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精神科病練の夜と、朝焼け。

皆さんは精神科病練の雰囲気を知っていますか。

目の大病のあと、調子が悪くなり倒れて、一時的に精神科の病練に緊急入院していた事があるのだけど…

精神病練というのは、他の病練とは少し違う感じ。

ずーっとあーとか言ってる人が居たり、何しているのかよくわからない人も多かった。

とはいえ、
私が入院したところは、大抵の人は病室のベットで寝て静かにしている(というか、何もする気が起きないのだと思う)ごく普通の人が多かったらしく、たまーに騒動みたいなのがある程度だった。

朝起きて、
朝食を食べ薬を飲んで、
体操して、レクレーションして、
昼食を食べて、
午後はゆっくりしてテレビ見て、
夕食で薬飲んで、テレビ見て寝る。
至って、平穏な暮らしだった。

でも、この後がちょっと違う。
私もそうだったけど、寝られない人が多い。

消灯の後

消灯の中、起きて、談話室でボーっと座ってたり、廊下を意味なく歩いている人がいたりする。寝られないし、する事もないしで。

私も最初は0時、2時、4時、6時と4回起きていた。

ついでに言うと、0時や2時は、入院している人しか飲めない強烈な睡眠薬(頓服)をもらって何とか途切れ途切れ寝ていた。

夜中ウロウロ仲間は、同じく薬もらったりしていたし、大体メンツが同じだったように思う。

朝焼け

そんな病練の夜の中で、
印象深いのは、談話室から見る朝陽だった。

入院していた病練は病院の1番上階にあり、眺めも良い。

そして寝られず起きて、朝焼けを見る事が多かった。

何となく朝焼けを見ながら
「現実感無いなー。」と思っていた。

その時は、退院が半年後か、5年後か、もう二度と出られないか、全然見当つかなくて、フワフワした生活だった。

そういう時に見る景色って、ちょっと言い表せられない程、凄く綺麗に見えたりした。

もう出られないかも、という気持ちで見ているからだったのか…
ちょっと残酷さがある方が、物事って綺麗に見えるのかも。

そして、いつもの朝になる。

あれ以来、あんな綺麗な朝焼けはもう二度と見れないんだろうなー、と何となく感じている。

眠れないくらいの不安があって、でも、変わらない朝陽があって。
そして、生きるために生きる朝が来る。


非日常が何となく日常になっていく、不思議な生活。

それが精神科病練の雰囲気だった。

朝焼けと懐かしさと

私はすぐに退院したのだけど、病棟で知り合った人達は、今どうしているのかなーと時々考えている。

もう入院はしたくないのだけど、未だにあの病院に入院している時が、一番安心できた頃だったと感じている。

そして、あの朝焼けを思い出す度、ああ、あの朝焼けをもう一度見たいけど、きっともう見てはいけないんだろうな、と思っている。

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