新米サポータースタジアムへゆく① 2021年12月5日 京都サンガvs金沢(J2最終節 ホーム)
サッカーをしたことも見たこともなかった記者が、熱烈な京都サンガFCサポーターである職場の先輩に連れられて観戦に行きました。すると、自分でもびっくり、とても楽しくてはまってしまいました。未だにルールはほとんど分かりませんが、昨シーズンのサンガ観戦を振り返り、観戦にはまっていく過程を絵と文でお届けします。
出会いは突然、訪れた
生まれてこの方30年、サッカーとは縁のない人生でした。2021年4月に京都新聞滋賀本社の取材記者から、紙面編集を担うニュース編集部へ異動になり、京都サンガFCの試合結果が仕事に影響するようになって、ようやくサンガのことを気にするようになりました。
異動から9ヵ月、ついにファン歴15年の先輩にスタジアムに連れて行ってもらいました。
知っているサッカーのルールといえば、ゴールを決めれば点が入る、手を使ってはいけないという程度。試合中、審判が笛を吹いても、何が起こったのか分かりません。
でも、楽しい。コロナ禍で声は出せないけれど、選手の見分けもつかないけれど、何がいいプレーなのかも全く分からないけれど、とにかく楽しい。すっかり観戦にはまりました。昨シーズンを中心に振り返ることで、私が魅了された観戦の楽しさを、皆さんに少しでもお伝えできたら幸いです。
いざ、亀岡へ!スタジアムへ!
生粋のサンガファンである会社の先輩(以下、きっすい先輩)が2021年最終節の試合に誘ってくれました。12年ぶりにJ1昇格が決定し、ファンとしては喜びをかみしめたい一戦とのこと。そのあたりの価値にはピンときていませんでしたが、「1回みてみるか」という気持ちで行きました。
きっすい先輩との待ち合わせ場所は、京都府亀岡市にあるサンガスタジアム内のフードコート。電車内で職場の同僚・ピラルクさん(観戦歴は私と同じくらい)と合流し、JR亀岡駅を出ると、屋台が並ぶ広場があります。2人で「ここ? でもフードコートとはちょっと違うような…」と言いながら進みます。
スタジアムに入り、フードコートを発見。すでにほろ酔いのきっすい先輩からチケットを受け取り、入場です。手荷物チェックを受けるエリアで、J1昇格を伝える京都新聞の号外をもらいました。
おぉ、これが社内で話題になっていた号外。きっすい先輩の他にも、社内にはサンガサポーターがたくさんいます。多くのサポーターの社員が欲しがっていました。
試合開始時、サンガの選手は円陣から一斉に走り出します。おなじみのパフォーマンスの一つなのでしょう。しかし私は初見。ぱっと広がる選手の動きに、早くも心をつかまれました。
応援は見よう見まねです。ゴール裏で熱く太鼓をたたき、旗を掲げる方々のリズムに合わせます。私の手拍子は時々遅れたり、やめるタイミングが分からずに余計にたたいたりしますが、細かいことは気にしません。
狙いが分かると試合も面白い
試合中、スポーツ面の編集も担当するピラルクさんが、「6秒以内にボールを取り返す」という戦術の話をしてくれました。注意して見ていると、確かに6秒以内に取り返している気がします。そうでない時もあります。どちらにせよ、サンガ選手が相手に向かっていく勢いが感じられて、引き込まれます。一つでも選手の動きの狙いが分かると、格段に面白くなることが分かりました。
ピラルクさんがなぜ、ピラルクさんなのかという理由はこちらから
試合は、0―0の引き分けで終了。J1昇格セレモニーが始まりました。隣のきっすい先輩を見ると、泣いています。その姿を見て、ようやく昇格という事の重大さを理解しました。
初めての観戦は、寒さに震えながらも楽しいひとときでした。でも、願わくば勝つところが見たい。ということで、次回は4月、舞台はJ1、ホームでの鳥栖戦です。
文・加藤華江
イラスト・伊藤和佳奈
亀岡に向かう電車内は、サンガのユニホームを着ている人でいっぱい。コートの下からのぞかせたり、紫色のかばんを持っていたり。わくわくしている様子が伝わってきて、すてきです。
私はとにかく防寒に努めたので、黒色のダウンコートに黒色の長ズボンといういでたち。「何か紫色のものを身につけるんだった」と、次回への課題を見つけました。ピラルクさんは、「アイライン(目元にする化粧の一つ)を紫にしてみた」と、さりげないパープルメイクを仕込んでいました。