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現代俳句 作品集 28〜紅葉山〜


「 紅葉山 」
~現代俳句〜

さまざまのあかをつくして紅葉山


たちあがるリス二三匹木の実降る


一身で弾いてグランドピアノは秋


はば跳びの踏みきるたびよ秋の空


からまつにからまつのかぜ白秋忌


ひとりずつ街をともして秋の灯よ


パソコンに顔照らされてながい夜


議事堂がかっと現われいなびかり


虫のこえだんだんうたに星の夜よ


夜々まさにいのちの星よ虫のうた

顔あげて黄のおおぞらよ銀杏散る


山すそをひとつかみしてあきの土


くさの露ぽたりぽたりよ川のうえ


秋ぞらに表裏をはじきコイントス


バスケットゴール秋空ひろびろと


あるほどの島ただよわせ瀬戸は霧


窓まどに大きな月のハロウィンよ


息をしてじぶんも地球ほしづき夜


ごとと置く湯飲みがひとつ冬用意


冠雪か目ほそめて見るいしづち山

立冬よとおく見つめていしづち山


ふもと村嶺々におくれて冬に入る


服を干すにおいともども小春日よ


子にうまれ子犬にうまれ日向ぼこ


ひと日ずつ老いうけいれて十一月


丸巻いて空にほほえむマフラーよ


月食があかあかとふゆはじまるか


しらいきが夜ぞらにきえて月食か


焚き火してしんととおのく星々よ


アパートの跡地は空き地冬すみれ


10月27日〜11月10日


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