口語俳句 作品集 3 〜年末〜
「 年末 」
~口語俳句〜
明けがたよ僧たちの大すすはらい
せんぼんのつららしずかに凍滝よ
舞い舞ってときをこえるか里神楽
こと祝ぎの手に手に届け賀状書く
ことしまた降りだす雪の気重さよ
まっしろなせかいにこえよ雪合戦
寒菊のかすかにかおる日なたこそ
また朝よ摘んでも摘んでも蜜柑山
かえりみちはるばる日なた年の市
おでん酒頬でわらっているばかり
◇
水仙よどれを剪ってもかぜのおと
まるまるとくびをすくめて冬の鳩
このさきはかもめのそらよ冬の崖
日とどいて鳥居しめなわふゆの滝
湯豆腐よ二人には間があるばかり
かおあげて天にものぼる日向ぼこ
かお上げてほふほふほふよ葱雑炊
ねむる子にときながれだす風邪薬
あるく身にあっとうてきよ初寒波
あおぎ見てはてに何ある聖樹の灯
◇
いっぽんの松迫りくる絵ぶすまよ
気がねなくふすまどなりも忘年会
来る年をあきらかにしてこよみ売
うなばらに降ってさだかよ雪の島
いきいきとれきしの果ての聖夜劇
ホットワインほっと心のため息よ
拭きふいて窓よこころよ煤はらい
やおよろずの神々の土地注連飾る
鯛焼屋どこにでもあるめでたさよ
あたらしくなる世も人も年の暮れ
12月11日〜12月24日
口語体・現代仮名づかい・現代的切れ字
を基本にして詠んだ作品集です
いつも
ご覧いただき
ありがとうございます
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