【アパレル業界の話⑦】三陽商会のエシカルブランド

コロナ禍の影響でアパレル業界の苦悩が続いていますが、ひそかにスタートした新しいコンセプトのブランドがあります。

それはエコアルフというスペインのブランドです。2009年に真のサスティナブルファッションブランドを目指して創業され、日本では今年の春にエコアルフジャパンが三陽商会の手によって設立、展開がスタートしました。

大手アパレルとして本格的にSDGsに沿ってサスティナブルをコンセプトにしたファッションビジネスの展開は吉報だと思います。

https://ecoalf.jp/?utm_source=google&utm_medium=cpc&utm_campaign=kw&gclid=EAIaIQobChMIwMONqKyS6gIVpZvCCh0PQgWhEAAYASAAEgLJHPD_BwE#

ブランドとしての次のように掲げています。

VISION
地球環境を無視した自然資源の活用をしない。

MISSION
リサイクルされていない製品と同等の品質・デザインの製品をつくる。

具体的には、海洋ゴミなどをリサイクルした製品を生み出しています。また、そのようなリサイクルプラスチック製品が洗濯時のマイクロファイバー排出してしまう問題にも着目しており、さらなる商品開発によってそれを防ぐことまで熱心に取り組んでいます。

エシカルやサスティナブルをコンセプトにしたブランドが、消費者の賛同を得て成功することは大変難しいとされていますが、コンセプト関係なく尖ったもの、デザイン性の高いものを打ち出すことができれば、過去の前例を覆し新しいファッションカルチャーを創り上げることができるかもしれません。

落合陽一氏が、最近の著書の中で、アフリカや中東(資源)、中国(工業)、米国(情報)、欧州(法と倫理)の立場を解説しています。

https://www.amazon.co.jp/dp/4797399953/ref=cm_sw_r_cp_apa_i_Ug17Eb1WD8KZG

その中で日本が取るべき戦略は欧州の取組みにヒントがあるとして、歴史や伝統をもとに、SDGsを目指していくことを提言しています。

当然、アパレル業界においても三陽商会のようにその戦略を取る企業があらわれ、生き残るきっかけになった場合には、理にかなっていたからだと数年後評価される可能性もあります。

バーバリーブランドに依存し、ライセンスが切れた途端赤字に陥った三陽商会が不動産売却で今の状況を乗り越えようとしている一方で、エシカルブランドをスタートさせたことが果たして企業価値を高めることができるか見守りたいと思います。

個人的には、都心のコンクリートビルの百貨店やショッピングモールなどの展開ではなく、開放空間でなおかつ自然やライフスタイルをイメージできる郊外型の路面店がエシカルブランドには適しているように考えています。一時期の話題性で終わらせないためには、消費者のワクワクを引き起こすことができる魅力を持った器や環境、サービスをいかに提供していくかが課題となるでしょう。

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