は、正規採用ではなく、基本的に1年契約でその学校に赴任します。

そして、さらに分かりづらいのが、常勤講師は学級担任を受け持つことも多いので、端から見たら誰が正規採用で、誰が講師なのかが全く分からないということです。

それを判断する基準は年数です。

筆者が勤務していた地域では、通常、正規採用であれば6年間同じ学校にいる制度でした。

そして2校目からは、基本的に6~8年間勤務して異動というコースが普通です。

もちろん、何らかの事情で異動をお願いすることができますが、それでも、3年は同じ学校に勤務しなければならないのが基本でした。

対して、講師は1年契約。契約期間が延びたとしても、2年いるのはかなり長くいるケースだといえるでしょう。

なぜなら、講師の先生は、産休・育休の先生の代わりとして赴任するケースが多いから。

その先生の育休が終わると、自然と勤務も終わるという契約になっているのです。

担任を持たずに、音楽や家庭科など、一定の教科のみをもつ「専科」の教員も講師であるケースが多いでしょう。

非常勤という時短勤務である方も多く、そのような方々も1年契約。長くて2年といったところでしょうか。

また、特殊なケースとして職場内結婚をして異動という場合もあり得ます。

職場内で結婚したら、次の年には長く勤務していた方が異動というルールがあるので、

「6~8年間経っていないのに急に異動した」

という場合は、職場内結婚が関係しているかもしれませんし、職場内結婚をしたら、

「次の年にはどちらかが異動かな?」

と予想が立てられるかもしれません。


学校にいる職員の役職の種類

ここからは、学校にいる職員の役職を解説していきます。

学校内にはかなりの種類の役職があります。

全て読むのは長い方もいると思いますので、筆者が特に知っておいてほしい役職を🟦で表記させていただきますね。

まずは、職員の役職の種類をざっと列挙してみます。地域ごとに差があるかもしれませんので、そこはご了承ください。

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

◆校長
◆教頭
◆教務主任
◆校務主任
◆学年主任
◆学級担任
◆特別支援学級担任
◆通級指導教室担任(※)
🟦
◆保健主事
◆養護教諭
◆栄養教諭(※)
◆専科教諭(講師)
◆発達障害対応支援員
🟦
◆少人数指導教諭(講師)
◆スクールカウンセラー
🟦
◆日本語支援員/母語支援員(※)
◆事務職員
◆業務士(用務)
◆業務員(用務)
◆調理員
◆主幹教諭(※)

※は学校によっていない可能性のある役職

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

ざっとあげてみても、これだけの人数(役職)がいます。

では、役職によって、どのような仕事を請け負っているのでしょうか。次からは、保護者にも関係がある役職を重点的に、その他は簡単に解説していきます。


学校組織・役職の仕事内容

🟧校長

学校で最重要な役職は、やはり校長です。

校長次第で、学校はよくも悪くもなります。

筆者がこれまで出会ったよい校長には、共通して次のような特徴がありました。

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

①朝に校門で挨拶をしている
②子どもの名前をよく覚えている
③職員に積極的に話しかける
④朝会の話が短い・面白い
⑤ここぞというときの意見がブレない

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

悪い校長は、この逆だと思ってください。

とにかく校長が明るいと、学校の雰囲気が明るくなります。

また、校長の顔を地域の住民が知っていると、学校にも相談しやすくなりますし、理不尽な意見も減ります。保護者も安心感を覚えるでしょう。


🟧教頭

教頭は、「管理」「外部とのパイプ」という2つが主な仕事であるイメージです。保護者対応、機密情報の管理、そして、PTAや外部機関との連携を行います。

例えば、「この子どもに発達障害の診断がおりており、特別支援学級に移籍したい」という場合も、教頭が窓口になります。

ですので、転校、特別支援学級・通級指導教室に関する決断は教頭が担当しているのです。

PTAや社会福祉サービスもです。児童相談所による児童保護が行われた場合も、教頭が諸機関と様々連絡をします。


🟧教務主任

この教務主任が、全職員に指示を出し、校長が思い描くビジョンを実現させていく実行部隊・実務家です。そして、校長、教頭を除く、全ての教員のボスのような存在です。

先生方の仕事の状態、内容、子どもの状態、保護者の様子を、全体的に把握しておきながら、支援・調整を行っていくのです。


🟧学年主任

その学年の責任者です。学年の方針、行事の進め方、教材の選択、スケジュール管理、学年の子どもに関する指導・対応などが主な仕事となります。

小学校は、ほとんどの場合、学年主任が学級担任を兼務しているので、自分も担任を持ちながら、学年全体よく観察し、調整をしていくのです。


🟧学級担任

これは解説する間でもないでしょう。

産休や病休にならない限り、基本的に年度初めに任された先生が、1年間担任を受け持ちます。


🟧特別支援学級担任/学年主任

特別支援学級は、情緒と知的に分かれます。

自閉などの対人関係や社会適応に困難を抱える子どもたち、そして、知的に遅れがあるというレベルの知能をもつ子どもたちを受け持ちます。

入学前に受ける就学時検診で特別支援学級に入ることを検討されることもありますし、通常の学級に所属していたけれど、やはり特別支援学級の方が適していると話し合われ、異動することもあるのが実情。

もちろん、本人の意思と保護者の意見を尊重しながら、です。

特別支援学級に入るべきか否かは、特別支援学級担任+学年主任、通級指導教室担任、教頭、教務、特別支援コーディネーターが話し合い、方針を固めることになります。

経験ある複数の教員で意見を交流し、慎重に事を進めていくのです。


🟦通級指導教室担任

通称「通級」は、一部特別な指導を必要とする子どもが障害に応じた指導を受ける教室です。

通常級と特別支援学級の中間のような存在でしょう。

特別支援学級に入るほどではないけれど、通常級では、どうしてもつまづきや不適応を起こしてしまう。

そんな「グレーゾーン」の子どものための教室だと捉えると分かりやすいです。

通級は、その必要性が広く認知され始め、ようやく数が増えてきています。ですが、まだまだ整備が整っていない状態です。


🟧保健主事

学校運営上の衛生面・健康面を管理する責任者です。

校内のアレルギーをもつ子どもの面談の設計、職員への通知を行います。


🟧養護教諭

いわゆる保健室の先生です。

子どもに直接関わる管理(嘔吐・熱中症など)、対応方法のマニュアル化、他にも、歯磨き指導・月経指導など、保健の授業を学級に赴いて行うこともあります。


🟧栄養教諭

給食や食事の栄養指導を行う役職です。定期的に、給食の栄養素を解説したり、給食で使われている食材の産地を教えたりします。


🟧専科教諭(講師)

専科とは、学級担任を持たず、特定の教科のみを教える教員のことを指示します。音楽や家庭科、理科などの教科を専科が務めることが多いです。


🟦発達障害対応支援員

各学級の発達に凸凹をもつ子どもへの加配として赴任するスタッフです。

これは、正規採用という形ではなく、パートのようなポジションであると考えるのが妥当です。

どの学級にも発達障害を抱える子どもがいることが明らかになっている学校現場。

このような支援員の方にヘルプに入ってもらい、子どもや担任の負担を軽減するのは絶対に必要です。

とはいえ、発達に凸凹を抱える子どもたちへの対応は、全く追いついていないのが現状なのです。

この支援員のようなポジションの方々が、学校現場にもっとヘルプとして入ってくれるのが、理想、いや、必須だと思います。


🟧少人数指導教諭(講師)

算数や体育など、教員1人ではなく2人体勢で教科指導を行うための教員です。

主に、1人が主導して授業を進める教員、もう1人が個別支援に入る教員に分かれます。


🟦スクールカウンセラー

子ども自身が精神的に辛いときや、保護者が家庭の問題で手一杯になってしまっているときに、相談できるカウンセラーが、学校にはいます。

筆者の地域では、1つの学校に駐在しているのではなく、小学校と中学校、複数の小学校など、定期的に学校を訪問する形で働いていました。

担任に話せないことや、どこに相談してよいか分からないことなどを、このスクールカウンセラーにつなげ、スクールカウンセラーが必要あれば外部の機関につなげることもできます。

10年前は、その重要性はそこまで世間に知れ渡っていなかったと認識していますが、現在は必須の存在となっています。それは、メンタル面に悩みを抱える子ども・保護者、教員が多くなってきているからです。

カウンセリングは、然るべきところで受けると保険が適応されない、それなりの料金になることが多いです。しかし、学校であれば無料で受けることができます。

知っておいて損はない存在、且つ、いざとなったら頼ってほしい存在です。


🟧日本語支援員/母語支援員

近年は、外国人労働者が増えてきた関係で、様々な国籍の外国人児童が学校に在籍することが多くなってきました。

その子どもたちは、通常学級に在籍し、普通に授業を受けるのですが、日本語を十分に話せないレベルであることがほとんどです。

ですので、日本語支援員や母語支援員が個別で教える時間が設けられるのです。

しかし、その時間も1か月に1回などといった微々たる頻度。

まだまだ外国籍児童に対する支援は追いついていません。


🟧事務職員

役所から送られてくる書類を管理したり、こちらが役所に送らなければならない書類を管理したりします。

教員の給与や勤務に関する調整・管理、学校の予算の管理など、先生たちの労働管理・支援を行う役職です。


🟧業務士(用務)

学校の敷地内にある様々な建物の管理・修理・修繕を行う仕事を担う人です。

教室の扉、机、椅子、その他の環境の老化によって危険なものがある場合はそれを修理します。


🟧業務員(用務)

校内の掃除をしたり、来訪者の対応をしたり、学校行事の運営を手伝ったり、除草作業を行ったりします。


🟧調理員

給食を作る調理員です。学校の規模によりますが、300人規模の給食を2人で作っていたりする重労働です。

休みが出てしまった場合は、他所からヘルプが派遣されたりします。


🟧主幹教諭

筆者が勤務してきた学校にはいませんでしたが、校長および教頭を助け、校務の一部を整理し、子どもの教育(授業)も行うことができる役職です。

スーパーサブ的な存在でしょう。

大規模校や人手が特に必要な学校に配属されているのではないでしょうか。


まとめ

様々な役職を解説してきましたが、筆者が特に

「覚えておくとよい」

と考えているのは以下の3つです。

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

①通級指導教室担任
②スクールカウンセラー
③発達障害対応支援員

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

これは、知らなければ、自ら利用申請するという考えすら思い浮かばないからです。

発達に凸凹があったり、精神的な負担を抱えていたりするのならば、これらの学校にある資源を活用してください。

担任の先生、教務の先生に問い合わせれば、答えてくれるはずです。

とにかく大切なのは、大事に至る前の予防です。もしくは、問題が大きくなる小火の段階で早めに動くことです。

そうすれば、子どもが抱える失敗体験は少なくて済みます。

もっと、これらの学校の資源を活用することが当たり前の世の流れになってほしい。

そして、子どもの特性一人一人に合わせた配慮である「合理的配慮」が当たり前の社会、環境に少しでも近づいていってくれたらと願う次第です。


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「コメント」も残してくださる有難いです!コメントを読んだ方々が、より教育についての知見が深めることができる図書館でありたいと思います。

いつもいつも、最後まで読んでくださり本当にありがとうございます!

明日の記事は

《道徳》教科書通りの授業が失敗する理由 子どもに伝えるべき本当の日本人像とは?

です。

実際の道徳授業も紹介しようと思います。

是非、楽しみにしていてください🎵

皆さんの今日・明日がよき1日でありますように😊



📘今週のLIBRARYのラインナップ📗

(2023.11.6~11.12)

【月曜日】
意外と知らない「1年で異動してしまう先生」の真相と「学校の職員事情」
【火曜日】
《道徳》教科書通りの授業が失敗する理由 子どもに伝えるべき本当の日本人像とは?
【水曜日】
プロは「鉛筆の握り方」から100の分析をする 勉強・運動・感覚の関連性
【木曜日】
まさか不可能でしょ?「叱りゼロ」の子育てを実現させてしまう方法(一部有料)
【金曜日】
やっている人はもったいない!脳に悪い7つの習慣
【土曜日】
「頭の良さ」は4つの種類に分かれる!あなたはどのタイプに当てはまるか?
【日曜日】
もう古い?年々難しくなる「叱る」行為 そもそも「叱る」は必要か? 

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