2024年2月の記事一覧
口語俳句 作品集 7 〜風光る〜
「 風光る 」
~口語俳句〜
来る春よ蛇口を落ちるみずのおと
いちりんよ水面揺れやむうめの花
うぐいすのこえのびのびて尊いぞ
手かざして富士見百景かぜひかる
畑を打つ故郷を打つということか
ひとつぶにそうぞう力よものの種
ものの種まいては大地そうぞうか
きらめいて波間波間のはるかもめ
おもうたび思い出になる日永さよ
おもいだすためのわかれか春炬燵
◇
しゃぼん玉そらいちめ
口語俳句 作品集 6 〜梅一輪〜
「 梅一輪 」
~口語俳句〜
とおぞらよへいわのように正月凧
梅いちりんさむい心によりそって
撒きまいてしおの花咲く正月場所
にわひとつかおりのなかよ水仙花
寒鯉よにしきのいろをあたえられ
じんせいよときはながれて冬の虹
寒つばきひと花ごとに散りごころ
いちりんをそっとつつむ手寒牡丹
日がしずむあかいちめんの大枯野
村ひとつとし老いながら春待つか
鳴きだしてふくろうという夜