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担当者が変わると契約が取れてしまう理由 「引継ぎ」と「ノート1冊手ぶら営業」の話

10月です。異動の季節です。営業で異動だと担当者の変更ですね。
面白いことに、「頑固な方で新しい提案は受け付けない」なんて引き継がれているお客様から新しい担当者がいきなり契約を取ってきたりすることがあります。
なんでかな、ということをメモ。


1、前任者が思い込みを持ってしまった原因

第一印象に関しての投稿しました。

この中でも触れていますが、第一印象は1回しかありません
営業だとお客様が感じた第一印象にばかり意識が行きますが、当然、営業が感じたそのお客様に対する第一印象というものがあります。

最初にボタンを掛け違って、苦手意識を持ってしまうと、面談のたびに無意識にそれが出てしまい、お互いなんとなく相性が悪いなぁ、という感じで過ぎてしまいます。

もちろん、そこを通い詰めて挽回する場合もあるでしょうが、他にも多くのお客様を持っている場合、どうしても足が向かなくなってきます。

そうすると、間が空いてしまったから、行きにくくなる、という負のスパイラルで苦手意識が続いてしまうことになるのです。

その場合、原因は自分には求めませんので、上司や周りに「あのお客様は頑固で新しい提案を受けない」と説明を繰り返しているうにち自己説得されてしまい、本当にそう思うようになります。

つまり、最初の苦手意識が経過とともに固定されてしまい思い込みになる、というのが原因です。


2、担当が変わると、何が起こるのか?

そんな状態でも担当が変わると、思い込みがリセットされます。新担当者は思い込みがありませんので、普通に接することで新しい契約を取ってくる…

実はそうはなりません。

なぜでしょう?

担当が変わるときには引継ぎが行われます。

自分の正当化ですから、力が入った、ネガティブな引継ぎになります。

そこで前任者の「思い込み」は、後任者へ「先入観」として引き継がれます。

ですので、担当が変わったからといって、リセットされるわけではないのです


3、では、なんで新しい契約が取れるのか?

引継ぎも済んで、最初の面談。

「どうせ新しい提案は受けてくれない」という「先入観」を持っています。

ですから、商品提案を全く意識せず、関係維持を主な目的としての面談となります。商品提案しないのなら話す内容は、お客様のことが多くなるでしょう。商品提案の切り口を探しながら、ではなく、お客様の話に集中して会話をします。

お客様にも「売ろうとしての会話」なのか「自分に興味を持っての会話」なのかは分かります。

気持ちよく話して頂けます。

もともと「頑固な方」というイメージだったのが、話してみると、そんなことは全くない。あれ、おかしいな、ということで、担当者の「先入観」は消えていきます。

また、確かに新しい提案には乗らなかったのですが、数年のうちに状況に変化がありました。前任者は足が遠のいていましたので、その変化はキャッチできていません。

新任者は会話の中でそれをキャッチし、「それだったら、もしかして…」ということでどうせダメもと、と思って話をすると、トントン拍子で話が進み、契約が取れてしまう…

「絶対契約が取れない」先で担当者が交代したら契約が取れちゃった、というのはこういうことが起こっているのです。


4、まとめ

聞いてみれば、なんだぁ、という話ですが、なんとなく担当者が交代すると売れることあるなぁ、という「違和感」があるのであれば、探求してみるべきでしょう。

ここでのポイントは、

☑️ お客様の情報は担当者の目を通じたものでバイアスが入っているもの
☑️ 「あそこはダメ」というのは担当者の思い込みであることが多い
☑️ 引継ぎは「事実」と「担当者の主観・印象」が混ぜこぜに行われる

そして、実は引き継ぎに限らず参考になる、最大のポイントは、

☑️ 商品提案を考えずにお客様と会話することの重要性

これは、「お客様のことをよく知りましょう」というよくあるキレイゴトのように聞こえるかもしれませんが、演出すれば本当に効果があります。

試しにパンフレットや資料が入った鞄を持たずにノート一冊にペンだけ持って営業に出てみる機会を一度作ってみると面白いと思いますよ。

Web面談ではできない演出ですから今は難しいかもしれませんが、訪問する機会があれば、インパクト大です。

お客様は驚く&不審がる、のですが、いつもより色々と話してくれます。

営業、大変な時期ですが、たまにはこうした遊び心を持ってやりたいですね。


最後までお読みいただきありがとうございました。

お役に立つところがあれば嬉しいです。

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