見出し画像

ASDの為の感情の言語化方法

ASDは、自分の感情を言語化するのが苦手な傾向にあると思う。

ぼくも昔はうまく言葉がまとまらず、パニックになって感情が爆発してしまう事がたくさんありました。

でも、現状や悩みを伝える為には、言語化能力が必要不可欠。
「今自分はこういう気持ちだ、こういう状況だ」とうまく説明できるようになると、診察や相談の際にも楽になります。

また、冷静に自分の気持ちを把握できるようになる事で、メタ認知能力も高められる。

今回はASDが、感情をうまく言語化して伝える為のコツをぼくなりに紹介します。


ASDの為の感情の言語化方法

一番大きい感情から分析していく

今どういう気持ちか。
悲しいか?怒ってるか?

単純な感情から整理していく事が大事です。

喜怒哀楽の中で何が一番大きいのか、何の感情に支配されてるのか、大まかでいいからまとめてみよう。
よく分からないのなら、まずは「快いか、不快か」だけでもいいです。
シンプルに考えた方が分かりやすいし伝わりやすい。

不快であるのなら、何が不快か。
身体的な部分から来ているのか、精神的な部分から来たものか。
身体的な部分ならどういった感じで嫌な感じがするのか。痛いのか、痒いのか。
精神的な部分なら、不快の詳細は何なのか。不快の矛先は自分に対して向いているのか、周りに対して向いているのか。

「この感情は何なのか?」をひとつひとつ小さく分けて考えていく事が大事です。

感情が沸き上がった原因を考える

感情が動くのには必ず理由がある。

不快な気持ちが沸き上がったとして、何が原因で不快な気持ちになったのだろうか?きっかけは何だろうか?
それらを思いつくまま考えていこう。

・障害者のニュース
・コメンテーターがムカつく
・健常者が好き勝手言ってるのが不愉快
・たくさんのネガティブな意見
・昔いじめられていた事
・コンプレックス
・劣等感
・辛い、苦しい、自分はだめなんだ
・将来どうしよう
・もうとにかく不安

こういった具合で、とにかく思いつくだけの理由を書いていこう。紙に書くのがおすすめ。
こういう原因が重なって感情が爆発したという事が分かれば、気持ちの整理になるし安心もできる。

メモにまとめる

上記の事をメモにまとめる事で、見せるだけで相手に伝えられる。
ASDは口頭で説明するのが苦手で混乱していきがちだから、メモで状況を可視化する事で整理がつく。
自分にとっても相手にとっても分かりやすい。

綺麗な文章にする必要はなく、箇条書きでもいいしバラバラに書き起こしていってもいい。
一通り書き出したら、時系列順にすると分かりやすい。

・障害者についてのニュースを見た
・好き勝手言ってるコメンテーターに怒りを抱いた
・ネガティブな意見を見て動揺した
・昔いじめられた事を思い出し、劣等感が膨らんだ
・将来についても不安でいっぱいになった

こんな感じで。

まずは感情が影響された最初のきっかけから順番に、ひとつずつ分析してまとめていこう。
ASDは口頭ですべて説明、というのが苦手な傾向にあるし、パニックにもなりやすいから、紙やメモで整理するやり方がやりやすい。

とにかく一番大事な事は、「感情を出す」という事。
なんか嫌な気持ちだ、と感じたら、早めに周りに小出しに伝えていく事。
「きっかけはよく分からないけど、不安を感じる」「何かあった訳じゃないけど、イライラする」など。
不快な感情を自分の中に溜め込みすぎない事。

相談する中で原因が分かっていく事もあるから、まずは伝えよう。


ASDは溜め込みがちで、溜まりに溜まって爆発するという事が多く、そうなると自分や周りにとっても大変になる。
爆発してしまうとパニック状態で説明どころではなくなるし、何よりも辛い。

だからASDは、爆発しないうちに感情を出す事が大事な訳。
気持ちが落ち着いているなら自分なりにメモして整理したり、それよりもまずは相談したい、という具合なら早めに周りに相談。

感情の言語化可視化は今すぐには難しいかもしれないけど、日頃から意識する事でいざという時にも使えるようになる。

感情に気づく、出す、整理する、の3ステップの訓練が大事。
まずは自分が分かりやすい方法でいいから、まとめ方を覚えていこう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?