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子どもの文章力が激変する!翌日になっても子どもが作文を書いてくる授業

本日は久しぶりにリアルで講演会へ参加。

というのも、
講演者が宇野先生という、
日本ディスレクシア協会、
LD支援最前線の方だったから。

こういった講演では大抵寝てしまうのですが、
ちょっとしか寝ませんでした!
(ちょっとは寝たんかい!笑)

宇野先生の他に、
ディスレクシアの当事者で、
講演活動を行っている20代の方が素晴らしかった。

久々に、
心から参加してよかったと思える学びの場でした。


共育LIBRARYへようこそおいでくださいました✨

教育、人間、人生など、様々な「知恵」や「情報」が詰まった図書館のような、皆さんがくつろぎ、人生の「気付き」を得たり、知的好奇心を満たしたりできる居場所を目指しています😌

どうぞ、ごゆるりとお過ごしください。

共育LIBRARYりょーやん、元教師です。


「作文が苦手」

という子どもは多い。

これまでも、
作文が如何に高度な学習活動であるか、
発達の特性に対応する工夫をどこに凝らすのか、

といったことを記事にしてきました。

上記の記事では、
文章上達のステップの初期段階をまとめてあります。

作文は継続的に取り組むことで力が付きます。

この継続性を生み出すために、
筆者は日記指導を多くの学年で行っていました。

ただ、文章をレベルアップさせるための、
工夫点や新しい考え方を伝えるときは、
授業を通して行うことが多かったです。

今回は、そんな、

「子どもの文章力が激変する授業3選」

というテーマで、
どのような働きがけをすれば子どもの作文が変化するのかをお伝えします。

子どもになったつもりで、
楽しんでもらえるとうれしいです。



長く書かせるための授業

冒頭の掲載した記事の中では、
文章上達の初期のステップを以下のように書きました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

Ⅰ 毎日書く
Ⅱ 長く書く
Ⅲ 1つのことについて長く書く

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

日記に関してだけ言えば、
まずは毎日書いて、
「書く」という行為を当たり前の感覚にすること。
文章量は関係ない。

これがファーストステップです。

そして、
毎日書く習慣が身に付き、
書く体力がついてきたら
長く書くことに挑戦させていくのです。

では、ここから

「長く書く」

ための授業を紹介します。

授業が開始して第一声。

今から先生が行う行動をできるだけ長く文に書きましょう。

そう言って、
以下の行動を子どもに示します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

両手をパチンと叩き、
「始めます」と一言発する。
教室の扉を開け、
外の景色をしばらく眺め、
そしてまた扉を閉める。
その後電気を消し、
また点け、
教卓に戻る。
再び手を叩き、
笑顔で「終わります」と一言。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

この一連の流れを作文にしてノートに書かせるのです。

「できた人から持ってきます」

と伝え、
早速何人かが挑戦に来ます。

しかし、

「先生は扉を開けて閉めて、電気をつけたりしました。そして1回手を叩きました」

といった文章ばかり。

ここで個別に評定を行います。

Cです。

「C」というのは、
3年生として不合格というレベルだと言うこと。

このようなことを日常的に行っているので、
子どもたちは鍛えられています。

なので、逆に挑戦心に火がつき、
新たにチャレンジしてきます。

そして、大抵最初に挑戦して来るのは、
元気のいい男子たちばかり。

よって遠慮なく、
「C」を連発してきます。

「ええ?どうすればAが取れるんだ?」

と思ってきている中、
ある1人の女子がノート1ページびっしり書かれた作文を持ってきます。

AAです。

その途端、
教室にはどよめきが。

子どもたちは、
耳を研ぎ澄ませて情報を得ようとします。

ここでAAの子の作文を読み上げる。

すると、
2人目、3人目のAAが生まれ始める。

その時点で初めて、

「なぜAAなのか」

を子どもに問うのです。

すると、

「詳しく書いている」
「自分の思ったことを加えて書いている」

というポイントが、
子どもたち自身の口から出てきます。

教師が教えるのではなく、
発見させる

そして惜しくもチャイムが鳴ってしまうと、

「先生、家で書いてきていいですか!?」

となっていくのです。

その後は、
長く書いてきた作品群を、
学級通信に載せていきます。

最初に長く書いてきた子がこちら。

〇〇先生の行動について
わたしは、〇〇先生がさいしょ、「はじめます」と言った時、「何をするのかな?」と思いました。そして、〇〇先生が、教室のドアをあけて、まどのほうを見て、だまっていました。「ん?」とみんながふしぎそうなかおをしていました。そして、先生が、教室のドアをしめて、そのときも〇〇先生はだまっていました。そして、〇〇先生が教室に入ってきたときは、まだみんなは、ふしぎそうな顔をしていました。わたしも、みんなと同じようにふしぎそうなかおをしていました。そして、〇〇先生が、「終わります」と言ったとき、また、みんな、ふしぎそうな顔をしました。そして、〇〇先生が「できるだけ長く作文を書きましょう」と言いました。わたしはきあいが入りました。

3年生の作文

この授業を境にして、
変化していった日記を学級通信で再度取り上げ
学級全体にさらに波及させていきます。


書き出し文の授業

note記事も、作文も、
書き出しが命です。

導入部分の文章で、

「面白いか、面白くないか」

が判断されます。

そして、大抵、
導入が面白い文章は、
その後も面白いことが多い。

よって、
作文の書き出し文の工夫を、
授業にして教えていました。

授業の導入です。

今から作文の始めの部分を見せてきます、黒がみんなが書いた作文。赤が〇〇先生が昔受け持っていた子どもたちの作文です。皆さんは赤の文章を読んでください。

そういって、
教師が黒の文章を読み、
子どもが赤の文章を読んでいきます。

どちらの文章の方が続きを読みたくなりましたか?(確認)
赤の方ですよね。
赤の方は、全てある工夫をしています。
▢に何が入るでしょうか。

そうです。全て、最も盛り上がったクライマックスの部分から書き出しているのです。

その後、

・会話文で始めている
・音で始めている

などの具体的な気付きを共有した後は、
もう一度、作文を書き直す時間を設けます。

元々、
「はじめ」の部分だけを書かせてノートを回収していたので、作文全てを書き直させるわけではありません。

流石にそれは面倒だし、
子どもたちもかわいそうです。

こうして、
書き出し文が激変した作文が出来上がっていくのです。

ただし、
書き出し文だけ変化しても、
全体の構成が崩れていては、
読みづらい。

そういった指導は、
冒頭の「LD支援×作文指導」の記事に載せています。

このような構成表を使っていました。

ただ、大事なことは、
1つの授業で欲張らないこと。

この授業の目標は、

「書き出し文の工夫」

の一点のみ。
一点突破です。

よって、
その他のことはできていなくてもよし。

そういった視点で、
1年間の中で1つずつ1つずつ、
作文のポイントを入れていくのです。

もちろん、この授業の後も、
書き出し文を工夫してある日記があれば、
学級通信で広めていきます。


一文を短くする授業

長く書けるようになってきて、
書き出し文を工夫するようになってきたら、
そろそろ、
分かりやすい文章を教えていく時期。

そのために必要なことの中で、
圧倒的に優先度の高いポイントは、

「一文を短くする」

ということです。

ただ、

「一文を短くしなさい」

では何も面白くない。

そこで、
子どもたちが一発で変わる、
魔法の言葉を活用します。

では授業の導入から。

今日の朝、起きてから学校に来るまでを、作文に書きましょう。

書けた人から発表。

このように、
書けた人から発表することにより、
迷うが故に手が止まっている子どもにとって、
ヒントを得るという流れをつくり出せます。

そして、ほとんどの子どもが書いたら、
良文、悪文を比較。

次のAとBの文章は、どちらの方が分かりやすいですか?


2つの事例を見比べさせ、
挙手で確認をします。

圧倒的にBが多数。

確認をした後は、

「なぜBの方が読みやすいのか」

と子どもたちに問い、
発見させる

ここで魔法の言葉を子どもたちへ。

「。」1つにつき五百円です。AとBはそれぞれ何円ですか?

「五百円!?」

と、子どもたちは途端に「。」の数を生き生きと数え始めます。

Aが千円。
Bは三千五百円です。

このように、
一つの文章を短くすると作文はとても分かりやすくなります。

本当は、
最初に書いた自分の作文のお金を数えさせて、
もう一度、ノートの反対のページに書かせ、
どれだけお金が変化したのかを交流します。

しかし、
筆者が2校目に赴任した学校は、
作文というワードを出すだけで、
ブーイングが発生する、
学力がかなり低い学校。

よって、
幾つかの例題の用意もしていました。

以下のような例題ですね。

例題で練習した後に、
自分の作文で使ってみる。

どんなに作文ぎらいな子どもたちも、

「五百円!?」

となると、
瞬く間に目を輝かせて、
「。」を稼いでいました。

こういった授業を行った後は、
一時的に必要以上に「。」が多くなってしまう子どももいます。

ただ、最初は挑戦していることを褒め
後々、日記の作文を比べたりして、

「多すぎても読みにくいよね」

ということをシェアする過程で、
丁度いいバランスを身に付けさせるようにしていました。


まとめ

学校では集団の教育力が使えます。

クラスの誰かが壁を突破し、
それをピックアップして紹介すると、
その波が波及していく。

そして、
授業で新しい技術を教えた後も、
日記とリンクさせて、
そのポイントを習慣化
させていく。

授業で習ったことを即生かしている子どもの文章を、学級通信で取り上げ、さらにクラスに広めていく

そんな一連の流れが必要になると思います。

こうやって少しずつポイントを入れながら、
年間を通して書き続けた子どもたちの作文力は、
通常の数年分に匹敵する蓄積となり、
確固たる文章力の土台となってくれることでしょう。

まだまだ文章指導に関しては、

日記の応用レベルの指導
評論文の指導
意見文の指導
物語文の指導

など様々あります。

これからも、
ちょくちょく紹介していきたいです。


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