現代俳句 作品集 27〜波打ち際〜
「 波打ち際 」
~現代俳句〜
草わた飛ぶ阿蘇山麓ということか
とおく見て雲また風のすすきはら
絮とんで白のせかいよすすきはら
踏んでゆくひとりひとりが白露よ
立ったまま崩れて案山子雨のなか
曼珠沙華谷のそこまで日がさして
住みなれた町を背にして草絮吹く
千々にある島も紅葉のあかるさよ
たいふうがおおきな目して街の上
日がさして大安心よたいふうあと
◇
大都市が浮かんではきえ霧のなか
東京タワー歴史が立っている秋よ
息吐いてあたため酒ということか
手に手によスポーツの日の各国旗
秋ぞらよ地きゅうはためく万国旗
コーヒー店琥珀いろの灯ともす秋
秋夕焼町じゅうに灯がともるまで
背後から空につぎつぎばったとぶ
ちいさな火まもるテントよ星月夜
ちきゅうとは生死の星よあまの川
◇
秋の鳶揚がりあがって羽ばたかず
町じゅうがすがたあらわせ運動会
服いちまい羽織る人から秋になれ
手のさきのひとつ落とすな柿の空
赤とんぼ手とどく空を飛びかうか
秋ゆうやけ歩道橋までそのなかよ
ピーナッツ奥歯で噛んでバーの夜
鯊を釣る仕掛けづくりよゆびに風
かぜおとを聞くなみおとの秋浜で
波打ち際たどりあるいて秋あわれ
10月13日〜10月25日
いつも
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