元FOXの売れっ子司会者タッカー・カールソンはなぜプーチン大統領をインタビューしたのか
2022年にロシア・ウクライナ紛争が起こって以来、欧米系のメディアはウクライナ側からの情報ばかりを流し、日本のメディアはそれをそのまま垂れ流してきました。偏った情報は人々の感情を煽る残虐な映像と共に報道され、「ロシアは悪、ウクライナが善」という強烈な印象を西側諸国とその属国の国民に植え付けてきました。しかし、両国を含めたヨーロッパの歴史やNATOが何をやってきたか、またロシア側の言い分を知れば、そのような一方的な見方には大変な問題があることは誰が見ても明らかです。
戦争で商売をする資本家の手先が牛耳る西側諸国のジャーナリストは、2022年以降、いままで一人もプーチン大統領にインタビューをしませんでした。そこに、米国の大手ニュースネットワークで長いこと売れっ子だった司会者、ジャーナリストのタッカー・カールソンがインタビューをしたわけです。米国のテレビ局や新聞はこぞってタッカー・カールソンを袋叩きにしていますが、彼らのほとんど意味のない言いがかりばかりの逆上を見れば、彼らがいかに検閲され、コントロールされたメディアであるかを自ら証明していると言えます。
この記事では、タッカー・カールソンがどのような人物か、また彼がモスクワで行われたプーチンインタビューの直前に収録した「なぜプーチン大統領をインタビューするのか」という動画の抄訳を紹介します。インタビュー本体の記事はまた別に投稿します。
私がタッカー・カールソンのプーチンインタビューなどロシア側から見た情報を発信する動機はタッカーと同じです。プーチンが好きだからでも親ロシアだからでもない。自分の国を愛しているから何が起こってるかを一人でも多くの人に知ってもらって、自分の頭で考えて判断して欲しいからです。
正しい情報を伝えられていないために正しい判断ができず、まやかしの民主主義を隠れ蓑にした悪政に苦しめられている米国人と日本人。このデススパイラルから抜け出すためには事実を広く共有することが不可欠だと思います。
タッカー・カールソンプロフィール
1969年カリフォルニア州サンフランシスコ出身。CNN、MSNBC、FOXなど米国のテレビネットワークで34年のキャリアを持つ保守派の政治コメンテーター、ジャーナリスト。2016年からFOXの政治トーク番組『タッカー・カールソン・トゥナイト』の司会を務め、保守系FOXの看板スターだったが2023年に突然番組を降板。円満退社とも解雇されたとも言われているが、はっきりした理由は発表されていない。タッカー・カールソン ウエブサイト「Tucker Carlson Network」:https://tuckercarlson.com/
元米陸軍の心理作戦の専門家が、なぜタッカー・カールソンががFOXをクビになったかというとそれは「人々に情報を与えず、ロボトミー手術を受けた疑似精神遅滞者のような状態にずっと置いておくためだ」という辛辣な記事を書いています。
ところで余談ですが、ロボトミー手術って陰謀論じゃなくてかつて本当に行われていた精神科の外科手術です。「カッコーの巣の上で」で高圧的な精神病院のやり方に反抗したジャックニコルソンが、黙らせるために手術されてしまった患者の役をやっていました。今思うと、現実世界のメタファーだったのですね。ジャックの演じた役は悲惨な末路ですが、希望を持てるラストが非常に感動的でした。とても良くできた映画なのでおすすめ。
何故ウラジミール・プーチンにインタビューするのか
タッカー・カールソンがインタビューの前にモスクワで収録し、Xに投稿した動画。4分28秒。
『何故ウラジミール・プーチンにインタビューするのか』
抄訳:
・なぜプーチン大統領にインタビューするのか。第一に、これはジャーナリストとして人々に情報を提供するという義務だから。2年以上続く戦争が世界の様相を変えたのに、ほとんどのアメリカ人は何が起こっているのか知らされていない。
・ウクライナで起こっていることは大災害。何十万人もが亡くなり、ヨーロッパで一番大きい国の人口が減少した。しかしさらに深い部分で重要なことは、この戦争が世界の軍事と商取引の同盟関係を一変させたこと。世界経済がひっくり返ってしまった。WW2以降の西側の繁栄を支えてきたUSドル支配のシステムが急速に崩れだしている。これは大変な変化で、我々の孫世代の人生を決定するような出来事。
・世界ではこの変化を理解している。アジアや中東の人々に将来はどうなるか聞いてみるといい。しかし、英語圏のほとんどの人々はこの変化に気づいおらず、世界は大して変わってはいないと思っている。なぜなら、誰も本当のことを彼らに伝えていないからだ。
・マスメディアは腐敗し、視聴者や読者に嘘をついている。嘘をつく手段のほとんどは「省略」によって行われる。例えば、戦争が起こった当初、メディアはウクライナから来た人々やゼレンスキー大統領のインタビューを流したが、それはみな伝統的なインタビューとは異なり、米国内で行われた。インタビューは米国を東ヨーロッパの戦争に深く加担させ、金を出させるためのものだった。それはジャーナリズムではなく、最悪のプロパガンダだ。
・西側のジャーナリストはゼレンスキーのお気に入りのブランドは報道しても、紛争のもう一方の当事者であるプーチン大統領にインタビューする者は一人もいなかった。ほとんどのアメリカ人は、プーチンの言い分を聞いたことがないので、なぜウクライナを侵攻したか、目的は何か、全く知らない。これは間違っている。
・アメリカ人は自分たちが巻き込まれている戦争について知る権利がある。そして我々、アメリカのジャーナリストはそのことについて報道する権利がある。言論の自由は私たちが生まれながらに持つ権利だからだ。この権利剥奪することはできない。この権利は誰がホワイトハウスにいるかとは関係ないが、彼らはその権利を剥奪しようと試みた。
・3年ほど前、バイデン政権は、我々が企画していたプーチンへのインタビューを阻止する目的で、違法に我々のテキストメッセージをスパイし、内容をニュースメディアにいる子分たちに流した。先月、同じことが再度行われた。しかし、今回我々はとにかくモスクワに来た。
・我々がここにいる理由は、プーチン大統領を愛しているからではない。我々がアメリカ合衆国を愛しているから、アメリカが自由で繁栄しつづけることを求めるからだ。この取材旅行は全て自腹であり、どのこの政府からもグループからも援助は受けていない。すべての人がTukcerCarlson.comでライブ収録された未編集の動画を無料で視聴することができる。
・インタビュー動画はイーロンマスクが検閲しないとしたのでありがたいことにXでも視聴することができるが、西側の政府は他の道義的責任感の弱いプラットフォームの検閲に最大限の努力をするだろう。彼らは彼らにコントロールできない情報を恐れている。しかし、あなたはそれを恐れる必要は全くない。
・我々はあなたたちにプーチン大統領に同意しろと勧めているのではない。ただ、このインタビューを見るべきだと強く勧める。できるだけ多くの情報を知るべきだから。それによって、奴隷ではなく自由な市民として、自分自身で自分のために判断することができる。
タッカー・カールソン プーチン大統領インタビュー
2024年2月6日にモスクワで収録され、2月8日にXと自身のウエブサイトで公開された。2月14日にはXの投稿は2億ビューを記録。アメリカで一番人気のあるイベント「スーパーボール」の視聴数は平均1億1万くらいということ、関心の高さが伺えます。このインタビュー本体に関しては別記事を投稿しますが、英語字幕がついているのでクロームの無料エクステンションで日本語字幕が出せると思います。日本語だけでは十分な情報が取れない時代。こういったものを活用して生の情報を手に入れましょう。
インタビューを終えて
「World Government Summit 2024 」と後ろに見えるステージで、ドバイで収録された『プーチンインタビューの後の最初の議論』。これも名指しが出るなど、さらに突っ込んだ情報もある興味深い内容でした。別記事で紹介します。「The Dubai Speech」
こちらは14日に投稿されたモスクワの地下鉄の様子。その国の状態を知るにはインフラを見ればいい、それは真理ですね。ビデオの最初の方に米国、おそらくはニューヨークの地下鉄の映像が少し流れます。その後のモスクワの地下鉄との対比がすごいです。