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モノマネでいこう。

ふと思った。
「人類誕生から現在までどれくらいの人が存在したのか数えることができるとしたら一体全体どれくらいの人数になるんだろう?」

いや、すごいね。そういう数字、調べてみるとちゃーん在るんだよ。あざます!

2022年に発表されたデータだけど、その時点で累計1170億人なんだって。
(引用:How Many People Have Ever Lived on Earth?

これまで1170億個の脳ミソたちそれぞれがほんっとにいろんなことを考えて繋がってきたことで、いろんな文明や文化がブチ上げられていまに至ってるわけだよね。

はーすごいわ。

1170億個の脳ミソが作り上げてきたこの世界。いまさら全く新しいこれまでにないオリジナルな何かって存在し得るのかね、と連想。そんなのあるのかなって。

例えば、過去50、60年くらいロックミュージック界隈を振り返ってみても、JBやジミヘン、ツェッペリンやサバスあたりは一音聞いただけで「あ、アイツらな」とたちまち聞き分けられるような独自性を持った音楽ではあるけれどもオリジンではないわけで。いや、そんなこと言い出したらオリジンなんてないのかもしれない。ロックミュージックのルーツがなんだろうと辿ってみるなら、それはブルースなのであって、そのブルースのルーツは綿花を摘みながら歌われた労働歌なのであって、その先もあるんだよなとか考えるときりがなく、その本当の起源を特定することなんか無理(1170億個のうち、どの脳ミソがオリジンなのかを特定できるわけない)。

「オリジナル=何かの起源」ってことで定義してしまうと、それにあたるものは何も無いのかもしれない。つまり、オリジナルだと位置付けられているものの全ては、太古の昔から脈々と受け継がれてきた文明や文化の変化の過程の中で何かが突然変異的に華々しく変化したものなのであって、その時その場所に突如としてポッと湧き出てきたものなんかひとつもないんじゃないの?

では、発明ってのはオリジンなのか?と疑問が浮かび、「人類史上最大の発明を5つ挙げて」とChatGPTに問いかけてみると、「印刷技術・電気・蒸気機関・航空機・インターネット」がそれだと応える(あれ?石器や紙、車輪などは含まれないの?と聞き返すと、あ、そういう意味ではそれらもそうです、と。どういう意味?w)。

さらに「完全オリジナルの発明があるとしたら何?」と聞いてみると、「量子コンピュータ・宇宙エレベーター・核融合エネルギー・ブレインコンピュータインタフェイス」とか言ってる。

挙げられたすべては発明ではあるけど、「オリジナル=何かの起源=その時その場所に突如としてポッと湧き出てきたもの」に照らし合わせると、どれもオリジンってわけではないよなあ。どれも「文明や文化の変化の過程で突然変異的に華々しく変化したもの」であってオリジンではない。

それでは、とオリジンってワードの定義はなんなんですか?とググってみると、

「物事や事象が始まった場所や時点、またはその理由・根源を指す言葉である。 起源、元、始まりといった意味で使われることが多い。」

だと。

そうか、オリジンがそういう定義なのだとしたら、それは無から生まれたとされる宇宙くらいしかあてはまるものは無いのかもしれん。

だとするなら、「これまでにない新しい何かを”創造”(無から創る)しよう」と気を吐き続けることは、全盛期のマイクタイソンに素手で殴りかかることくかかるくらい空虚なことのはずで、「これまでにない新しい何かを”想像”(在るもので作る)しよう」とスパンと割り切って考えた方がいろんなことを作り出しやすくなるのかもしれない。

そして想像するのに最も効率的で効果的な方法は何か?と考えるなら、まずはモノマネじゃないかなあとボクは思うんですよね。

つまり「換骨奪胎」。

領域展開や血気術を想起させるこの言葉は、「他者が作り出したものの模倣とかパクリでしかない」というようなネガティブな場面で使われることが多い(よく知らんけど感覚的に)ようですが、ボクは「先人たちが作り上げてきた表現や形式をベースにして、新たな意味合いや味を足したり引いたりして新たな何かを生み出す」という解釈の方に同意したい。

音楽のくだりを続けるなら、例えばRHCP。いろんな意見があるとは思いますが、ボクにとっては、

彼らの音楽=ジミヘン×JB×マイルス×パーラメント×スティーヴィーワンダー

なのであって、まさに「先人たちが作り上げてきた表現や形式をベースにして、新たな意味合いや味を足したり引いたりして新たな何かを生み出す」を体現しているわけで、オリジン(起源)ではないけれども間違いなくユニーク(独自性)。(RHCP同様、80年代後期から90年代初頭にかけて間断なく登場したThe Beastie Boys, Fishbone, Rage Against The Machine, Sublime, Urban Dance Squadあたりはまさに”ミクスチャーロック”って呼ばれてたし(いまは死語)、Aerosmith x Run DMCやPublic Enemy x Anthraxなんかのプロジェクトもあったりで、何かと何かを混ぜてみることで独自性を模索するような試みがやたら盛んだった。)

そう、「先人たちが作り上げてきた表現や形式をベースにして、新たな意味合いや味を足したり引いたりして新たな何かを生み出す」ことで「独自性」を獲得できるように思考をスイッチできるなら、それはそれで(起源となれるように足掻くよりも何倍も)有効なのかもしれない。

先人が捻り出してきた優れた製品・サービス、思考やビジネスモデル、いっくらでもあるわけで、それらをパズルピースのように並べてみて、「あ、コレとコレ組み合わせてこの部分を削ってみるとなんか面白いかも」とか「アレをもうすこしアレするとやばいんじゃん」みたいなことに臆することなくトライしてみること、すなわちモノマネとして割り切って動いてみることのほうが、そこから独自性を持った何かを生み出すトリガー、あまつさえ想像もしてなかったビジネスチャンス、そんなんに巡り合える機会が格段に多くなるような気もしなくもない。

個人ベースで考えてみるなら、

・Aさんの思考、スーッと腑に落ちるよなあ
・Bさんの仕事の進め方、効率的でいいな
・Cさんが持ってるスキル、あれがあるとやれることが増えそう
・Dさんのコミュ力、メチャ強力

とか、マネしたいことが身近にいろいろとありそうで。上述のRHCPのくだりよろしく「マネしたいものの集合体」がその人に浸み込み融合することでそれがその人の独自性となり、価値を高めることにもなりそう。そういうことなら「得意技はモノマネです!」と初対面のひとに大声で宣言できるようにすらなりたい。どうせこの世のすべてはモノマネの組み合わせなんだから。

こういうモノマネはいろんなひとがいろんなとこ意識してやってることなのかな。。ボクは意識して「モノマネたくさん➔独自性」の取り組みを意識的にやったことはなかったな。

こういう裏技的な取り組みに躊躇なく遠慮なくトライすることで、輪廻転生一回目の何も知らないボクの脳ミソも1170億の一部として、この先花開く新たな文化の一部になれるならこの世に生まれた甲斐もあるってもんだけどなあ。

と、灼熱の太陽光に照らされて沸騰したままのその脳ミソで、さて誰の何のモノマネをしてやろうかとさらなる妄想に浸る夏の夜。

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