口語俳句 作品集 4 〜初詣〜
「 初詣 」
~口語俳句〜
空ひろく仕事おさめということか
かるがると重い日記を買い行くよ
数え日よ晴れ雨曇り晴れ晴れ晴れ
めでたさのまえぶれ正月かざり売
すこやかでいることこそよ年用意
駅の灯よ夜やみあかるく年惜しむ
御歳暮をおくりおくられとおい空
めくる手よ文字目を覚ます古日記
いちねんをいちにちずつよ掃納め
早ばやと年過ぎて行くくやしさよ
◇
撞く僧よ間をたっぷりと除夜の鐘
詣でるか明けにちかづく除夜の鐘
待つ息よひとりにひとつ初日の出
初しののめ 初明り いま初日の出
初テレビとおく地が揺れ海が揺れ
はつゆめよ霧散するかにけさの空
まっすぐに二拝二拍手はつもうで
初鳩か──あおぐ人らは空のした
おおきさよ小さな部屋のかがみ餅
歳ごとにこころはぐくみ歌かるた
◇
弾き初めようえへしたへと琴の爪
神だなを見てみなさいよおとし玉
ずっしりとおもく初星出そろって
つぎつぎに家掻きだされ今朝の雪
わたしもかかたいつぼみの福寿草
я все ще живий葉書にも冬日さす
てんねんのしおひとつまみ七草粥
握る「爪」までありありと龍の玉
おおきさよいやちいささよ冬銀河
寒紅梅おもいのたけが咲き出たか
12月26日〜01月07日
いつも
ご覧いただき
ありがとうございます
現代語・現代仮名づかい・現代的切れ字
を基本にして詠んだ作品集です
ふだんの話し言葉・記号・句読点・
カタカナ・外国文字・アラビア数字・分かち書き
なども活かして必要最小限使用しています
下記は、俳句における
文語・口語の大まかな図です
◇文語=文語体=古典語=古い時代の文体
◇口語=口語体=現代語=書き言葉(文語体)
∟==話し言葉(口語体)
◇仮名づかい 歴史的仮名遣い 現代仮名遣い
◇その他 記号・句読点・外国文字など
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