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口語俳句 作品集 3 〜年末〜


「 年末 」
~口語俳句〜

明けがたよ僧たちの大すすはらい


せんぼんのつららしずかに凍滝よ


舞い舞ってときをこえるか里神楽


こと祝ぎの手に手に届け賀状書く


ことしまた降りだす雪の気重さよ


まっしろなせかいにこえよ雪合戦


寒菊のかすかにかおる日なたこそ


また朝よ摘んでも摘んでも蜜柑山


かえりみちはるばる日なた年の市


おでん酒頬でわらっているばかり

水仙よどれを剪ってもかぜのおと


まるまるとくびをすくめて冬の鳩


このさきはかもめのそらよ冬の崖


日とどいて鳥居しめなわふゆの滝


湯豆腐よ二人には間があるばかり


かおあげて天にものぼる日向ぼこ


かお上げてほふほふほふよ葱雑炊


ねむる子にときながれだす風邪薬


あるく身にあっとうてきよ初寒波


あおぎ見てはてに何ある聖樹の灯

いっぽんの松迫りくる絵ぶすまよ


気がねなくふすまどなりも忘年会


来る年をあきらかにしてこよみ売


うなばらに降ってさだかよ雪の島


いきいきとれきしの果ての聖夜劇


ホットワインほっと心のため息よ


拭きふいて窓よこころよ煤はらい


やおよろずの神々の土地注連飾る


鯛焼屋どこにでもあるめでたさよ


あたらしくなる世も人も年の暮れ


12月11日〜12月24日


口語体・現代仮名づかい・現代的切れ字
を基本にして詠んだ作品集です


いつも
ご覧いただき
ありがとうございます


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