情理を尽くすコンサルティング
樋口恭介『未来は予測するものではなく創造するものである』を読んでいます。
上司はわたしに、「ヒアリングするときは、どこに時間がかかってるかとか、作業手順はどうなっているかとか、定量的な指標だけじゃなくて、どこが大変かとか、どこがやってて苦痛に感じるかとか、定性的なことや感情的なこと、感覚的なことも訊かないとダメなんだ」と言いました。
コストを削減したり、業務を効率化したりしても、作業者が大変だと思ってるところや苦痛だと感じてるところが残っていたら意味がないんだよ。
だから、ヒアリングでは、定性的なところ、感情的なところを確認するべきなんだよ。 (P.64~65)
数字、定量的な指標はもちろん大事です。
コンサルティングであれ他の業種であれ、お金をいただいて何かしらのサービスをする以上、成果を測るうえで数字は無視することができません。
コンサルタントであれば、独自のノウハウやフレームワーク等を使って、数値的な成果をあげることに貢献することができるでしょう。
しかし、この本に書いてあるように、どれだけ数値を改善したとしても、現場の人が日々感じている大変さや苦痛、手間、しんどさといったものが改善されていなければ意味がありません。
資料のうえでしか改善を確認できず、「ラクになった!」「よくなった!」というプラスの感情を持ってもらえなければ、本当の意味での問題解決とは言えないのではないかと思います。
数値の改善・向上を考えるのは当然のこと。
それに合わせて、「お客様の気持ちになって考え、お客様のためを思って本気で語る」ということが重要です。
何が大変なのか?
何が手間なのか?
何が苦痛なのか?
「数字+お客様の感情」で課題を把握し、相手の感情に寄り添って考え、考えたことを「情理を尽くして」語る必要があるのだと思います。
どれだけしっかり分析をし、きれいなロジックのプレゼンをしたとしても、それを語るコンサルタントに「本気さ」がなければ、相手を納得させたり、動かしたりすることはできないのだろうと思います。
お客様に真に信頼され、「わかってるねぇ!」と喜んでもらうためには、「お客様の感情に寄り添って考える」ことに加え、「情理を尽くして語る」ことが重要だろうと思いました。
明日からの1週間は「情理を尽くして語る」を自分のテーマにしたいと思います。