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【考察②】「米津玄師/灰色と青」は恋愛の歌だった!? 〜言葉の意味&2人の関係性は「◯◯」と「◯」!?〜

今回は言葉の意味を深堀りして見ていく。
(※少し強引なところもあるかもしれませんが、ご容赦ください(笑)。)


(男性1=米津さん、男性2=菅田さん)

言葉の意味を探る

1.「袖丈が覚束ない」(男性1)

袖丈が覚束ない夏の終わり

投稿済みのレビューで書いたが、
・成長している
・季節の変わり目(夏→秋)
の他に、このような意味があると思われる。

(1)離別した
袂を分かつ、という言葉がある。
着物でいうと袖の下の袋の部分=袂(たもと)という。
袖丈が覚束ない=袖丈が足りない=袂を分かつ=今まで行動を共にしてきた人(男性2)と分かれた。

(2)泣いている
袖丈が足りない=涙で濡れて袖が足りない=泣いている。

2.「滲む顔、霞む色」(男性1)

何故か理由もないのに胸が痛くて
滲む顔 霞む色

滲(にじ)む顔
 涙で滲む。泣いている

霞(かす)む色
 色は恋人や色事という意味があることから、”恋”と置き換えると、霞む恋=消えそうな恋、見通しが良くない恋、成就しなそうな恋。

3.「悲しい」(男性1)

今更悲しいと叫ぶには
あまりに全てが遅すぎたかな

「悲しい」は「愛(かな)しい」と書くこともあることから=愛(いと)しい。

4.月(男性1)

朝日が昇る前の欠けた月を
君もどこかで見ているかな

万葉集などの歌の中には、月は恋愛を詠んだ歌で出てくることが多いことから、この部分も恋愛のことを言っているのではないだろうか。

これらの言葉から、男性1は男性2に対して恋愛感情のようなものを持っていると考えることができる(かもしれない)。
一方、これらの言葉は男性2の歌うパートでは出てこないので、男性1のような気持ちは持っていないと考えられる。(恋愛感情を持っていたとしても、その度合いが小さい、あるいは自分の感情に気づいていないなど!?)


「◯◯」と「◯」の関係とは?

結論からいうと、「太陽」(男性2)と「月」(男性1)の関係ではないかと推測する。太陽と月の関係はよく夫婦や恋人関係の比喩でも用いられる。

1.性格

前回記事の【考察①】で推測した、二人の性格から。
男性1=ネガティブ=陰=
男性2=ポジティブ=陽=太陽

2.MVの作り

男性1は、明け方、夜、そして次の朝の明け方までのほぼ1日が映されている。
一方、男性2はずっと夜のまま(明るくなることはない)。

月は太陽に照らされている時は明るく、そうでないときは暗い。
太陽自身は照らされることはないから、周りが暗いのは当然とも言える。

3.たくさんの遠回り(男性1)

たくさんの遠回りを繰り返して
同じような街並みがただ通り過ぎた

たくさんの遠回り=月(男性1)が太陽(男性2)の周りを何回も回っている。
=君に会えなくなってから、何年も経過した。

朝日が昇る前の欠けた月

朝日が昇る前の欠けた月を
君もどこかで見ているかな

1.欠けた月

満月だった状態から新月に向かっていく間の月だろう。
最後の歌詞を考えると、次の新月になる直前だと思われるので「有明の月」と仮定する。
(月の名前を調べたところ、こんなにあってびっくり(゚д゚)!)

新月
三日月
上弦の月
十日夜(とおかんや)の月
十三夜(じゅうさんや)の月
小望(こもち)月
満月
十六夜(いざよい)の月
立待(たちまち)月
居待(いまち)月
寝待(ねまち)月
更待(ふけまち)月
下弦の月
有明の月
新月

2.有明の月

「明」の漢字には、日と月の組み合わせ。
ここにも、太陽と月が入っている。
なお、有明の月は、夜明けに残っている月という意味もある。

3.月と年齢

月は「月齢」という数値があり、新月になった瞬間を0としてカウントし、満月は15前後、30近くになると次の新月が近くなるという。
この月齢を年齢として読み替えて考えると、仲が良かった時期は15歳前後、今の彼らの年齢は20代後半と言えるかもしれない。


そして、青色になっていく

朝日が昇る前の欠けた月を
君もどこかで見ているかな
何も無いと笑える朝日が来て
始まりは青い色

朝日が昇るにつれて、空が青色に変わっていき、月は消えていく。
=月が空に溶け込んで青色になっていく。
だから、朝の始まりは青い色。
新月の状態は、光が当たらず見えないことから灰色と考えてもいいかもしれない。
灰色でもあり、青色でもある、ということだろうか。
この「色」には別の意味も込められている(と思われる)ので、ここで書いているのは複数ある意味の一つだ。


参考書籍:
「日本人にとって「愛する」とは 万葉恋歌」/永井路子/光文社
「誤読された万葉集」/古橋信孝/新潮社
「月の満ちかけをながめよう」/森雅之/誠文堂新光社
「月のかがく」/監修 渡部潤一/旬報社


このあと美味しくいただきました。
クイズ:何を表しているでしょうか?
正解は下に。

(次回に続く)


実は、この記事を書いている間にあることに気づいて悲しくなってしまった。
それはまた別で書こうと思う。




正解は、有明の月と太陽です。
MVで2人が座っているブランコ位置と同じにしてみました。
(食べた後に気づいたので、撮り直しが効かず、写真を回転しました(笑))

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