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2022年11月の記事一覧
現代俳句 作品集 29 〜雪〜
「 雪 」
~現代俳句〜
目に浮かぶ旅びとひとり芭蕉忌よ
陽の椅子にふかくもたれて十一月
あおぐたび山痩せてゆく木枯しか
じぶんまでばくぜんとして冬霧よ
水鳥は見あげたさきに飛び立つか
この星の変化のなかよ落ち葉焚き
立つけむりゆうぞらになれ落葉焚
大根煮湯気はふはふとあたたまれ
鳴くほどに星またたくかふゆの虫
つぎつぎと死のちんもくよ冬の虫
◇
鉄道員ひとりひとりに降る
現代俳句 作品集 28〜紅葉山〜
「 紅葉山 」
~現代俳句〜
さまざまのあかをつくして紅葉山
たちあがるリス二三匹木の実降る
一身で弾いてグランドピアノは秋
はば跳びの踏みきるたびよ秋の空
からまつにからまつのかぜ白秋忌
ひとりずつ街をともして秋の灯よ
パソコンに顔照らされてながい夜
議事堂がかっと現われいなびかり
虫のこえだんだんうたに星の夜よ
夜々まさにいのちの星よ虫のうた
◇
顔あげて黄のおおぞら