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日本の野菜・果物、もう少しバラバラでもいいんじゃない?

コラム583:日本の野菜・果物、もう少しバラバラでもいいんじゃない?

 日本の野菜や果物は、規格がそろっていて、見栄えもとても良い。傷んでいるものもないし、酸っぱすぎる果物もない。この、当たり前と思っていたスーパーマーケットの風景が、イタリアとフィンランドに行っただけで、がらりと変わる。

 ヨーロッパはたいていどこでもそうだが、ひとつの袋に不揃いのニンジンが入っていたり、傷みかけたりんごが無造作に積まれていたりして、驚く。しかし、良く考えると、そのやり方の方が、フードロスが莫大に少ないのではないのだろうか?

 そのようなことを感じたのは、四国の親戚が、近所のみかんを送ってくれる時だ。いつも、流通できないやつでいいよ、とおじさんに言ってあるので、不揃いのものが届く。でも、抜群に味は良い。また、愛媛で聞いたところによると、最近は「糖度計」というものが、ひとつひとつのみかんを計測して、甘いものしか出荷できない風潮だという。みかんは甘ければ甘いほどおいしい果物ではない。甘さを追求するなら、ハウスみかんの方が甘い。香りも楽しむのが柑橘類なのに、おかしい、と感じる。そのような過程ではじかれたみかんは、ジュースにするか、廃棄だという。

 今朝、桃の出荷風景をテレビで見た時、糖度計を通して工業製品のような桃を梱包していることに気づき、「もったいないなあ」という気持ちになった。

 日本は、食事も十分にできない子どもがいるような国になってしまっている。きゅうりが曲がっていても、みかんが小さくても、桃がたまには酸っぱくてもいいじゃない、と思うのです。

以上

2023年11月16日

クララ

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