口語俳句 作品集 5 〜春を待つ〜
「 春を待つ 」
~口語俳句〜
雪嶺がそらにうかんでいることよ
スキーヤー銀嶺の風、風、風、風
重力のどれもみごとよつらら折る
はつもうでいまにつづいて一家族
跳びとんでかるいすずめよ雪の上
よろこびを知る人たちよ若菜摘む
生きてこそかがみ開きの槌のおと
もち伸びていつまでとなくお正月
航海よ──夕映えの空──冬銀河
地も天もうごいているか冬ぎんが
◇
詩のなかに住んでいるかに雪国よ
抱きついてたましい入れる雪達磨
えださきにちからの玉か冬木の芽
転職よ身にきたかぜとたいようと
丸眼鏡ホットレモンにくもらせて
とび石を跳んでさざなみふゆの池
来てまるでこころのなかよ大枯野
冬すみれあさっての方向いて咲く
燦としてくじらの沖であることよ
船団の千々の灯が来るふぶきの夜
◇
早梅よやってくる世が目にうかぶ
いちりんよ小さい名札【 寒紅梅 】
日向ぼこ家郷お変わりないですか
冬木道こころのなかにつづくとは
ラグビーを笛でさばいて晴れ空よ
WALKMAN歌くちずさみ春まぢか
ゆるく着て編目大きなセーターよ
沈黙のおもさよホットウイスキー
かおあげてただなかに立つ冬銀河
あかん坊つかまり立ちで春を待つ
01月09日〜01月21日
現代語・現代仮名づかい・現代的切れ字
を基本にして詠んだ作品集です
ふだんの話し言葉・記号・句読点・
カタカナ・外国文字・アラビア数字・分かち書き
なども活かして必要最小限使用しています
下記は、俳句における
文語・口語の大まかな図です
◇文語=文語体=古典語=古い時代の文体
◇口語=口語体=現代語=書き言葉(文語体)
∟==話し言葉(口語体)
◇仮名づかい 歴史的仮名遣い 現代仮名遣い
◇その他 記号・句読点・外国文字など
いつも
ご覧いただき
ありがとうございます
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