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ある音楽家と、過去の自分と今の自分と

先日ふと急に聴きたくなって
AppleMusicで郷ひろみさんのバラードを聴いた。

曲のタイトルは
「僕がどんなに君を好きか、君は知らない」

とくに前触れとかなく、本当になんとなく。

しかし郷ひろみさんは個人的に
いつ観ても凛々しく
本当に爽快なカッコいいスターだと思っていて
不思議といつ観ても素直にカッコいいな凄いなと
思う、広く芸能とゆう世界で言えば、超大先輩。

ただ個人的には思う魅力は
こんなにカッコいい大スターなのに
バラードを歌う"singer"として
ステージに立たれた時の
切なさや痛み、影のある瞬間。
ただカッコいい、ただ歌が上手い、ではなく
心に抱えている何かが全身から溢れる。
その穏やかさの中に包んだ繊細な心が
バラードを歌うその姿を通してスパークする。

そんな事を思いながら
気づくと歌声に惹き込まれている。

そして僕は30代になってからだと思う
子供の頃から歌のジャンルだと
ずっと1番好きだったラブソングを
どんどんと聴かなくなっていった。
恐らくだけど自分の中で
(恋に恋する感覚)みたいなものが
薄れた様な自覚がある。だからなのかなと。

ただそんな僕でも人を好きになることはあるし
密かに誰かを想うこともある。

今はどうなのか、と訊かれたら
していないともしているとも書かない。
そんな事は別に外に晒すことじゃない。
個人的なことの中でも、最も個人的なこと。

話を元に戻すと、そんなバラードを
あまり聴かなくなって久しい僕には
ものまねするほど歌い込んだ大好きな音楽家がいる。

「平井堅」

彼の音楽スタイルも
僕が1番好きだった高校時代からとても様変わりしているように見えるけど
実は昔から彼の歌う恋のバラードも勿論大好き
だったけど
何より彼の「人生を歌うバラード」が
大好きだった。
中学生の時に生まれて初めて泣いた歌は
平井堅の「LIFE is…」だった。
※注釈
僕は色々と早熟なので、人生についてとか
小学校高学年くらいから考えるタイプだったし
あのケツメイシ全盛期に僕が彼らを知り
初めて近所のレンタルショップで借りたCDが
「花鳥風月」だったりする
激渋で鬼早熟タイプなので
その辺はなんとなく察して頂けると。

そんな僕の青春ど真ん中の平井堅が
当時からカバーアルバムとして
「Ken'sBar」というタイトルを出していて
実はそのアルバム2作目に
先述した郷ひろみさんの
「僕がどんなに君を好きか、君は知らない」
が収録されていて。
もちろん当時このアルバムも持っていた気がする。ただすっかり忘れていた。

そしてApple Musicで平井堅がカバーする
この歌に久しぶりに再会した。

僕の中で大人になるにつれて
忘れたり、薄れたり、
そこまで情熱を持つこともなくなったと
どこかで自分を誤魔化して
自分が辛くならないように
なっていったのかもしれない感覚。

真っ直ぐな想いが絶たれた瞬間があるなら
尚更そうなってしまう事もあるだろう。
これは誰しも。

この歌を通して、過去の自分と
今の自分とで変化したことや
実は変わったのではなく
変わったフリをしていただけな事に
触れる様な感覚になったこと。

そんな過去の自分が
今の自分の中にも居る事に気づく感覚。

これは恐らくだけど
音楽ならではの不思議な魅力で
不思議な力の様な気がしました。


おしまい

2024.03.15(金)
二階堂 新太郎

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