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タッカー・カールソンのプーチンインタビューが世界を揺らす+インタビューほぼ全訳

ウクライナ侵攻後、西側のジャーナリストとして初めてのプーチン大統領インタビューの背景

2024年2月8日、元FOXの売れっ子司会者タッカー・カールソンが、2022年にロシアがウクライナに侵攻してから西側のジャーナリストとしては初めてプーチン大統領にインタビューをしました。2時間のインタビューはモスクワで収録され、公式サイトでの視聴は10億ビューを超えたとロシアの通信社スプートニクが報道していました。Xの彼のアカウントでの視聴はリリース直後に5000万を超え、2月17日時点で既に2億ビュー。23日には2億7千4百万のリポスト、2億8千400万のブックマークがついています。このインタビューへの世界中の人々の高い関心が伺えます。普通に考えればすごいニュースなのですが、日本ではあまり話題にされていません。

タッカーの言う通り、アメリカのマスメディアはかなり検閲され、偏った報道をしています。日本のマスメディアは米国の報道をそのまま垂れ流し、自称リベラルのインフルエンサーがそれを大拡散するという大本営発表状態です。正しい情報を伝えられていないために正しい判断ができず、まやかしの民主主義を隠れ蓑にした悪政に苦しめられている米国人と日本人。このデススパイラルから抜け出すためにはいろいろなソースから情報を得て、その情報がプロパガンダなのか事実なのか自分の頭で考えること、得た情報や自分の考えを広く共有することが不可欠だと思います。

私がこういったロシア側から見た情報を発信する動機はタッカーと同じです。プーチンが好きだからでも親ロシアだからでも嫌米だからでもありません。自分の祖国、日本を大事に思うから、今何が起こってるかを一人でも多くの人に知ってもらって、日本の未来にも関係するこの問題を自分の頭で考えて判断して欲しいからです。お役に立てていただければ幸いです。


単なるインタビューに対する米メディアと政治家の過激な反応

米メディアはインタビューの直後、異様なまでに一斉にこのインタビューを叩き、「紛争が始まってから西側のメディアが全くプーチンにインタビューをしなかった」のはロシアが断ったからだ、という保身の主張を報道しました。タッカーは、3年前にこのインタビューを準備し始めた時、また最近再度米政府がインタビューを阻止しようと彼のスマホを盗聴して、ニューヨークタイムズに情報を流したとこのインタビュー中で言っていますが、ニューヨークタイムズはインタビュー直後の記事でインタビューの内容はそっちのけで「自分のウエブサイトの有料登録者を増やすため、金目当て」と切り捨てています。ロシア側から見れば、2年以上続くウクライナ寄りの偏向報道、何十年もメディア操作で内政干渉や戦争を起こしてきた西側のマスメディアのインタビューに慎重になるのは当然のことでしょうし、タッカー・カールソンの「インタビューは一切の編集なし、検閲なしのものを公表する」という申し出がロシア側に受け入れられたことについては完全無視でした。

2月10日、CNNは「2年の戦争の中、下院がウクライナについて言葉を濁し、ロシアはプロパガンダの機会を得た」と報道

BBCは、「タッカー・カールソンのインタビュー:馬鹿げた『プーチン的歴史』のファクトチェックをする」と報道

またこのインタビューの前後には、西側の政治家のヒステリックな反応が見られました。ホワイトハウスのスポークスマンJohn Kirbyは記者会見でタッカーのインタビューでプーチンが言ったことを何も信じてはいけないと警告しました。元米国国務長官、元大統領候補のヒラリー・クリントンはインタビューが行われる直前に全米ネットテレビ局MSNBCの番組で「タッカーはテレビ局をクビになりまくったから、ロシアメディアに雇われてやったのかもね。使えるバカだからね。ウクライナに関するプーチンの嘘の数々をオウム返するだけ」。

元英国首相ボリス・ジョンソンは、インタビューが行われた直後に「このインタビューはヒットラーのプレイブックだ」「暴君の家来、独裁者の蓄音機、ジャーナリズムへの裏切り」と大激怒でした。一体この淡々とした、単なるインタビューのどこが彼らをそこまで逆上させたのでしょうか。このインタビューは西側諸国にとって都合の悪い事実を知るためのヒントになるということなのかもしれません。下記の記者会見、冒頭で記者に「このインタビューが米国でのウクライナ支持の基盤を崩すことを心配していますか」と聞かれたホワイトハウスの報道官のキョどり方は一見の価値があります。

The Independent "White House warns against believing ‘anything’ Putin says in Tucker Carlson interview” Feb 8, 2024 https://www.independent.co.uk/tv/news/tucker-carlson-interview-putin-white-house-b2493223.html

MSNBC "Hillary Clinton on Tucker Carlson: 'He's a useful idiot'" Feb 7, 2024 : https://www.youtube.com/watch?v=uFnsRbapyb4

USA Today ”Hillary Clinton calls Tucker Carlson a 'useful idiot' in response to Putin interview” Feb 8, 2024 :https://www.usatoday.com/story/news/politics/2024/02/08/hillary-clinton-useful-idiot-tucker-carlson/72521577007/

Independent "Boris Johnson attacks Tucker Carlson over Putin interview: ‘Hitler playbook’
” Feb 9, 2024:https://www.independent.co.uk/news/uk/politics/boris-johnson-tucker-carlson-putin-hitler-b2493769.html

日本のマスメディアは米国メディアのニュースを垂れ流し

日本の報道は、インタビューの内容に言及したものがあまり見当たらず、米国のマスメディアが流した「タッカー・カールソンやプーチン大統領の言うことを鵜呑みにするな」が主旨の内容の薄いものばかりが目につきます。タッカーやプーチンの言葉のどこがどのように信用してはいけないのか?という具体的な反論、反証はあまり見当たりません。

NHKは内容にごく簡単に言及しましたが、あまりにも短い。また「アメリカ人は事実を知らされていない。西側メディアはウクライナ寄りの報道ばかり。ロシア側の主張も聞いて自分で判断してほしい」というタッカー・カールソンのインタビューの主旨は無視して「プーチン大統領としてはカールソン氏のインタビューに応じることで、トランプ氏やその考えを支持する保守層などに自身の主張を訴え、アメリカの世論に対して影響を及ぼすなど、揺さぶりをかける思惑もあるとみられます。」というパワーゲームの推測を強調して報道しています。

タッカーのインタビューが西側マスメディアを揺さぶる

2月25日 何と3年前にこのインタビューを企画した時から妨害工作に加担していたとインタビュー内で暴露されたニューヨークタイムス紙が「CIAがサポートしたスパイ基地のネットワークがウクライナに8年間ずっと建設されてきた」「そのスパイ基地にはロシア国境に沿っている12の秘密基地が含まれている」と、CIAのロシア・ウクライナ紛争への8年間の関与を長文の記事で報道しました。

スパイ戦争: CIAはいかににしてプーチンとの戦いで10年以上もウクライナを秘密裏に援助してきたか。アメリカがウクライナと秘密の情報パートナーシップを育んできたことが、今、ロシアを反撃する両国にとって危機になっている。

New York Times "”The Spy War: How the C.I.A. Secretly Helps Ukraine Fight Putin" Feb 25, 2024 https://www.nytimes.com/2024/02/25/world/europe/cia-ukraine-intelligence-russia-war.html

このタイトル写真のキャプション:今月、ロシア国境近くの森で撮影されたウクライナ軍兵士。CIAが支援するスパイ基地ネットワークは過去8年間に構築され、ロシア国境沿いの12の秘密基地を含む。

ウラジミール・プーチンインタビュー抄訳

タッカー・カールソンのプロフィールや経歴、インタビュー収録の背景の詳細については、このnoteの関連記事元FOXの売れっ子司会者タッカー・カールソンはなぜプーチン大統領をインタビューしたのかをご参照ください。ここに紹介する動画やトランスクリプトはすべて無料で公開されており、無料で閲覧できます。

タッカー・カールソン公式サイトのインタビュー動画へのリンクとXアカウントの動画
The Interview Published Feb 8, 2024 127 mins
The Vladimir Putin Interview
https://tuckercarlson.com/the-vladimir-putin-interview/?utm_medium=email&utm_source=na&utm_campaign=20240208_feb8dailybrief&utm_content=303375

この記事の和訳は、ロシア大統領WEBサイトの英語から翻訳したものを、タッカーのWEBサイトのインタビューを聞きながら確認したものです。他にもトランスクリプトがありますので、参考にしてください。Tはタッカー・カールソン、Pはプーチン大統領の言葉です。インタビュー動画を流しながら読んでいただけると、どういうコンテキストで言われたことなのか、感覚的に分かりやすくなるのでおすすめです。

文字起こしサービスサイトrevのトランスクリプト
(英語):https://www.rev.com/blog/transcripts/tucker-carlson-interviews-vladimir-putin-transcript
ロシア大統領ウエブサイトのトランスクリプト(英語):http://en.kremlin.ru/events/president/news/73411
E-wave Tokyo 青山貞一氏のトランスクリプト(ロシア語>日本語):https://eritokyo.jp/independent/Ukraines-war-situation-aow4561.htm

00:00:00 - 00:02:00 イントロダクション
T: 以下は二月6日の午後7時から、後ろに見えるクレムリン宮殿の中で収録されたウラジミール・プーチン大統領のインタビューです。内容はまずウクライナで進行中の戦争について、どのように始まり何が起こっているか、どのように終わる可能性があるかということ。一つ明記しておきたいのは、我々がインタビューの最初にプーチン大統領にした問いの答えが我々を驚かせたことです。「なぜこのようなこと(ウクライナ侵攻)をやったのか?」「差し迫った具体的な脅威を感じたゆえに侵攻を正当化したのか?」という問いに対しする返答は、30分にもわたる8世紀からのロシアの歴史の解説でした。

正直言ってそれは侵攻妨害のためにやってるんじゃないか、と思ったしイライラしたので何度も止めようとしたけど、彼は中断しようとする我々の試みは不快だと答えました。そして、最終的に我々はそれは妨害工作では全くなく、ロシアは西ウクライナの一部に対する歴史的権利があると彼は信じている、ということを誠実に答えたものだと理解しました。あなたが信じるかどうかは別にして。

2:00:00 - 00:25:04 プーチンによるロシアとウクライナの歴史の説明
T: 2022 年 2 月 22 日、ウクライナで紛争が始まった時のロシア国民に向けた演説で、あなたは米国はNATOを通じてロシアに奇襲攻撃をする可能性があるという結論に達したために行動していると述べた。アメリカ人にとっては被害妄想と思えるようなもの。なぜアメリカがロシアに予期せぬ打撃を与えるかもしれないと思ったのか、どのようにしてこの結論に達したのでしょうか?

P:その話はアメリカがロシアに予期せぬ打撃を与えようとしていたということではない。私はそんな事は言っていない。私たちは今トークショーをしている?それとも真剣な会話をしているのでしょうか?

ここで真剣な会話をしている、というタッカーの答えを受けて、それではこの問題の歴史的なバックグラウンドを少し解説しましょうということになり、この後30分の歴史のレクチャー部分があります。ロシアとウクライナの関係がどのように始まったのか、関係の変化の経緯が詳しく語られました。このパートはプーチンの以下のまとめで締めくくられています。

「まず、ロシアの歴代の指導者は、ロシアとウクライナの関係の基盤は共通の言語(人口の90%以上がロシア語を話す)、三人に一人は友人や家族などを持っている(ロシア人ならウクライナに、ウクライナ人ならロシアに)、そして共通の文化、共通の歴史、共通の信仰を持ち、何世紀にもわたる単一国家内での共存、経済的に深く結びついていると考えてきたと思う。これらすべてが非常に基本的なものだった。これらすべての要素が相まって、私たちの良好な関係は必然的なものとなっている。」

この30分の歴史の講義では、ロシア、ウクライナの国がどのようにして生まれて成長し、変化していったかの9世紀から現在までの経緯が語られました。プーチン大統領は、この地域が何百年もの間、周辺国との紛争や戦争によって国境線が複雑に書き換えられてきたこと、現在のウクライナの領土の一部は何百年もロシアの領土であったりしたことの経緯をソースの古文書などを示しながら詳しく語りました。彼は慎重に言葉を選びながら史実を説明しており、いくつかの記事に見られるような「ウクライナを部分的にロシアが領土と主張する歴史的根拠がある」というような断言は全くしていません。現在のロシアとウクライナの問題を理解するには、問題の背景にある歴史を知ることが必要だという立場で説明していました。

この歴史的経緯についての日本語全訳は前述の親ロシア派の青山貞一氏のロシア語からの和訳、またプーチン大統領の歴史認識への異論が書かれているJBPressの記事が参考になります。JBPressの記事は今のところこの歴史のパートのみ、他の部分に対する記事は見つかりませんでした。

00:25:04 NATOの拡大

P: 2点目は非常に重要なことなので、アメリカ国民として、また視聴者にも聞いてもらいたい。旧ロシアの指導者たちは、ソ連は消滅し、したがってもはやイデオロギーの分断線は存在しないと考えていた。ロシアは、ソ連の崩壊に自発的かつ積極的に同意し、それがいわゆる「文明化した西側」によって、協力と協調への招きとして理解されるとさえ信じていた。それこそが、ロシアが米国といわゆる集団的西側諸国全体から期待していたことなのだ。

訳注)ソ連および東欧圏7か国が結成した安全保障機構、ワルシャワ条約機構は1991年にソ連邦が解体されると同時に解体され、東西ドイツは統合され、ソ連は東ドイツから撤退して冷戦は終了しました。この時、NATOのヴェルナー事務総長や米国政府高官が「NATOは一インチたりとも東方へ拡大しない」という約束をゴルバチョフと交わしたとされ、米国政府にそれを裏付ける公文書が残っています。ワルシャワ条約機構が解体された時にNATOの存在理由も同時に消滅したはずですが、NATOは解体されることもなく、ヨーロッパの国を次々に引き込み勢力を拡大していきました。このへんの情報は別記事『ロシア・ウクライナ問題』にありますのでご参照ください。

P: ドイツにも賢い人々がいた。社会民主党の大物政治家エゴン・バールは、ソ連崩壊の寸前、ソ連指導部との個人的な対話の中で、ヨーロッパに新しい安全保障システムを確立すべきだと主張した。「ドイツを統一するための支援は必要だが、アメリカ、カナダ、ロシア、その他の中欧諸国を含む新しいシステムを構築すべきだ。しかし、NATOは拡大する必要はない。NATOが拡大すれば、すべてが冷戦時代と同じになり、ロシアの国境に近づくだけだ。」彼はそう言った。彼は賢明な老人だったが、誰も耳を貸さなかった。実際、彼は一度怒ったことがある。私たちのアーカイブにこの会話の記録があります。「私の言うことを聞かないのなら、モスクワには二度と足を踏み入れない」と。彼はソ連の指導者たちに不満を抱いていた。彼は正しかった。すべてが彼の言ったとおりになったのです。

T: アメリカの多くの人々は、ソ連崩壊後のロシアとアメリカの関係はうまくいくだろうと考えていた。しかし、逆のことが起こった。西側諸国が強いロシアを恐れているとあなたは言ったが、西側諸国は強い中国をあまり恐れていないように思える。何が為政者をそうさせたのでしょう?

P: 西側諸国はロシアよりも中国を恐れている。なぜならロシアの人口は1億5千万だが、中国は15億人で経済は飛躍的に成長しているから。今は成長率5%だが、かつてはもっと高かった。しかし、ビスマルクが言ったように可能性が一番重要。中国の可能性はとてつもない。購買力と経済規模の点で、中国は現在世界最大の経済大国であり、かなり以前に米国を追い抜き、急速に成長している。

誰が誰を恐れているのか、そんな理屈はやめましょう。そして、1991年以降、ロシアが「文明国」の兄弟的な家族に迎えられると期待したとき、そのようなことは何も起こらなかったという事実に触れましょう。NATOは東方へ拡大しないという約束だったが、5回も拡大が繰り返された。私たちはそのすべてを容認し、彼らを説得しようとした。 「(東方拡大を)やめてください。私たちは今、あなた方と同じようにブルジョアであり、市場経済の国であり、共産党に力はありません。交渉しましょう」と言ったのです。

さらに、これは以前にも公言したことですが、私たちの間にある溝ができ始めた瞬間があった。エリツィンは訪米して下院で演説し、「アメリカに神のご加護を」と言ったことを覚えていますか。これは「我々を受け入れて下さい」という合図だった。

ユーゴスラビア情勢のことを思い出してほしい。それまでエリツィンは賞賛の嵐を浴びていたのだが、ユーゴスラビア情勢が始まるやいなや、セルビア支持の声を上げた。そこで複雑なプロセスが進行していたことは理解している。しかし、ロシアはセルビア支持の声を上げずにはいられなかった。なぜなら、セルビアもまた正教の文化などを持つ、特別で私たちに近い国だからだ。何世代にもわたって多くの苦しみを味わってきた国なのだから。それはともかく、重要なのはエリツィンがセルビア支持を表明したことだ。アメリカはどう反応したのか?国際法と国連憲章に違反して、ベオグラードへの空爆を開始した。

ビンから魔神を呼び出したのはアメリカだった。さらに、ロシアが抗議し、憤りを表明したとき、何と言われたか?国連憲章や国際法は時代遅れだと。今は誰もが国際法を引き合いに出すが、その時は国際法は時代遅れで、すべてを変えなければならないと言われていました。

確かに、パワーバランスが変われば変えなければならないものもある。でもこんなやり方ではないだろう。エリツィンはすぐに泥沼に引きずり込まれ、アルコール依存症、何も理解していない、何も知らない、と非難された。(でも)彼はすべてを理解していたと言っておきましょう。

00:30:40 NATOとビル・クリントン

P: 私は2000年に大統領になった。ユーゴスラビア問題は終わった、関係を修復しなければと思った。ロシアが通ろうと努力したドアをもう一度開けてみようと。今までも公言したことがあるエピソードだが、ここクレムリンでもうすぐリタイアするクリントン大統領との会談を行い「ビル、もしロシアがNATOに加盟したいと申し出たら、受け入れられると思うかい?」と聞いた時、クリントンは「面白いね、受け入れられるんじゃないかな」と答えた。しかし、夕食会の時には「チームと相談したんだが、今は不可能だ。ダメだ」と言った。クリントン氏に聞いてみるといい。このインタビューを見るだろうから確認できるだろう。

T: あなたは本気で言ったんですか?もし彼がYesと答えたら、NATOに加盟していましたか?

P: いいかい、私は「加盟は可能か?」と尋ね、返ってきた答えはNOだった。もし彼がイエスと言っていたら、和解のプロセスは始まっていただろうし、最終的には、そうなっていたかもしれない。もし私たちが彼らに何らかの誠実な思いを見ることができたなら。しかし、そうはならなかった。ノーというのはノーということだ。しかたがない。

T: それはなぜだと思いますか?動機を知りたいんだ。あなたはこの件に関して辛辣だ。わかります。なぜ欧米はあなたを拒絶したと思いますか?なぜ敵意を持ったのでしょうか?なぜ冷戦が終わっても関係が修復されなかったのか?あなたから見て、その動機は何ですか?

P: あなたは、私がその答えに苦言を呈したと言った。いや、苦言ではなく、事実を述べただけだ。私たちは新郎新婦ではないのだから。恨み辛み、このような状況はそういう問題ではない。ただ、我々は自分たちが歓迎されていないことに気づいた、それだけなんだ。「そうか、わかった。しかし、別の方法で関係を築き、どこか別の場所で共通の基盤を探そう」と。なぜ私たちがこのような否定的な反応を受けたのか、それはあなたの指導者に聞くべきだ。私には推測することしかできないーーーそして米国は独自の意見を持っているあまりにも大きな国であるということだ。NATOでどのように問題が解決されているか、私は見てきた。

ウクライナに関する別の例を挙げよう。米国の指導者は圧力をかけ、NATO加盟国はすべて、たとえ気に入らないことがあっても従順に投票する。2008年にウクライナで何が起こったかを話しましょう。秘密を明かすのではありません。何も新しいことはない。その後、我々はさまざまな方法で関係を築こうとした。例えば、中東での出来事、イラクでの出来事、私たちは米国との関係を非常にソフトに、慎重に、注意深く構築しました。

私は繰り返し、米国は北コーカサス(チェチェン共和国、イングーシ共和国、ダゲスタン共和国など旧ロシア連邦)における分離主義やテロリズムを支援すべきではないという問題を提起しました。しかし、米国はそれを続けた。そして政治的支援、情報支援、財政支援、さらには軍事的支援までもが、米国とその衛星国からコーカサスのテロリスト集団にもたらされたのです。

私は以前、同僚、そしてアメリカ大統領にこの問題を提起したことがある。彼は言った「証拠はあるのか?」私は「ある 」と答え、この会話に備えていた証拠を彼に渡した。彼はそれを見て、何て言ったと思う?申し訳ないですがその時のことを引用します。彼はこう言ったんだ。「奴らをぶっ飛ばしてやる」。私たちは何らかの反応を待ったが、何もこなかった。

私はFSB長官に言いました。「CIAに手紙を書け。大統領との対話の結果はどうなった?」と。彼は2回手紙を書き、返事をもらった。その返事はアーカイブにある。CIAはこう答えた: 「我々はロシアにいる反対勢力と協力してきた。我々はこれが正しいことだと信じており、これからもそれを続けていく」 バカバカしい。まあ、いい。私たちは(アメリカがこの問題に対処すること)は不可能なことに気づいた。

T: 反対勢力?CIAはあなたの政府を転覆させようとしていると思いますか?

P: もちろん、この場合、彼らはコーカサスで我々と戦った分離主義者、テロリストを意味している。彼らはそれを反対勢力と呼んだ。これが2つ目のポイントだ。

3つ目は、非常に重要なことだが、アメリカのミサイル防衛(ABM)システムが構築された瞬間です。私たちは長い間、米国にそれをしないよう説得しようとしていた。さらに、ブッシュ・ジュニアの父であるブッシュ・シニアに招かれて海の上の彼の地を訪れた後、私はブッシュ大統領たちと非常に真剣に話し合った。私は、一方的に創設されれば私たちの安全保障を脅かすので、そのミサイル防衛システムを、米国、ロシア、ヨーロッパが共同で創設することを提案した。米国は、表向きにはそのミサイルシステムはイランのミサイルの脅威に対抗するものとしていた。それがミサイル防衛システムの配備を正当化する理由だった。私は、ロシア、アメリカ、ヨーロッパが協力することを提案した。

私は「このようなグローバルで戦略的な安全保障上の課題に、もし私たちが一緒に取り組むことができたらと想像してみてください。世界は変わるだろう。おそらく経済的、または政治的な紛争は起こるだろうが、一緒に取り組めば世界の状況を劇的に変えることができるだろう」と言った。彼は「そうだな」と答え「本気ですか?」と尋ねた。私は「もちろん」と答えた。彼は「考える必要がある」と言い、私は 「わかりました。どうぞ考えてください」と答えた。

その後、国防長官(ロバート・ゲーツ)と元CIA長官、国務長官(コンドリーザ・ライス)がこの私室にやってきた。まさにこのテーブルで、彼らはこちら側に座り、私、外務大臣、ロシア国防大臣がそちら側に座った。彼らは私にこう言った。「考えてみました。同意します。」私は「ありがとう、素晴らしい」と答えた。しかし、彼らは続けた「ーーー例外もありで。」

T:あなたは2度にわたって、米国の大統領が決断を下し、その後、決断はその機関の責任者に覆されたと述べています。つまり、あなたの言い分は、選挙で選ばれた人たちによって運営されていないシステムを描写しているように聞こえます。

P: そうだ。結局、彼らは私たちに失せろと言っただけだった。国家機密の会話なので、詳細は言わない。しかし、私たちの提案が断られた、それは事実だ。

そのとき、私はこう言った「しかし、そうなれば我々は対抗措置を取らざるを得なくなる。ミサイル防衛システムを確実に打ち負かすような攻撃システムを構築する」と。答えはこうだった「私たちはあなた方に対してこのようなことをしているわけではない。あなた方はアメリカに対してするのではないんだろうから、好きなようにしたらいい」私は 「わかった 」と答えた。そして、大陸間ミサイルを搭載した極超音速システムを開発し、今も開発を続けている。現在、極超音速攻撃システムの開発という点では、米国や他の国々をリードしており、日々改良を加えている。しかし、私たちはこれとは別の道を提案し、そして押し戻されたのだ。

さて、NATOの東方拡大について。私たちは「NATOの東方への拡大は1インチもない」と約束された。それで何が起こった?NATOは「文書に明記されていないから、拡大する」と言った。拡大はバルト三国、そして東欧全体へ5つの波のように広がっていった。

本題に入りましょう。彼らは最終的にウクライナに来たのです。2008年、ブカレストでのサミットで、彼らはウクライナとグルジアへNATO加盟の門戸は開かれていると宣言した。

そこでどのような決定がなされたのか。ドイツやフランスはもちろん、他のヨーロッパ諸国も反対しているように見えた。しかし、ブッシュ大統領は非常にタフな男で、タフな政治家。後に伝えられたことは「圧力をかけられたので同意するしかなかったんです」だと。ばかばかしい、まるで幼稚園のようだ。NATOの保証とは何だ?彼らは幼稚園なのか?どういう人たちなんだ、一体誰なんだ?彼らはブッシュに圧力をかけられ、合意した。そして「ウクライナはNATOに加盟しませんよ」と言うんだ。私は言うよ。「そうかね。2008年に合意したはずなのに、なぜ将来合意しないというのか?」(NATOは)「まあ、あの時は圧力をかけられたから」。私は言う「彼らがあなたに将来的に圧力をかけない理由は?そしてまた同意するんでしょうね。」まあ、意味不明だよね。誰と話せばいいんだ?私たちは話し合いをする準備ができている。でも、誰と?保証はどこに?何もない。

00:41:10 ウクライナとNATO、CIA

P :それでウクライナの領土を開発し始めた。この地域がどのように発展し、ロシアとどのような関係があったのかは説明した。ウクライナの2人か3人に1人は必ずロシアとの関係がある。そして、すでに独立し主権を持つ状態でのウクライナでの選挙中に、独立宣言をして独立した。ついでに言えば、ウクライナは中立国であると言われているが、2008年に突然、NATO加入への扉が開かれた。おいおい!こんな合意はしていない。ウクライナで政権を握ったすべての大統領は、何らかの形でロシアに好意的な選挙民を頼りにしてきた。これはウクライナの南東部であり、多くの人々がいる。ロシアに好意的なこの有権者たちの考えを変えさせるのは非常に難しかった。

ヴィクトル・ヤヌコヴィッチ(訳註:親露派)が政権を取った時のことだ。最初にクチマ大統領の後任として、選挙で勝利したーーーそしてウクライナの憲法で制定されていない3度目の選挙が行われた。これはクーデターだ。想像してみてほしいのだが、アメリカの誰がこの結果を好まないだろう......。

T:2014年に?

P:いや、その前です。クチマ大統領の後、ビクトル・ヤヌコビッチが選挙で勝った。しかし、反対派はその勝利を認めず、アメリカは反対派を支持し、3回目の選挙が予定された。これはクーデターだ。アメリカはそれを支持し、3回目の勝者が政権を握った。もしアメリカで、誰かの意にそぐわないということで、アメリカの憲法で規定されていない3度目の選挙が行われたとしたら、と想像してほしい。とにかくウクライナではそれが行われた。親欧米と言われるヴィクトル・ユシチェンコが政権を握った。彼はモスクワを訪問し、我々はキエフを訪問し、非公式の会議を行なった。彼が親欧米派なら、それはそれでいい。独立国であるウクライナの内部で進展する事柄だ。クチマの(訳註:親露的、汚職で有名)為政の結果、事態が悪化し、結果としてヴィクトル・ヤヌコヴィッチが政権を握ったのだが。

もしかしたら彼は最高の大統領や政治家ではなかったのかもしれない。私は知らないし、評価もしたくない。しかし、EUとの提携問題が浮上した。私たちは常に(ウクライナに対して)好きにやっていいという寛容な態度をとってきたが、この協定により、ウクライナはヨーロッパに対して自由貿易をしなければならなくなったのだが、それによってロシアの市場も同時に開放されることになる。何故なら、ロシアとウクライナには自由貿易圏があり、税関国境も開放されていたからだ。

我々は「いや、これはうまくいかない。そうするなら、ロシアとウクライナとの国境を閉鎖しよう」と言った。税関国境をね。ヤヌコビッチは、ウクライナがどれだけ得をし、どれだけ損をするかを計算し始め、ヨーロッパのパートナーに言った。「署名する前に、もう少し考える時間が必要だ」。彼がそう言った瞬間、反対派は、西側諸国にサポートされた破壊的な手段を取り始めた。そして、ウクライナでマイダン、そしてクーデターが起こった。

T:では、EUよりもロシアとの貿易が多かったのですか?ウクライナは...

P: もちろんだ。貿易量の問題ですらない。ウクライナ経済全体の基盤となっていた協力関係の問題だ。企業間の協力関係はソ連時代から非常に緊密だった。ある企業はロシアとウクライナの両方で組み立てる部品を生産していたし、その逆もあった。かつては非常に密接な関係があった。

クーデターが演出され、詳細は不適切なので省くが、アメリカは我々にこう言った。「ヤヌコビッチを抑えろ。我々は反対勢力を抑える。シナリオ通りに事態を展開させて政治決着をつけよう。」我々は「わかった。いいだろう。そうしよう。」アメリカの要請通り、ヤヌコビッチは軍隊も警察も使わなかったが、武装した反対派はキエフでクーデターを起こした。これは何を意味する?「何様のつもりだ」と私は当時のアメリカの指導者に問いただしたかった。

T:誰の後ろ盾で?

P: もちろんCIAの後ろ盾でね。昔、あなたが入りたがっていた組織ですね。入れてもらえなかったことを神に感謝すべきかもしれない。CIAはシリアスな組織だ。分かっている。ソ連の諜報機関である第一総局に所属していたという意味では、私のかつての対敵だ。彼らは常に私たちの敵だった。仕事は仕事だ。

技術的には、彼らはすべてを正しく行い、政権交代という目標を達成した。しかし、政治的な見地から見れば、とんでもない間違いだった。確かに、政治指導者の誤算だった。彼らは、それがどのような展開になるかを予測すべきだった。

2008年、ウクライナにNATOの門戸が開かれた。2014年にクーデターが起こり、クーデターを受け入れない人々を迫害し始めた。まさにクーデターで、彼らはクリミアを脅迫したので、我々はクリミアを保護しなければならなくなった。彼らは2014年にドンバスで戦争を開始し、民間人に対して航空機や大砲を使用した。そしてこの問題(ウクライナとロシアの紛争)が始まった。ドネツクを上空から攻撃する航空機の映像がある。彼らは大規模な軍事作戦を開始し、また別の作戦を開始した。失敗すると、次の作戦の準備を始めた。これらすべては、この地域の軍事的な開発、NATO加入への道が開かれたことを背景にしている。

私たちは、起こっていることに対して懸念を表明せざるを得なかった。私たちの側からすれば、これは非難されるべき怠慢というべきものだったから。アメリカのリーダーたちは、私たちを、ロシアそのものを破滅させることになりかねない、越えられない一線まで追い詰めたのだ。それに、この "戦争マシン "の脅威に直面している私たちと同じ信仰を持つ兄弟たち、そして実際にロシア人の一部である彼らを見捨てることはできなかった。

00:48:30 ウクライナ紛争が起こったきっかけは何だったのか?非ナチス化とは?

T:現在の紛争が始まる8年前のことですね。何がきっかけだったのですか?こうしなければならない(ウクライナ侵攻)と決心した瞬間は何だったのですか?

P:当初、この紛争を引き起こしたのはウクライナのクーデターでした。

ところで当時、ドイツ、ポーランド、フランスの欧州3カ国の代表が到着した。彼らは、ヤヌコビッチ政権と野党の間で調印された合意の保証人だった。彼らは保証人として署名した。にもかかわらず、野党はクーデターを起こし、これらの国々は平和的解決の保証人であったことを覚えていないふりをした。平和的解決の保証人であったことを誰も覚えていないのです。

米国が、野党とヤヌコビッチ政権とその3人の保証人の間で結ばれた合意について知っているかどうかは知らないが、彼らはこの事態全体を政治的な場に戻す代わりに、クーデターを支持した。しかし、それは無意味なことだった。ヤヌコビッチ大統領はすべての条件に同意し、彼が勝つ見込みのない選挙を早急に行う用意があった。誰もがそれを知っていた。

しかし、なぜクーデターを起こし、なぜ犠牲者を出したのか。なぜクリミアを脅すのか?なぜドンバスで作戦を開始したのか?私には理解できない。それこそが誤算なのだ。CIAはクーデターを完成させるために仕事をした。国務副長官の一人は、50億ドル近い大金がかかったと言ったと思う。しかし、政治的ミスはとてつもなく大きかった!なぜそんなことをしなければならなかったのか?クリミアを失うことなく、犠牲者を出すことなく、軍事行動を起こすことなく、すべて合法的に行うことができたはずだ。マイダンの血なまぐさい展開がなければ、我々は指一本動かさなかっただろう。

なぜなら我々は、ソ連崩壊後の国境は旧ソ連の共和国の国境に沿うべきだという事実に同意したからだ。しかし、NATO拡大には決して同意しなかったし、ウクライナのNATOに加盟にも同意しなかった。また、ウクライナに我々に無断でNATOの基地を作ることにも同意していない。何十年もの間、私たちは彼らに対し、あれをするな、これもするなと要請し続けてきた。

そして何が今回の出来事の引き金になったのか?まず、現ウクライナ政権は、ご存じのように2014年の出来事の後、ドンバスの平和的解決の計画が定められ、ミンスクで署名されたミンスク合意を履行しないと宣言した。現在のウクライナの指導者たち、外務大臣、その他すべての高官、そして大統領自身が、ミンスク合意について、何も気に入らないと言った。つまり、彼らは最初からミンスク合意を履行するつもりはなかったのだ。1年か1年半前、ドイツとフランスの前リーダーたちは、ミンスク合意には確かに署名したが、それを履行するつもりは最初から全くなかった、と全世界に向けて公然と発言した。彼らは、私たちを思うままに手玉に取っただけだった。

T:自由に話せる相手はいましたか?アメリカ大統領や国務長官に電話して、もしNATO軍でウクライナを軍事化し続けるなら、我々は行動を起こすと言いましたか?

P:私たちはいつもこのことについて話していた。私たちは米国と欧州諸国の指導者たちに、こうした動きを直ちに止め、ミンスク合意を履行するよう働きかけた。率直に言ってどうやればいいのかわからなかったが、実行する準備はできていた。これらの合意はウクライナにとって複雑なもので、ドンバス地域の独立に関する多くの要素が含まれていた。その通りだ。しかし、私は絶対の自信を持っていた: ドンバスの住民をなんとか説得すれば、そしてウクライナ国家への復帰を説得するために懸命に努力しなければならなかったが、そうすれば徐々に傷は癒え始めるだろうと、私は正直に信じていた。この領土の一部が共通の経済・社会環境に再統合され、年金や社会的給付が再び支払われるようになれば、すべてのピースが徐々に適所に収まるだろうと。

しかし、誰もそんなことは望んでいなかった。誰もが軍事力のみによる解決を望んでいたのだ。しかし、私たちはそうさせるわけにはいかなかった。

そして、ウクライナ側がこう発表した時、状況は頂点に達した。「いや、我々は(ミンスク合意を)何も履行しない」。彼らは軍事行動の準備も始めた。2014年に戦争を始めたのは彼らです。我々の目標はこの戦争を止めること。我々は2022年に戦争を始めたのではない。これは戦争を止めるための試みなのです。

T: 今、戦争を止められたと思いますか?つまり、目的は達成したのですか?

P:いや、まだ目的は達成していない。なぜなら、目的の一つは非ナチス化、あらゆる種類のネオナチ運動の禁止だからです。これは、昨年初めにイスタンブールで終了した交渉プロセスで議論した問題のひとつであり、この交渉の終了は私たちが主導したものではありませんでした。というのも、私たちは(特にヨーロッパ諸国から)「最終的な文書調印のための条件を整える必要がある」と言われたからです。(それが何かと言うと)私の交渉相手であるフランスとドイツは「銃を突きつけられた条約に署名するなんて、どうして想像できる?軍隊をキエフから撤退させるべきだ」と言った。私は「わかった」と答え、キエフから軍を撤退させたのです。

われわれがキエフから軍を撤退させるやいなや、ウクライナの交渉担当者たちは、イスタンブールで合意したことをすべて即座にゴミ箱に捨て、米国と欧州のその衛星国の助けを借りて、長期にわたる武力衝突の準備を整えた。そうして事態は進展した。それが現在の状況です。

T:非ナチス化とは何ですか?それはどういう意味ですか?

P:それが今私が話したいことです。非常に重要な問題です。独立後、ウクライナは欧米のアナリストが言うようにアイデンティティを模索し始めた。そして、彼らはヒトラーと共謀した偽りの英雄たちの上にアイデンティティを構築するよりもましなアイデアを思いつかなかったのです。

19世紀初頭、ウクライナの独立と主権を主張する論者が登場したとき、彼らは独立したウクライナがロシアと非常に良好な関係を築くはずだと想定していたことはすでに述べました。しかし、歴史を見ればこれらの領土はポーランド・リトアニア連邦の一部となり、ポーランドではウクライナ人が迫害され、かなり残酷な扱いを受け、残酷な行動にさらされました。また、彼らのアイデンティティを破壊しようとする試みもあり、これらすべてがウクライナの人々の記憶に残りました。

第二次世界大戦が勃発すると、この極めて民族主義的なエリートの一部は、ヒトラーが自分たちに自由をもたらしてくれると信じてヒトラーに協力した。ドイツ軍、それもSS隊は、ヒトラーの協力者にポーランド人とユダヤ人を絶滅させるという最も汚い仕事をさせた。それゆえ、ポーランド人とユダヤ人、そしてロシア人の残虐な虐殺が行われた。これを指揮したのは、よく知られている人物たちーーーバンデラやシュヘヴィチである。ウクライナで国民的英雄にされたのはこの人たちであり、それが問題なのだ。ナショナリズムやネオ・ナチズムは他の国にも存在すると常に言われている。確かにそれらの苗木がある。私たちはそれを根こそぎ取り除こうと試み、他の国々ではそれらと戦っている。しかし、ウクライナはそうではない。

ウクライナでは、これらの人々は国民的英雄に仕立て上げられている。彼らの記念碑が建てられ、彼らの旗が掲げられ、ナチスドイツのように松明を持って歩く群衆によって彼らの名前が叫ばれている。彼らはポーランド人、ユダヤ人、ロシア人を絶滅させようとした人々です。このような行いを止め、このような考えが広まるのを防ぐ必要があります。

私は、ウクライナ人は一つのロシア民族の一部だと言う。彼らは「いや、我々は別の民族だ」と言う。彼らにはそう言う権利がある。しかし、それはナチズムやナチスのイデオロギーに基づいてはいけない。

T:今の領土で満足ですか?

P:質問の答えを終わらせたい。あなたが今、ネオナチズムと非ナチ化について質問したことに。ウクライナの大統領はカナダを訪問しました。この話はよく知られているが、西側諸国では黙殺されている: カナダ議会は、第二次世界大戦中にロシア軍と戦った人物を彼に紹介した。第二次世界大戦中、誰がロシアと戦ったのか?ヒトラーとその共犯者だ。この男は親衛隊に所属していたことが判明した。彼は個人的にロシア人、ポーランド人、ユダヤ人を殺した。SS部隊はウクライナの民族主義者で構成され、彼らはこの汚い仕事をした。ウクライナの大統領はカナダの国会議員全員とともに立ち上がり、この男に拍手を送った。こんなことがあり得るだろうか?ちなみにウクライナ大統領自身、国籍はユダヤ人である。

T: 私の質問は、これをどうするのか、ということです。ヒトラーが死んで80年、ナチスドイツはもう存在しない。だから、あなたが言っているのは、ウクライナのナショナリズムを消滅させたい、少なくともコントロールしたいということでしょう。しかし、どうやってそれをするのですか?

P: 私の話を聞いてください。あなたの質問は非常に微妙だ。私がどう考えているか言ってもいいですか?気を悪くしないでください。

T: もちろん

P:この問題はすぐにはわかりにくいものですが、かなり厄介です。

あなたはヒトラーが死んで80年も経つと言う。しかし、彼の考えは生き続けている。ユダヤ人、ロシア人、ポーランド人を絶滅させようとした人々はまだ生きている。そして、現在のウクライナの大統領は、カナダ議会で彼(ナチの残党)に拍手を送り、スタンディングオベーションをしています。(1:01:00 カナダ議会の画像が流れる)これが今日起きていることであるならば、私たちはこのイデオロギーを完全に根絶やしにしたと言えるのだろうか?ナチスの概念を維持し、その活動を支持して続けようとする人々を排除しなければならない。それが私たちの理解する非ナチス化です。

T: そうですね。私の質問はもちろんナチズムを擁護するものではありません。そうでなければ、現実的な質問でした。あなたは国全体を支配しているわけではないし、支配したいようにも見えない。では、支配していない国の文化やイデオロギー、感情、歴史観をどうやって排除するのですか?どうやって?

P:奇妙に思われるかもしれませんが、イスタンブールでの交渉で、私たちはネオナチズムをウクライナで育成しないことに合意しました。法律で禁止することを含めてです。カールソンさん、私たちはそのことで合意しました。これは交渉の過程でできることだ。そして、近代文明国家としてのウクライナにとってこれは屈辱的なことは何でもない。ナチズムを推進することが許される国家がありますか?ないでしょう?それだけのことです。

01:02:37 平和的解決についてーー米国政府との直接対話は?

T:交渉はあるのでしょうか?ウクライナの紛争を解決するための話し合いがなぜ行われていないのですか?和平交渉です。

P: 何度もあった。複雑なプロセスの中で、立場の調整という非常に高い段階に達したが、それでもまだほぼ最終的なものになっただけだ。しかし、私たちがキエフから軍を撤退させた後、いま述べたように、相手側(ウクライナ)はこれらの合意をすべて投げ捨て、ロシアと最後まで戦うように、という西側諸国、欧州諸国、米国の指示に従った。

さらに、ウクライナ大統領はロシアとの交渉禁止を法制化した。ロシアと交渉することを禁じる法令に署名したのだ。しかし、彼が自分自身やすべての人に禁じているのであれば、どうやって交渉するつもりなのだろうか?我々は、彼がこの和解についていくつかのアイデアを提示していることを知っている。しかし、何かに合意するためには対話が必要だ。そうだろう?

T:しかし、あなたはウクライナの大統領と話すのではなく、アメリカの大統領と話すことになるでしょう。ジョー・バイデンと最後に話したのはいつですか?

P:いつ話したか覚えていません。覚えていませんが、調べればわかることです。

T: 覚えていないのですか?(笑)

P:いや、なぜ私がすべてを覚えていなければならないのですか?私には私のやるべきことがある。内政問題もある。

P:でも、彼はあなたが戦っている戦争に資金を提供しているんだから、記憶に残るんじゃないですか?

P: そうですね、彼は資金を提供していますが、私はもちろん特別軍事作戦の前に彼と話をしました。その時、私は彼にこう言いましたーーー詳細は決して語れませんがーーー「ウクライナで起きていることすべてを支持し、ロシアを遠ざけることで、あなたは歴史的な大失敗を犯していると思います。」私は何度も彼に言いましたよ。この話はここでやめるのが正しいと思います。

T:彼は何と言ったのですか?

P: 彼に聞いてください。米国の市民であるあなたなら、彼に聞いたほうが簡単だ。彼と私の会話について私がコメントするのは適切ではありません。

T: 2022年の2月以前から彼とは話していないのですね?

P:いいえ、話していません。しかし、一定の接触は維持されているけれども。そういえば、ミサイル防衛システムで協力しようという私の提案を覚えていますか?

T:はい。

P:全員に聞けばいい。全員ありがたいことに無事で元気にしていますよ。前大統領、コンドリーザ(ライス)も無事だし、ゲーツ氏、そして現在の中央情報局(CIA)長官、バーンズ氏、当時の駐ロシア大使、私の意見では非常に成功した大使だと思う。彼らは皆、これらの会話の目撃者だった。彼らに聞いてみてください。こちらも同じで、バイデン大統領が私にどう答えたか興味があれば、彼に聞いてください。何はともあれ、私は彼と話をしました。

T: もちろん興味はあります。しかし、他方から見ればこれは世界中を巻き込む紛争、核戦争につながる争いになっていくように思える。バイデンに電話して「解決しましょう」と言ったらどうですか?

P: 何を解決するかって?とても簡単なことだ。繰り返すが、我々はさまざまな機関を通じて接触しています。この件に関して我々が言っていること、米国の指導者に伝えていることをお伝えしよう: 「本当に戦闘をやめたいのなら、武器の供給をやめることだ。数週間以内に終わるだろう。それだけだ。我々はいくつかの条件について合意することができる。しかし、その前に武器の供給をやめてほしい。」

これよりもっと簡単なことがありますか?なぜ彼に電話しなくてはいけないのか?何を話せば、あるいは何を懇願すればいい?「こんな武器やあんな武器をウクライナに持ち込むつもりですか?ああ、とても怖い、そんなことしないでくれ、お願いです」とでも?

T: NATOはこれが世界規模の戦争や核紛争になることを心配していたと思いますか?

P: 少なくとも彼らはそう話しているね。そして、架空のロシアの脅威で自国民を脅かしている。これは明白な事実だ。そして、考える人たち、凡人ではなく考える人たち、アナリスト、現実の政治に携わっている人たち、賢い人たちは、その脅威はフェイクであることを完全に理解している。 NATOはロシアの脅威を煽ろうとしているのです。

T:あなたの言う脅威とは、ロシアがポーランドやラトビアに領土拡大のために侵攻することだと思います。ポーランドにロシア軍を派遣するシナリオは考えられますか?

P: それはポーランドがロシアを攻撃する場合に限る。なぜか?我々はポーランドにも、ラトビアにも、他のどこの国にも、何の関心もないからだ。なぜそんなことをする必要がある?そんなことに関心はない。これはただの造られた脅威です。

T:あなたも知っていることだとは思いますが、あなたが領土的な野心を持ってウクライナに侵攻したという議論があります。あなたは明確に、そうではないと言うのですか?

P:絶対にそうではない。常識的に、誰だって世界的な戦争に巻き込まれるなんて考えられない。そして、世界規模の戦争は全人類を破滅の淵に立たせる。それは明らかだ。

確かに抑止の手段ではあるが。彼らは明日はロシアが戦術核を使う、いや、明後日はロシアがそれを使うと言う。だから何?これらは、アメリカの納税者やヨーロッパの納税者から追加で資金をせしめるために、ロシアと対決するウクライナという戦争劇場を使って市井の人々に語られるための恐怖物語にすぎない。彼らの目的は、ロシアを可能な限り弱体化させることだ。

T: ニューヨーク州選出の上院議員、チャック・シューマーは昨日、ウクライナの取り組みに資金を提供し続けなければ、米軍兵士や市民がウクライナで戦うことになりかねないと述べました。それをどう評価しますか?

P:それは安っぽい挑発だ。なぜアメリカ兵がウクライナで戦わなければならないのか理解できない。あそこにはアメリカからの傭兵がいる。最も多いのはポーランドからの傭兵で、2番目がアメリカからの傭兵、3番目がグルジアからの傭兵だ。もし誰かが正規軍を送りたいという願望があるのなら、それは人類を非常に深刻な、世界的な紛争の瀬戸際に立たせることになるだろう。これは明らかだ。

それは米国に必要なのか?何のために?自国の領土から何千マイルも離れた場所に!他にすることがないのか?国境の問題、移民の問題、33兆ドルを超える国家債務の問題。他にするべきことがないからウクライナで戦うのか?

それよりもロシアと交渉したほうがいいのではないか?今日の状況を理解し、ロシアは自国の利益のために最後まで戦うことを理解した上で、協定を結ぶ。そして、これを理解することによって常識に立ち返ることができる。その上で我が国とその利益を尊重し、一定の解決策を模索する。その方がはるかに賢明で合理的だと私には思える。

01:11:33 誰がノルドストリームを爆破したのか?ーードルを外交闘争の道具として使うことについて

T:誰がノルドストリームを爆破したのでしょう?

P:確かにあなた(you)でしょう(笑)。

T:あの日は忙しかった。私はノルドストリームを爆破していない(プーチン爆笑)。

P:あなた個人にはアリバイがあるかもしれないが、CIAにはそんなアリバイはない(笑)。

T:NATOやCIAがやったという証拠はあるのですか?

P:あのね、詳しくは言わないけど、こういう場合、人はいつも言うんだ「興味を持っている者を探せ」と。しかしこの場合、私たちは興味を持っている人物を探すだけでなく、実行能力を持っている者を探すべきだ。興味を持っている人はたくさんいるかもしれないが、その全員がバルト海の底でこの爆発を実行できるわけではないからだ。誰がそれに興味を持ち、誰がそれを実行できるのか、この2つの要素を結びつける必要がある。

T: しかし、私は混乱しています。史上最大の産業テロ行為であり、史上最大のCO₂排出量だ。NATO、アメリカ、CIA、西側諸国がやったという証拠があれば、なぜそれを提示してプロパガンダに勝利しないのですか?

P:(笑)プロパガンダ戦争において、米国を打ち負かすことは非常に難しい。なぜなら、米国は世界中のメディアとヨーロッパの多くのメディアを支配しているからだ。ヨーロッパ最大のメディアの最終的な受益者はアメリカの金融機関だ。それを知らないのか?だから、そうすることは可能だが、法外な費用がかかる。情報源にスポットライトを当てるだけでは、成果は得られない。何が起こったのかは全世界的に明らかであり、アメリカのアナリストでさえ直接的にそう言っている。これは事実だ。

T:そうですね。でも、ここに答えられるかもしれない質問があります。あなたはドイツで仕事をしましたね。ドイツ人は明らかにNATOのパートナーがこのようなことをし、自国の経済に大きなダメージを与えたことを知っています。なぜ彼らは沈黙しているのでしょうか?私にはそれが非常に不可解だ。なぜドイツは何も言わないのでしょうか?

P:私も困惑している。今日のドイツのリーダーたちは、自国の国益よりも西側の集団の利益によって導かれている。そうでなければ、彼らがすること、しないことの説明がつかない。ノルド・ストリーム1号が爆破され、ノルド・ストリーム2号は損傷を受けたが、1本のパイプは無事で、そこからヨーロッパにガスを供給することができるのに、ドイツはそれを開通させない。我々はガスを送る用意があるのに。

ポーランドを経由するもう一つのルートは、ヤマルヨーロッパと呼ばれるもので、こちらも大流量を供給できる。ポーランドはこのルートを閉鎖していますが、ポーランドはドイツの手のひらから(小鳥のように)資金をついばんでおり、パンヨーロピアン基金から資金を得ている。そしてドイツはこの基金のメインスポンサー。というわけで、ドイツはポーランドを養っていると言える。そして、彼らはドイツへのパイプルートを閉ざした。なぜなんですか?私には理解できない。

ウクライナには、ドイツが武器を供給し、資金を提供している。ドイツはウクライナへの資金援助において、アメリカに次いで2番目のスポンサー。ウクライナを通るガスルートは2つある。ウクライナ人は単に1つのルートを閉じただけだ。2つ目のルートを開ければ、ロシアからガスを得ることができる。彼らはそれを開けない。なぜドイツはこう言わないのか。
「君たち、金も武器もやる。頼むからバルブを開けてくれ、ロシアからのガスを通過させてくれ。私たちはヨーロッパで液化ガスを法外な値段で買っているが、これでは私たちの競争力も、経済全般のレベルもゼロになってしまう。金を出せというなら、私たちにまともな生活をさせ、私たちの経済のためにお金を稼がせてください。なぜならそれがあなたに出している資金のソースだからです」

彼らはそれを拒否する。なぜか?彼らに尋ねてみてください(テーブルをノックする) 。彼らの頭の中はこうなっている。非常に無能な人たちです。

T:世界は2つの半球に分かれているのかもしれません。安いエネルギーがあるところとないところだ。もし今、世界が多極化しているのだとしたら、そうであることは明らかですが、ブロックや同盟について説明してもらえますか?それぞれの側には誰がいると思いますか?

P: 聞いてください、あなたは世界が2つの半球に分かれていると言いました。人間の脳は2つの半球に分かれていて、一方はある種の活動を担当し、もう一方は創造性などをより重視する。しかし、それら2つで1つの脳なのです。"黄金の10億 "のためではなく、世界は一つの全体であるべきで、安全保障は共有されるべきなのです 。それこそが、世界が安定し、持続可能で、予測可能な唯一のシナリオ。それまでは、頭が2つに割れている状態。そしてその状態は病気、深刻な病態です。いままさに世界が経験しているのは、この重病なのです。

しかし、誠実なジャーナリズムのおかげでーーーこの仕事は医者の仕事に似ているーーー何とか改善できると思う。

T:米ドルに関して。米ドルは、多くの点で世界を統一してきました。それは我々にとっては有益なことだった。あなた方にとってはそうでないかもしれないが。基軸通貨として、また普遍的に通用する通貨としての米ドルは消えていくのでしょうか?制裁によって、世界におけるドルの地位はどのように変化したと思いますか?

P:ご存知のように、ドルを外交闘争の道具として使うことは、米国の政治指導部が犯した最大の戦略的過ちの一つです。ドルは米国の権力の要だ。ドルをいくら刷っても、すぐに世界中にばらまかれることは誰もがよく理解していると思う。アメリカのインフレはごくわずかです。インフレ率は3%か3.4%で、米国にとってはまったく許容範囲だと思う。しかし、彼らは印刷を止めようとしない。33兆ドルの負債は何を物語っているのでしょうか?それは排出量だ。

とはいえ、これは米国が世界中で権力を維持するための主要な武器である。政治指導者が米ドルを政治闘争の道具として使うことを決めたとたん、このアメリカの力に打撃が与えられた。強い言葉は使いたくないが、これは愚かな行為であり、重大な過ちである。

世界で起こっていることを見てみよう。米国の同盟国でさえ、ドル準備を縮小している。それを見て、誰もが自分たちを守る方法を探し始める。しかし、米国が特定の国に対して、取引制限や資産凍結などの制限的な措置を取ることは、重大な懸念を引き起こし、全世界にシグナルを送ることになる。

何が起こったのか?2022年まで、ロシアの対外貿易取引の約80%は米ドルとユーロで行われていた。米ドルは第三国との取引の約50%を占めていたが、現在は13%に減少している。米ドルの使用を禁止したのは我々ではない。米ドルでの取引を制限したのはアメリカの決定だ。アメリカとアメリカの納税者にとっての利益の点から見れば、これは米国経済への打撃となり、世界における米国の力を弱めることになる愚かな行為に思える。

ちなみに、我々の人民元での取引は約3%だった。現在、私たちの取引の34%はルーブルで行われており、人民元での取引も34%を少し超える程度である。

なぜアメリカはこんなことをしたのか?私の唯一の推測は、自己満足。おそらく完全な崩壊につながると考えたのだろうが、何も崩壊しなかった。しかも、産油国を含む他の国々は、人民元での石油代金の支払いを考え、すでに受け入れている。何が起こっているのか、気づいているのか、いないのか。米国でこのことに気づいている人はいるのだろうか?あなた方は何をしているのですか?専門家は皆、こう言っている。米国の知的で思慮深い人々に、米国にとってドルが何を意味するか尋ねてみてほしい。あなたは自分の手でそれを殺しているのだ。

T: それは公正な評価だと思います。問題は次に何が来るかだ。ある植民地大国を、もっと感傷的で寛容な別の植民地大国と交換するのでしょうか?例えば、BRICSは中国経済に完全に支配される危険性があるのでしょうか?ある意味、彼らの主権にとって良いことではない。あなたはそのことを心配していますか?

P: そのような話は以前にも聞いたことがある。インチキ話だ。我々は中国とは隣国だ。近親者を選べないように、隣人を選ぶことはできない。我々は中国と数千キロの国境を接している。これが第一だ。第二に、私たちには数世紀にわたる共存の歴史があり、それに慣れている。第三に、中国の外交政策の理念は攻撃的ではなく、常に妥協点を探るというものであり、私たちはそれを理解している。

次の点は以下の通りです。そういったインチキ話は幾分遠回しな言い方でいまだに繰り返されているが、中国との協力は増え続けている。中国の対ヨーロッパ協力の成長ペースは、中露協力の成長ペースよりも早く、大きい。欧州の人々に尋ねてみてください。私は知らないが、彼らは経済的な問題に直面している今、何としても中国市場にアクセスしようとしている。中国企業もヨーロッパ市場を開拓しています。中国企業の存在は米国で小さいですよね?米国は、政治的な決定によって中国との協力関係を制限しようとしています。

タッカーさん、中国との協力を制限することはあなたがた自身の不利益になります。これはデリケートな問題であり、ドルの場合と同様、完璧ですぐ効く解決策はない。ですから、非合法な制裁措置(国連憲章に照らして非合法なもの)を導入する前に、慎重に考えるべきです。決定を下す人たちは、そのことに問題があると思います。

01:24:13 アメリカとのコミュニケーションを再構築することについて

T:先ほど、世界は競合する同盟に分断されず、世界的な協力があればもっと良くなるとおっしゃいました。そうならない理由のひとつは、アメリカの現政権があなた方と対立しているからです。ジョー・バイデンの後に新政権が誕生した場合、アメリカ政府と再び意思疎通が図れると思いますか?それとも、大統領が誰であろうと関係ないのでしょうか?

P:お答えしましょう。しかし、先ほどの考えを最後まで言わせてほしい。私たちは昨年、同僚であり友人でもある習近平国家主席とともに、中国との相互貿易額を2000億ドルにするという目標を設定した。私たちはこの水準を超えました。私たちの数字によれば、中国との二国間貿易はすでに合計2300億ドルに達しており、中国の統計では2400億ドルとなっている。

もうひとつ重要なことがある。ハイテク、エネルギー、科学研究開発において、我々の貿易はバランスが取れており、相互に補完し合っており、非常にバランスが取れている。

BRICSについては、今年ロシアが議長国に就任したが、BRICS諸国は概して急速に発展している。私の記憶が正しければ、1992年当時、世界経済におけるG7諸国のシェアは47%に達していたが、2022年には30%ちょっとに下がっている。BRICSは1992年には16%しかなかったが、今ではG7を上回っている。これはウクライナの出来事とは関係なく、今申し上げたようなグローバルな発展と世界経済のトレンドによるもので、必然的なことなのです。太陽が昇るようなもので、太陽が昇るのを防ぐことはできないのでそれに適応するしかありません。

アメリカはどう適応するのか?制裁、圧力、爆撃、武力行使などだ。これは虚栄にすぎない。世界は(客観的な状況によって)変化していることを、あなた方の政治体制は理解していない。あなた方のレベルを維持するためにはーーーたとえ誰かが、失礼ながら、いままでのような支配を熱望しているとしてもーーー有能かつタイムリーな方法で正しい決断を下さなければならない。ロシアや他の国々を含め、このような残忍な行動は逆効果である。これは明白な事実であり、すでに明らかになっている。

別の指導者が来て何かが変わるかどうか、あなたは私に尋ねた。それはリーダーの問題ではなく、特定の人物のパーソナリティの問題でもない。私は、例えばブッシュとはとても良い関係だった。アメリカでは、ブッシュはものを知らない田舎者のように言われていた。そうではないと断言する。ロシアに関しても、彼は多くの間違いを犯したと思う。2008年、ブカレストでのウクライナに対するNATOの門戸開放の決定などについてはお話しした。それは彼の大統領在任中に起こったことだ。彼は実際にヨーロッパに圧力をかけた。

しかし、一般的で個人的なレベルでは、私は彼と非常に良好な関係を築いていた。彼は他のアメリカ人、ロシア人、ヨーロッパ人の政治家と比べても、決して悪い人ではなかった。断言するが、彼は自分がやっていることを他の人たちと同様に理解していた。トランプともそのような個人的な関係があった。

それは指導者の人格の問題ではなく、エリートたちの考え方の問題なのだ。もしもどんな犠牲を払ってでも強引な行動で支配しようという考えがアメリカ社会を支配しているのであれば、何も変わらない。悪くなるだけだ。しかし、最終的に、世界は客観的な状況で変化しており、やがて米国は現在持っている利点を活かしてそれに適応するしかないのだというという認識を持つようになれば、もしかしたら何かが変わるかもしれない。

中国経済は購買力平価でかなり前に米国を抜いて世界第1位の経済大国となった。2位がアメリカ、3位がインド(人口15億人)、4位が日本で、ロシアは5位だ。ロシアは昨年、あらゆる制裁や規制にもかかわらず、ヨーロッパで一番大きい経済大国となった。制裁、制限、ドルでの支払い不可能、SWIFTサービスからの遮断、石油を運ぶ船舶への制裁、航空機への制裁、あらゆるもの、あらゆる場所での制裁。世界で最も多くの制裁がロシアに対して行われている。この間、私たちはヨーロッパで1位の経済大国となった。これはあなたから見て普通のことですか?

米国が使う手段は機能しない。どうすべきか考えなければならない。この認識が支配エリートにもたらされれば、国家の第一人者は有権者やさまざまなレベルで決定を下す人々がその人物に何を期待するかを見越して行動するようになるだろう。そうすれば何かが変わるかもしれない。

T:しかし、あなたは2つの異なるシステムを説明しています。あなたは、リーダーは有権者の利益のために行動すると言いますが、これらの決定はリーダーによってなされるのではなく、支配階級によってなされるのだとも言っています。あなたは長い間この国を運営し、アメリカのすべての大統領を知っています。アメリカの権力中枢とは何だと思いますか?また、誰が実際に意思決定をしているのでしょうか?

P:わからない。アメリカは複雑な国で、一方では保守的で、他方では急速に変化している。それをすべて理解するのは容易ではない。

各州に独自の法律があり、各州が独自に規制している場合、誰かが州レベルの選挙から排除される可能性がある。二段階の選挙制度で、それを理解するのは非常に難しい。確かに、共和党と民主党という2つの政党が支配的であり、この政党システムの中に、決定を下し、決定を準備する中枢がある。

では、なぜソ連崩壊後、このような誤った、乱暴な、まったく不当な対ロシア圧力政策がとられたのか。結局のところ、これは圧力政策なのだ。NATOの拡大、コーカサスの分離主義者への支援、ミサイル防衛システムの構築ーーーこれらはすべて圧力の要素だ。圧力、圧力、圧力。

そして、ウクライナをNATOに引きずり込むのも、圧力、圧力、圧力だ。なぜか?私はとりわけ、過剰な圧力生産能力が生み出されたからだと思う。ソ連との対立の間、専門家がいるソ連に関する多くのセンターが作られた。彼らは政治のリーダーたちに「ロシアを削り続けて解体し、この領土に分割された形でいくつかの準国家的な存在を作ってそれらを制圧し、将来の中国との闘争のためにそれらの潜在力を利用することが必要なのだ」と説得した。これは、ソ連との対立のために働いた人々の過剰な潜在能力も含めて間違いだ。これらを排除し、新しく新鮮な力、未来を見据えて世界で何が起こっているかを理解できる人々が必要なのだ。

インドネシアの発展ぶりを見てみよう。人口は6億人。どうやったら否定できる?気に入ろうといるまいと、インドネシアが世界の主要経済国の仲間入りをする(すでにその仲間入りをしている)と考えるしかない。そう、私たちは、米国では経済的な問題があるにもかかわらず、経済がまともに成長しており、状況はまだ正常であることを理解しているし、私が間違っていなければ、GDPは2.5%成長している。

しかし、将来を確実にしたいのであれば、変化するものへのアプローチを変える必要がある。すでに申し上げたように、ウクライナ情勢がどうなろうと世界は変わる。世界は変わりつつある。米国自身、専門家たちは、米国が世界における地位を徐々に変えつつあると書いている。最近本で読んだ。唯一の問題は、それがどのように起こるかである。急速に痛みを持って起こるか、それともゆっくり穏やかに起こるか。その本は反米主義者ではなく、単に世界の発展のトレンドに従っている人々によって書かれた。そして、それを評価し、政策を変えるためには、政治指導者のレベルで、考え、先を見通し、分析し、ある決断を提言できる人々が必要なのだ。

T: お聞きしたいことがあります。あなたは、NATOの東方への拡大は、1990年代に双方全員で約束したことへの違反だとはっきり言っています。それはあなたの国に対する脅威ですね。あなたがウクライナに軍隊を派遣する直前、アメリカの副大統領が安全保障会議で演説し、ウクライナ大統領にNATOへの加盟を促しました。(1:34:50 ゼレンスキーとカマラの写真)それは、あなたを軍事行動に駆り立てようとするものだったと思いますか?

P:もう一度言うが、我々は、2014年のクーデター後にウクライナで発生した問題に対して、平和的手段による解決を求めることを何度も何度も提案してきた。しかし、誰も耳を貸さなかった。しかも、アメリカの完全な支配下にあったウクライナの指導者たちは、突然、ミンスク合意を順守しないと宣言し、そこに書かれたすべてを嫌い、その領土で軍事活動を続けた。

それと並行して、その領土(ウクライナ)はNATOの軍事機構によって、さまざまな人材訓練や再訓練センターという名目で利用されていた。つまり、彼らはウクライナに基地を作り始めたのです。

ウクライナは、ウクライナのロシア系住民は非国民(non-titular)であると発表し、ウクライナにおける非国民の権利を制限する法律を可決しました。ウクライナは、ロシア国民からの贈り物としてこれらすべての南東部の領土を受け取ったが、突然その領土においてロシア国籍を持つ者は非国民であると発表しました。これは普通のことだろうか?これらすべてのために、我々は2014年にネオナチがウクライナで始めた戦争を終結させる決断に至った。

01:36:33 ゼレンスキーはこの紛争を解決する力を持っているのか

T: ゼレンスキーはこの紛争を解決するための交渉の自由を持っていると思いますか?

P:詳細は知らないし、もちろん私が判断するのは難しいが、いずれにせよ、彼にはあると思うし、かつては持っていた。彼の父親は第二次世界大戦中、ファシストやナチスと戦った。私はゼレンスキーにこう言ったことがある「ヴォローディア、君は何をしているんだ?君の父親は彼は最前線の兵士としてファシズムと戦っていたのに、なぜ君は今ウクライナのネオナチを支持しているんだ?」これは別の話だし、彼の答えを私がここで言うのは間違ったことなので言わないでおこう。

しかし、選択の自由については、なぜそうしないのだろうと思う。彼は、ウクライナを平和に導くというウクライナ国民の期待のもとに政権を握った。彼はそのことを語り、そのおかげで選挙に圧勝した。しかし、政権を取って彼は二つのことに気づいた:第一に、ネオナチやナショナリストは攻撃的で非常に活動的であり、彼らは何をするかわからない。第二に、アメリカが主導する西側諸国はネオナチをサポートしており、彼らはロシアに敵対する勢力ならなんでもサポートする。だから彼は、保身と利益のためにウクライナでの戦争を終わらせると国民に約束したにもかかわらず、このような立場をとったのだ。彼は有権者を欺いたのだ。

T:しかし、現時点(2024年2月時点)で、彼にはあなたや政府と直接話す自由があると思いますか?そうすれば明らかに彼の国と世界を助けることになる。彼にそれができると思いますか?

P: もちろんやるべきだ。彼は自分が国家元首だと考えている。選挙で選ばれた。ロシアではクーデターが2014年以降に起こったすべての原因であり、その意味で今日のウクライナ政府にも欠陥があると考えてはいるが。しかし、彼は自分自身を大統領だと考えており、そのような立場は米国、全ヨーロッパ、そして実質的に世界の他の国々から認められている。もちろん、彼にはできる。

我々がイスタンブールでウクライナと交渉し、合意したことを彼は知っている。さらに、交渉グループのリーダーであるアラカミア氏は現在も与党の派閥のトップである。彼はいまだにウクライナの一院制の議会で大統領派を率いている。彼は私がお話ししている文書に仮署名までしている。しかしその後、彼は全世界に向けてこう公言した。「私たちはこの文書に署名する準備ができていたが、当時の英国首相ジョンソン氏がやってきて、ロシアと戦う方がいいと言って、これを思いとどまらせた。彼らは、ロシアとの衝突で失ったものを取り戻すために必要なものはすべて与えてくれる。そして我々はこの提案に同意した 」彼の声明は公表されている。彼はこのように公言したのだ。

彼らはこれに戻れるのか、戻れないのか。問題は、彼らがそれを望んでいるかどうかだ。

ウクライナ大統領は我々との交渉を禁止する政令を出したが、その政令を取り消せばいい。我々は交渉を拒否したことはない。ロシアは準備ができているのか?はい、我々は交渉を拒否していない。彼にその大統領令を取り消させれば交渉ができる。我々は交渉を拒否したことはない。

元英国首相のジョンソン氏の要求や説得に従ったという事実は、私にはばかばかしく、とても悲しく思える。なぜなら、アラカミア氏がこう言ったからだ。「この敵対行為、この戦争は1年半前に止めることができた。しかし英国は我々を説得し、我々はこれ(イスタンブールでロシアとの和平交渉でほぼ合意に至っていた文書)を拒否した。」 ジョンソン氏は今どこにいるのか?そして戦争は続いている。

T:いい質問ですね。なぜ彼はそんなことをしたのですか?

P:私が知るわけがないでしょう。どういうわけか、一般的な出発点として誰もがロシアが戦場で負けると錯覚していた。それは傲慢さのため、または純粋な心のために錯覚したのであって、偉大な知性のためではない。

T:あなたはロシアとウクライナの関係の説明で、ロシアそのものを何度か正統派と表現しました。それはあなたにとってどういう意味ですか?あなたはクリスチャンの指導者です。それはあなたにどのような影響を与えているのでしょうか?

P:すでに述べたように、988年にウラジーミル王子自身が祖母のオルガ王女に倣って洗礼を受け、その後、従者に洗礼を施し、数年かけて徐々に全ロシアに洗礼を施した。異教徒がキリスト教徒になるには長い年月がかかった。しかし最終的に、この正教、東方キリスト教はロシア国民の意識の中に深く根を下ろしたのです。

ロシアが拡大し、イスラム教、仏教、ユダヤ教を公言する他の国々を吸収したとき、ロシアは常に他の宗教を公言する人々に非常に忠実でした。これがロシアの強みです。これは絶対に明らかだ。

そして事実、今挙げたすべての世界宗教と、ロシア連邦、ロシアの伝統的な宗教は、主要な理念、主要な価値観が非常によく似ている。ところで、ロシア当局は、ロシア帝国に加わるためにやってきた民族の文化や宗教について、常に細心の注意を払っていた。私が考えるに、これがロシアに住んでいる人々が基本的にはロシアを祖国と考えるようになった理由であり、ロシアの独立国家としての安定と安全(セキュリティ)はここに根ざしているのだと思う。

例えば、ラテンアメリカから米国やヨーロッパに移り住んできた人々がいるとしたら、彼らは歴史的な祖国から米国やヨーロッパ諸国にやってきたということになるでしょう。そして、ロシアで異なる宗教を公言する人々はロシアを自分たちの祖国だと考えており、彼らには他に祖国はない。私たちはひとつの大きな家族なのです。そして、私たちの伝統的な価値観は非常に似ている。今、一つの大家族と言いましたが、誰もが自分の家族を持っており、それが私たちの社会の基盤となっています。そして、祖国とそれぞれの家族は互いにつながっているので、国全体、つまり祖国の正常で持続可能な未来を確保しない限り、子供たちや家族の正常な未来を確保することは不可能なのです。これがロシアで愛国心が強い理由です。

T : キリスト教は特に非暴力的な宗教です。イエスは「もう一方の頬を向けよ」「殺すな」と言っています。どの国であれ、人を殺さなければならない指導者が、どうしてキリスト教徒であり得るのでしょうか?そのことをどう自分に納得させるのですか?

P:とても簡単なこと。自分と家族、祖国を守るためなら。我々は誰も攻撃しない。ウクライナの情勢はいつから始まりましたか?クーデターとドンバスでの敵対行為が始まってからです。そして、私たちは国民、私たち自身、祖国、そして私たちの未来を守っている。

一般的に言って宗教とは何でしょう?毎日教会に行くとか、床に頭を打ちつけるとか、そういう外面的なものではありません。心の中にあるものです。そして、私たちの文化は人間本位なのです。 ロシア文化、文学の天才として西洋でよく知られているドストエフスキーは、このこと、ロシアの魂についてたくさん語っている。

結局のところ、西洋社会はより現実的だ。ロシア人はもっと永遠について、道徳的価値について考えている。同意してもらえるかわからないが、西洋文化はより現実的だ。それが悪いと言っているのではありません。(それが)今日の「黄金の10億人」が、生産や科学の分野でさえも成功を収めることを可能にしているのです。私たちの見た目は似ているが、心の作りは少し違う、と言いたいだけだ。

T:では、超自然的なものが働いていると思いますか?今世界で起きていることを見渡して、神が働いているのを見ますか?これは人間にはない力だ、と思うことはありますか?

P:いや、正直なところ、そうは思わない。私の考えでは、世界共同体の発展は内在される法則に則って行われ、その法則は共同体そのものなのです。人類の歴史は常にそうだった。ある国家や国は台頭し、より強く、より人口も多くなり、そして国際舞台から去り、慣れ親しんだ地位を失った。私が例を挙げる必要はないだろうが、チンギス・ハーンとホルデの征服者であるゴールデン・ホルデから始まり、ローマ帝国で終わった例がある。今ではあたかもローマ帝国のようなものは人類史上存在しなかったように見える。しかし、蛮族たちのポテンシャルは徐々に高まり、人口も増えて勢力を増し、今日で言うところの経済的な発展を始めた。その結果やがてローマ帝国は崩壊し、ローマ帝国に押し付けられた体制も崩壊した。しかし、ローマ帝国が崩壊するまでには5世紀を要した。今起きていることと違うのは、すべての変化のプロセスがローマ時代よりもはるかに速いペースで起きているということだ。

01:48:36 イーロン・マスクとAIについて

T:では、AI帝国はいつ始まると思いますか?

P:(笑)あなたはますます複雑な質問をしてきますね。それに答えるには、ビッグナンバー、ビッグデータ、そしてAIの専門家である必要がある。
人類は現在、多くの脅威に直面している。遺伝子研究により、遺伝子操作で特殊な人間ーーーアスリート、科学者、軍人を作り出すことが可能になりました。イーロン・マスクはすでにアメリカで人間の脳にチップを埋め込んだという報告もあります。

T:どう思いますか?

P: まあ、イーロン・マスクを止めることはできないと思います。とはいえ、彼と共通点を見つけ、彼を説得する方法を探す必要がある。彼は賢い人だと思うし、本当にそう信じている。だから、あなたは彼と合意に達する必要がある。なぜなら、このプロセスは正式化され、一定のルールに従う必要があるからだ。

人類は、遺伝学やAIの最新の発展によって何が起こるかを考えなければならない。何が起こるかはおおよその予測はつく。人類が核兵器による存亡の危機を感じた時、核兵器の不注意な役立て方が人類を絶滅に追い込みかねないことを理解したため、すべての核保有国は互いに歩み寄るようになった。

かつて火薬の使用を止めることが不可能だったように、今日、遺伝学やAIの研究を止めることは不可能でしょう。しかし、AIや遺伝学、その他の分野の奔放で無秩序な発展が脅威であることに気づけば、すぐにこれらを規制する方法について国際的な合意に達する時が来るでしょう。

01:51:07 ロシアで収監されているアメリカ人ジャーナリストについて

T:お時間をいただき、ありがとうございました。最後に1つだけお聞きしたいのですが、アメリカではとても有名な人についてです。ウォール・ストリート・ジャーナル紙の記者であるエヴァン・ガーシュコビッチですが、彼は32歳で、1年近く服役しています。これは米国で大きな話題になっています。何が起こったのかについてのあなたの言い分の詳細には立ち入らずに、あなたに直接お聞きしたいのですが、あなたの良識の表れとして、彼を私たちに釈放し、私たちが彼を米国に呼び戻すことは可能でしょうか?

P: われわれは良識から多くの善意のジェスチャーをしてきたが、同じようなやり方で誰かが私たちにお返しをするのを見たことがないので、我々の善意は品切れと言える。しかし、理論的には私たちのパートナーが互いに利益になるような措置を取るならば、私たちもその可能性を排除しない。

私が「パートナー」と言った場合、まず特務機関を指します。特務機関は互いに連絡を取り合い、問題のある事柄について話し合う。問題を解決するにあたってタブーはない。我々は問題を解決する意思があるが、特務機関のチャンネルを通じて議論されるべき議題がある。合意に達することができると信じている。

T:このようなことは何世紀も前から起きていますね。ある国が国内でスパイを捕まえ、他国にいる自国のスパイと交換する。私の知ったことではありませんが、この件の何が違うかというと、この男は明らかにスパイではなく、子供で、何らかの形で法を犯していたのかもしれませんが、彼はスーパースパイではない。誰もがそれを知っています。だから、彼は別のカテゴリーに属しているのかもしれないし、彼を解放する代わりに他の誰かを求めるのはフェアではないかもしれない。そうすることはロシアの品位を落とすことになるかもしれないし。

P:何をもって「スパイ」とするかについては、さまざまな解釈ができますが、法律で定められていることがあります。ある人が秘密情報を入手し、それを謀略的に行った場合、これはスパイ行為とみなされる。そして、それこそが彼のしていたことなのです。彼は機密情報を入手し、それは秘密裏に行われた。もしかしたら彼は誰かに引きずり込まれて関与したのかもしれないし、不注意から、あるいは自分の意思でそうしたのかもしれない。事実だけを考えれば、これはスパイ行為に値する。彼がこの情報を受け取っていたときに現行犯逮捕されたのだから、その事実は証明されている。もし、それが突飛な言い訳であったり、捏造であったり、証明されていないものであったなら、話は違っていただろう。しかし、機密情報を密かに入手していたところを現行犯逮捕された、それをなんと呼びますか?

T:しかし、あなたは彼がアメリカ政府やNATOのために働いていたと言いたいのですか?それとも、持っているはずのない資料を渡されただけの記者だったというのですか?それはまったく違うことのように思えます。

P:彼が誰のために働いていたのかは知らない。しかし、機密情報を秘密裏に入手することはスパイ行為と呼ばれるものであり、彼はアメリカの特務機関やその他の機関のために働いていたのです。彼がモナコのために働いていたとは思えない。モナコはその情報を得ることにほとんど興味がないのだから。合意が得られるかどうかは特務機関が決めること。ある程度の下地はできている。私たちの見解では、特務機関とは関係のない人々もいる。

アメリカの同盟国で服役している人の話をしよう。その人は愛国心から、ヨーロッパの首都のひとつで無法者を退治した。コーカサスでの出来事の間、その無法者が何をしていたか知っていますか?言いたくないが、とにかく言おう。彼は捕虜になった我々の兵士を道路に並べ、自分の車で彼らの頭を轢いたんだ。いったいどういう人間なんだ?人間と呼べるだろうか?しかし、ヨーロッパの首都のひとつでその無法者を排除した愛国者がいた。彼が自分の意志でそうしたのかどうかはまた別の問題だ。

T:エヴァン・ガーシュコビッチは全く違う、彼は32歳の新聞記者だ。

P:彼が犯したのは違う種類のことです。

T:彼はただのジャーナリストです。

P:彼はただのジャーナリストではありません、繰り返しますが、機密情報を密かに入手していたジャーナリストです。

私が話しているのは、どこで刑期を送っているのかは関係なく本質的に米国当局に管理されている他の人々のことです。特務機関同士の間では対話が続いている。これは冷静で責任あるプロフェッショナルな方法で解決されなければならない。彼らは連絡を取り合っているのだから、彼らに仕事をさせればいい。

あなたがおっしゃるゲルシュコビッチ氏が祖国に戻る可能性は否定しません。結局のところ、彼をロシアの刑務所に閉じ込めておく意味はない。米国の特務機関は、わが国の特務機関が追求している目標の達成にどのように貢献できるかを考えてもらいたい。我々は話し合う用意ができている。さらに、協議は進行中であり、このような協議が成功を収めた例は数多くある。おそらく今回も成功の栄冠を手にすることになるでしょうが、そのためには合意に至らなければなりません。

T:彼を解放してほしい。大統領、ありがとうございます!

P:私もまた、最終的に彼が祖国に戻ることを非常に誠実に望んでいる。しかし、もう一度言わせてほしい。話し合いは続いている。この種の問題は、公にすればするほど解決が難しくなる。何事も冷静に行わなければなりません。

インタビューの最後に

T:戦争についてもそうなのでしょうか。もう一つ質問したいのですが、戦略的な理由から言いたくないのかもしれませんが、ウクライナで起きていることが、もっと大きな、もっと恐ろしいことにつながると心配していますか?米国政府に「問題を解決しよう」と電話するつもりはありませんか?

P:私はすでに、我々は話し合いを拒否していないと言った。交渉には進んで応じる。それは西側であり、ウクライナは明らかにアメリカの衛星国家だ。それは明らかだ。強い言葉や侮辱を求めているようには受け取ってほしくないが、何が起きているかはお互い理解している。

720億ドルという資金援助が行われた。ドイツが2位で、次に他のヨーロッパ諸国が来る。数百億ドルがウクライナに流れている。武器も大量に流入している。この場合、あなたは現在のウクライナの指導者にこれをストップし、その不条理な命令を撤回し、交渉のテーブルにつくように言うべきです。我々は拒否していない。

T:確かに、あなたはそう言っていますねーーー侮辱のつもりで言ったとは思いませんーーーバイデン政権に代わって行動していた元英国首相によってウクライナの和平交渉が妨げられたと報道されていますからね。もちろん、それは私たちの衛星国であり、大国が小国を支配するのは今に始まったことではない。だからこそ私は、ウクライナのゼレンスキー大統領ではなく、こうした決定を下しているバイデン政権と直接交渉することについて質問したのです。

P: ウクライナのゼレンスキー政権が交渉を拒否したのであれば、ワシントンの指示の下で行ったのでしょう。ワシントンが間違った決定だと考えるなら、それを放棄させ、誰も侮辱されないような微妙な言い訳を見つけさせ、逃げ道を用意させる。この決断を下したのは我々ではなく、彼らなのだから、彼らに撤回させればいい。それだけです。

しかし、彼らは間違った決断を下したのだから、今、私たちはこの状況を打開する道を探し、彼らの過ちを正さなければならない。彼らがやったことなのだから、彼ら自身に正させる。我々はこれを支持します。

T:あなたの言っていることを誤解していないか確認したいのですが、私は誤解していないと思いますーーーあなたはウクライナで起こっていることを解決するための交渉を求めているのですね?

P: そのとおりです。私たちはイスタンブールで分厚い文書を作成し、ウクライナ代表団の代表が署名した。彼は条約全体ではなく、条約の抜粋に署名をした。彼は署名をした後、こう言いました 「私たちは条約に署名する準備ができていたし、戦争はとっくに、1年半前に終わっていたはずだ。しかし、ジョンソン首相がやってきて我々を説得し、そのチャンスを逃してしまった。」チャンスを逃した、つまり過ちを犯したのです。なぜ私たちが他人のミスをわざわざ訂正しなければならないのでしょうか?

兵器を用いて緊張を高めたことを間違いだという人もいると承知しているが、我々はこれまで言ったようにドンバスで2014年に始まった戦争に終止符を打つと決めた。さらに歴史をさかのぼらせてください。NATOは拡大しないと約束された1991年、NATOへの扉が開かれた2008年(前出:ブカレストのサミットでウクライナとグルジアに門戸を開くと宣言)、ウクライナを中立国と宣言したウクライナ国家主権宣言を思い出しましょう。NATOや米軍基地、英軍基地がウクライナ領内に出現し、我々に脅威を与え始めた事実に立ち返りましょう。2014年にウクライナで起きたクーデターにも立ち返りましょう。無意味なことではあるけれど。私たちは際限なく行ったり来たりするだけかもしれないから。しかし、彼らが交渉を止めたのです。それは間違いだったでしょうか?間違いです。間違いを修正してください。我々は準備ができている。他に何が必要でしょうか?

T: 2年前にウクライナの領土であったものをロシアが支配することを受け入れるのは、現時点ではNATOにとって屈辱的すぎると思いますか?

P:私は、威厳をもってそれを行う方法を彼らに考えさせようと言いました。意志さえあれば選択肢はある。

これまでは、戦場でロシアに戦略的敗北を与えようというヒステリックな大騒ぎがあった。今、彼らはそれが可能であるとしても、実現は難しいということを理解しつつあるようだ。私の考えでは、それは定義上不可能であり決して実現することはない。西側諸国の権力者たちも、このことに気づいているようだ。もしそうなら、彼らは次に何をすべきかを考えなければならない。私たちは対話の準備ができています。

T:「おめでとうNATO、勝ったね?」と言って、現状を維持するのですか?

P:この交渉の議題は、誰も主導しようとは思わない類のものだ。もっと正確に言えば、彼らはそれを望んではいるがどうしたらいいかわからないのです。私は彼らが望んでいることを知っている。彼らがそれを望んでいて、どうやったらいいのか理解するのに苦しんでいることも知っている。彼らが状況を現在の状態に追い込んだのだ。追い込んだのは我々ではなく、パートナーであり、対戦相手です。さて、この状況をどう逆転させるか、彼らに考えてもらいましょう。我々は反対していない。

これは悲しくないとすれば滑稽な話だ。ウクライナにおけるこの終わりのない動員、ヒステリー、国内問題......遅かれ早かれ、すべてが合意に至るだろう。現在の状況を考えれば、奇妙に聞こえるかもしれないが、いずれにせよ両国民の関係は再構築されるだろう。時間はかかるだろうが、関係は回復するでしょう。

非常に特異な例を挙げようと思います。実際に戦場で行われていた戦闘で起こった例です。ウクライナの兵士が包囲され、我が軍の兵士が彼らに向かってこう叫びました「チャンスはない!降伏しろ!出てくれば生きて帰れるぞ!」突然、ウクライナ兵はロシア語で、完璧なロシア語で「ロシア人は決して降伏しない!」と叫び返しました。彼らは今でもロシア人だと名乗っているのです。

今起きていることは、ある意味内戦のようなものなのです。西側諸国の誰もが、ロシア国民は永遠に敵対行為によって分断されたと思っているがそれは違う。団結はまだそこにあるのです。

ウクライナ当局はなぜウクライナ正教会を解体しようとしているのでしょうか?ウクライナ正教会は領土ではなく、私たちの魂を統合しているのです。誰もこの統合を分裂させることはできないでしょう。

ここで終わりにしましょうか、それとも他に何かありますか?

T:ありがとうございました。



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