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口語俳句 作品集 5 〜春を待つ〜


「 春を待つ 」
~口語俳句〜

雪嶺がそらにうかんでいることよ


スキーヤー銀嶺の風、風、風、風


重力のどれもみごとよつらら折る


はつもうでいまにつづいて一家族


跳びとんでかるいすずめよ雪の上


よろこびを知る人たちよ若菜摘む


生きてこそかがみ開きの槌のおと


もち伸びていつまでとなくお正月


航海よ──夕映えの空──冬銀河


地も天もうごいているか冬ぎんが

詩のなかに住んでいるかに雪国よ


抱きついてたましい入れる雪達磨


えださきにちからの玉か冬木の芽


転職よ身にきたかぜとたいようと


丸眼鏡ホットレモンにくもらせて


とび石を跳んでさざなみふゆの池


来てまるでこころのなかよ大枯野


冬すみれあさっての方向いて咲く


燦としてくじらの沖であることよ


船団の千々の灯が来るふぶきの夜

早梅よやってくる世が目にうかぶ


いちりんよ小さい名札【 寒紅梅 】


日向ぼこ家郷お変わりないですか


冬木道こころのなかにつづくとは


ラグビーを笛でさばいて晴れ空よ


WALKMAN歌くちずさみ春まぢか


ゆるく着て編目大きなセーターよ


沈黙のおもさよホットウイスキー


かおあげてただなかに立つ冬銀河


あかん坊つかまり立ちで春を待つ


01月09日〜01月21日


現代語・現代仮名づかい・現代的切れ字
を基本にして詠んだ作品集です

ふだんの話し言葉・記号・句読点・
カタカナ・外国文字・アラビア数字・分かち書き

なども活かして必要最小限使用しています


下記は、俳句における
文語・口語の大まかな図です

◇文語=文語体=古典語=古い時代の文体

◇口語=口語体=現代語=書き言葉(文語体)
         ∟==話し言葉(口語体)


◇仮名づかい 歴史的仮名遣い 現代仮名遣い

◇その他 記号・句読点・外国文字など


いつも
ご覧いただき
ありがとうございます


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