現代俳句 作品集 28〜紅葉山〜
「 紅葉山 」
~現代俳句〜
さまざまのあかをつくして紅葉山
たちあがるリス二三匹木の実降る
一身で弾いてグランドピアノは秋
はば跳びの踏みきるたびよ秋の空
からまつにからまつのかぜ白秋忌
ひとりずつ街をともして秋の灯よ
パソコンに顔照らされてながい夜
議事堂がかっと現われいなびかり
虫のこえだんだんうたに星の夜よ
夜々まさにいのちの星よ虫のうた
◇
顔あげて黄のおおぞらよ銀杏散る
山すそをひとつかみしてあきの土
くさの露ぽたりぽたりよ川のうえ
秋ぞらに表裏をはじきコイントス
バスケットゴール秋空ひろびろと
あるほどの島ただよわせ瀬戸は霧
窓まどに大きな月のハロウィンよ
息をしてじぶんも地球ほしづき夜
ごとと置く湯飲みがひとつ冬用意
冠雪か目ほそめて見るいしづち山
◇
立冬よとおく見つめていしづち山
ふもと村嶺々におくれて冬に入る
服を干すにおいともども小春日よ
子にうまれ子犬にうまれ日向ぼこ
ひと日ずつ老いうけいれて十一月
丸巻いて空にほほえむマフラーよ
月食があかあかとふゆはじまるか
しらいきが夜ぞらにきえて月食か
焚き火してしんととおのく星々よ
アパートの跡地は空き地冬すみれ
10月27日〜11月10日
いつも
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