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【1分で読める心理学:同性愛差別者と精神病の関係】

 今日も今日とてインターネットの海でググっていると、面白い記事が出てきました。
 
 と、言っても、パレオさんのブログがリコメンドで上がってきてたんですけど。

 ちなみに『嫌悪』というワードで検索してたんですが、何で嫌悪をググったのかは既に忘れてしまいました。(なんか嫌なことあったかな)

 そてはさておき。


「同性愛"差別者"は精神病と関連がある」

 という興味深い内容です。

■元論文

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/jsm.12975


 さて、先ず第一に精神病質傾向のある人には、

・敵対心が強い
・被害者意識が強い
・道徳性が低い
・一般常識を無視しがち

 という人格的特徴があるとのこと。
 まあ、なるほどという感じ。
 俗な言い方をするなら、「病んでる」ぽい。

 この人格的特徴を持つ人がエスカレートすると、『統合失調』『双極性障害』などに発展してしまうリスクがあるとのこと。

【統合失調症】
統合失調症は、こころや考えがまとまりづらくなってしまう病気です。そのため気分や行動、人間関係などに影響が出てきます。統合失調症には、健康なときにはなかった状態が表れる陽性症状と、健康なときにあったものが失われる陰性症状があります

厚生労働省

【双極性障害(躁うつ病)】
うつ病だと思いながらも、極端に調子がよくなって活発になる時期がある場合は、双極性障害(躁うつ病)かもしれません。
双極性障害では、ハイテンションで活動的な躁状態と、憂うつで無気力なうつ状態を繰り返します。

厚生労働省

 
 
 実験では、560名の学生を対象に同性愛嫌悪と心理的な障害の関連性を調べたそう。

①全員のメンタルヘルスをDSM-5 (精神疾患の診断マニュアル)でチェック

②質問表への回答
・ホモフォビア尺度:同性愛者に対する嫌悪度を判断する
●防衛スタイル測定尺度:不快な状況になったとき、どんな行動を取りやすいかを判断する
・症状チェックリスト:精神病の兆候があるかどうかを判断する

 という二段階のチェックで統計データを算出したそうな。

 そうすると、以下のようなデータが取れた。

・女性よりも男性のほうが同性愛嫌悪が多い

・同性愛を嫌う人ほど『未熟な防衛スタイル』を使う

・『神経質な防衛スタイル』は同性愛嫌悪と相関しないが、うつ病になりやすい傾向が高い

・同性愛を嫌う人ほど精神病質傾向が強い

 結論としては「同性愛差別者は精神病質傾向が高い」ということ。

 で、上記にある『防衛スタイル』とは何ぞ?

 って話。

□『成熟〜未熟』な防衛スタイル


 私達は、「嫌なものと対峙するとき」それぞれの持っている『防衛スタイル』に沿った言動を取ることが分かっており、以下の4つに分類されます。
 

【4つの防衛スタイル】

■成熟した防衛:『12 歳〜』の人が行う精神的健康や、社会適応の防衛スタイル。
同一視:他者の良いところを自分に重ね、自己評価を上げることで欲求を満たす「先輩や理想の人の真似をする」など』
昇華:社会的に認められない欲求や衝動を別の物事に向け、社会的に望ましい結果を出す「芸術や音楽に傾倒する」など』
補償:失敗や挫折、劣等感を抱いたときに、別の分野で成果を発揮する「プライベートで落ち込んだ時に仕事で成果を出す」など』

■神経質な防衛:『成人』によく見られる防衛スタイル。
抑圧:嫌な事から目をそらし、「忘れる」「なかったことにする」など』※もっとも多いとされる防衛スタイル。
逃避:ストレスや困難から逃れようとする「現実逃避」「空想逃避」「病気逃避」が存在する』
反動形成:受け入れがたい考えや不快な感情に対して、反対の行動や態度を取る「嫌いな相手に丁寧に接する」など』
合理化:満たされない欲求、受け入れがたい事態に対して理由をつけて事故を納得させる』
代償:特定の対象に向けられた欲求や衝動を他のものに置き換えて納得する「好きな人と付き合えない代わりに自分を好きな人と交際する」など』

■未熟な防衛:『3歳〜15歳、または成人』に見られる防衛スタイル。
『退行:受け入れがたい事態に陥ったとき、現在より幼い発達状態に戻り困難を回避しようとする』※赤ちゃん返り等
また、不安な時に他者の意見を鵜呑みにする行為も『退行』に分類される
 
■病理的防衛:原始的な防衛機制『5歳以下の幼児』や『精神疾患』に見られる防衛スタイル。
『否認:受け入れがたい現実、不快な体験に心を閉ざす』
『投影:自分の中の隠れた感情を「相手のもの」として考え自分を守ろうとする』

医療法人社団 平成医会

 
 と、まあ4つの中にも色々ありますが、今回注目してほしいのが『未熟な防衛』と『病理的防衛』

 この『未熟な防衛』が精神病と相関が高く、メンタルヘルスの指標になるとのこと。(病理的防衛は既に精神病を患っている人を含む)
 また、前述したように、『同性愛差別者』も『未熟な防衛』を使う傾向が高いのだという。

 
 そして、『未熟な防衛』と『精神病質傾向』を持つ人は『他社への恐怖』が強く、周囲や環境に対して警戒や恐怖、そして嫌悪を抱きやすい。 

 その結果の1つとして『同性愛差別』の思考がある。

 
 とのこと。

□同性愛差別思考へのプロセス

①性的マイノリティへに不安を抱く

②被害者意識で不安が「怒り」に変わる

③未熟な防衛スタイルによって「相手が自分に怒っている。嫌っている」と思い込む

④「相手が自分を嫌っているから、自分も敵意を向ける。攻撃する。嫌悪していい」と思い込む

 で、同性愛差別者が産まれたってワケ。

 
  
 研究者コメントでは、

「同性愛は病気か否か」
という議論が数世紀にわたって行われてきた。
しかし、本当に治療が必要なのは同性愛嫌悪である。
同性愛嫌悪は深刻な精神病と結びついている事実が明らかになった。

 とのこと。納得。

 ただし、パレオさんのブログでは以下の注意喚起もされています。

この研究では、
・18〜30才の年齢層しか調べてない
・宗教の差が考慮に入ってない
・そもそも「精神病質傾向」の定義には批判も多い

 ですので、「全ての精神病患者や、精神病質傾向の人に対して穿った見方をするのは良くない」ということや、「同性愛を認めない人の考え方を全て否定してはいけない(それもまた差別である)」と言えます。
 
 ま、この辺りまでくると禅問答になってしまいますが。

 多様性とは、

幅広く性質の異なる群が存在すること。
相異なる要素を有する、もしくはそれから構成される状態であり、そこから更に、異なったタイプの人々をあるグループや組織に包摂すること。

Wikipedia

 違った意見や思考が差別されず、遮られずそこに在ることを指します。

 みんな違って、みんな良いじゃん。
 ってやつですね。

 
 参考にどうぞ(*・ω・)

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