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フェアトレード認証とESG投資

以下の記事ではESG投資の広がりで、フェアトレード認証商品の流通が増える見込みであることが伝えられています。

フェアトレード認証は2002年にフェアトレード・インターナショナルにより開始された国際的な認証です。主に農産物の生産者の経済・社会・環境面での状況を認証基準として定めているものです。消費者からみるとサプライチェーン最上流に当たる農家の状況は見えにくいですので、このような認証で消費者の意識啓発を図ることは確かに重要です。

しかしESG投資がそれを推進させたかどうかは議論の余地が残ります。少なくとも私が英国でESG投資向け調査に従事していた時に、フェアトレードに特化した調査を経験したことはありませんでした。それはフェアトレードにESG評価機関が興味がないということではなく、当然すぎて企業評価の差別化要因にはならなかったためと考えています。

上記の記事で「欧州でのフェアトレードの認知度が90%」とあるとおり、欧州ではスーパーマーケットの棚に当然のようにフェアトレード商品が陳列されていました。私の勤めていた英国の評価機関は認証取得商品を積極的に購入する方針を持っていたので、会社で飲んでいたコーヒー、紅茶や、キッチンで自由に食べられた果物はすべてフェアトレード認証商品でした。ただし一消費者としては常にフェアトレード商品を選んでいたかどうかというとそうでもなく、非フェアトレード商品との価格差がそれほどないもの(例えばバナナ)は積極的に買っていたという程度です。

上記の記事では2020年を目標年に各社の取組が進むようですので、2020年末で日本でフェアトレード商品がどの程度浸透しているか楽しみにしたいと思います。

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