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恋の、さっきの話

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苦くても盲目で、甘くても俯瞰した、 あなたも少しだけ共感できるかもしれない日記
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#恋

6:名前なんてないよ、この関係に

6:名前なんてないよ、この関係に

「やっべ、ゼンリー見られた」

彼は手に持つスマホに向かってそう呟いた。
遊んでる時はなかなか見ないスマホを彼は珍しく食い入るように見る。焦っている。

「誰に?彼女?」

彼は信じたくないものを見るような目でそれを見ながら頷く。

彼女から連絡が来たようだ。
私と1時間のドライブを経てカフェに行き、その後ビリヤードをして遊んでいる間ゼンリーをONにしたままで、それを見られ、誰と?と問いただされて

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5:結局、彼女とは別れないんでしょ。

5:結局、彼女とは別れないんでしょ。

やはり彼は、私のことを特別だと言う。

夜遅くまで電話をすると、彼はいつも決まって甘い言葉を紡ぐのだ。

あーちゃんは特別だよ。かわいい。なんでそんなにかわいいの?

眠いふりをして言っているのか、本当に寝ぼけていて無意識で言っているのか分からないが、前者でも後者でも彼女がいる彼にとっては言ってはいけない言葉だろう。と思う。
そして私はそれをまともに受け取ってときめいてしまったらいけない。とも思う

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4:私、あなたの事を好きになりたくない。

4:私、あなたの事を好きになりたくない。

彼女が帰ってきた日、LINEが出来ないと言っていたあなたは結局私にLINEを送ってきたね。

私には返信をしない理由もないわけで、1日ずっと待っていた彼からのLINEを開いた。

たわいもない会話をして、彼女がお風呂から出てきそうだって言うから、楽しかったって言ったら、
"俺も言おうとしてた。" と彼は言った。
こんなことで舞い上がる私、ほんとうに見ていられない。

「明日、気が向いたらそっち行く

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