イラストでも漫画でも!「好き」にこだわる京都新聞noteの新しい挑戦
こんにちは、大阪社会部の山本大樹です。
この note で今年1月に「神戸新聞に学ぶ note 記事の作り方」を配信したところ、たくさんの方から「読んだよ~」という反響をいただきました。
配信の2日後には、神戸新聞さんの「うっとこ兵庫」でもコラボ記事が公開されました。相乗効果でこちらのビューも急伸!本当にありがとうございます。
こちらの「うっとこ」さんの記事では「加盟社訪問の続編を楽しみにしています」なんてお言葉もいただきまして。
いやー、本当にありがたいのですが、そうそう次の企画の芽はでてきません。しかも「加盟社訪問」となると、相手のあることです。
そんなチャンス、転がってないよなぁ…と思いつつ、note を眺めていたところ、こんな記事が!
大阪と兵庫に隣接する京都の地元紙が、わざわざ note で取り上げてくれるなんて。胸アツすぎる!
相当、脈アリなんじゃないか。
なんなら「来てくれ」と言わんばかりではないか。
これは行くしかないだろう!
…ということで、第2回「突撃!隣の note 編集部」です!満を持して京都に行ってきました。
■ いざ編集局「ニュース編集部」へ
アポ取りをかねて、別件で知遇を得た京都新聞のデスクさんに事前にお尋ねしたところ、「京都新聞 note」の運営を担っているのはニュース編集部という部署とのこと。
今回、私がお話をお聞きしたのは、note 運営の取りまとめ役である佐藤知幸部長代理です。大変気さくなお人柄で、突然の取材申し込みにもかかわらず、快く応じてくださいました。
3月某日、佐藤さんのご案内で、編集局がある5階のフロアにお邪魔しました。
部署と部署の間には間仕切りがほとんどなく、その代わりに立てられたたくさんのホワイトボードには、資料がびっしり。机や棚には資料や雑誌が積み重なっていてザ・編集局という感じです。
紙面のゲラ(見本紙)を持って歩いている人がいたり、年季の入った資料が置いてあったりして、通信社の光景とはまたちょっと違うんです(伝わるかなぁ…)。
なにせ見学しているだけでちょっとテンションが上がります。
ニュース編集部はいわゆる整理部門に当たる部署だそうです。
新聞やウェブサイトに掲載するニュースの見出しや紙面レイアウトを担当されています。
私がお伺いした時は、ちょうどデスクさんたちが朝刊の紙面作りについて話し合っておられるところでした。
■ 記者の「好き」にこだわる!
さてここからは、佐藤さんにお伺いした話の概要をまとめつつ、珠玉の記事をいくつかご紹介します。
京都新聞 note の最初の記事が投稿されたのは、2022年2月。
当初は、京都ならではの文化・芸術に関する記事を発信する場所として立ち上げたそうですが、運営体制の変更に伴い、その年の秋にリニューアルされました。
↓開設当初に配信されたデビッド・ボウイ連載。写真が既にカッコよすぎる…
佐藤さんが携わるようになったのはリニューアル後から。note を運営する上で意識していることを伺うと、二つのポイントを上げてくれました。
一つ目は「筆者の顔が見える記事」を作ること。そのために、記者それぞれの「好き」という思いを大事にしているんだそうです。
たしかに今年に入ってから公開された記事をみると、巨大な淡水魚「ピラルク」への偏愛ほとばしる記事とか、ビックリマンチョコ(と中に入ってるシール)への情熱を語り尽くした記事とか、とにかく「好き」があふれています。
「ピラルク」を書いた廣瀬聡子さんもニュース編集部の記者さんでした。
お話を伺うと、取材を始めた当初は大好きな水族館について書こうと思っていたけれど、もっともっと「好き」にこだわろうと考えるうちに、気付けば「イチ推し」のピラルクが主役になっていたんだとか。
…おお、なるほど。
ちょっと圧倒されてしまいますが、その熱量、すごいです。
ピラルクの記事は3回連載になってますので、是非ご覧ください。ちなみに廣瀬さんの最新記事は「ラッコ」です。とにかく水族館が「好き」!
■ イラストも漫画も、新聞にできない表現を
閑話休題。
佐藤さんにお聞きしたポイントの二つ目は「新しい読者層にリーチするためのコンテンツ作り」。
そのために、漫画やイラスト、動画といった紙の新聞では掲載できない多様な表現方法を試しているそうです。
たとえば最近始まった「新米サポーター スタジアムへゆく」の連載。
軽妙な記事もさることながら、ほんわかしたイラストが良いですよね。ニュース編集部の皆さんの和気あいあいとした雰囲気が伝わる、読んでいて楽しくなる内容です。
実はこちらのイラストも、ニュース編集部のグラフィックス担当者さんが1枚、1枚描いておられるそうです。記事を書く人との打ち合わせも必要でしょうし、かなり手が込んでいますね。
■ 「地域の話題」だけじゃない
いずれの記事も、読んでみると筆者が楽しみながら書いているのがよく分かります。
よい意味で「ニュース」っぽくない。「地方紙が運営するメディア」のイメージに収まらない。新聞にはない自由さを感じます。
そんな感想をお伝えすると、佐藤さんも熱っぽく語ってくれました。
思いがこもった一言に、私も何度もうなづきながらメモを取らせていただきました。
リニューアル後の取り組みはまだまだ始まったばかり。現在の主な運営メンバーは6人ですが、仲間になりたそうにこちらを見ている記者があと2人ほどいらっしゃるそうです。
これからの京都新聞 note はどんな方向に進んでいくんでしょうか。一読者としても、同じ note 編集者としても楽しみです。
また機会があれば、コラボ企画などでご一緒させていただこうと考えています。読者の皆さんも、ぜひご期待下さい。
※3/15 追記
京都新聞の佐藤さんが関連 note を書いてくれました。こちらもぜひ!
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