熱く語れ!

ご近所徘徊。あれ?見慣れない建物ができてんな、と眺めてみると、あらブルーボトルじゃんか。随分と店舗増えてきたんだねぇ、とかどーでもいいこと考えながら少し先に進んだ先の公園、ああ砂場ねー。気温も下がってきたし随分たくさんのキッズが集まってんなー。ガキんちょのころはいろんなもん作ったなーと走馬燈がよぎりはじめ、ああいよいよかと命の灯が消えかかる危機を感じる。

「こういうお城みたいのつくりたいんだよ」って友達に説明して指示して作るようなときもあれば、(友達それぞれが砂場に持ち込んだ超合金のために)「何つくる?」「やっぱ基地じゃね?」「いやプールがいい。水入れて。」「錆びんじゃん。街みたいの作って壊そうぜ」「じゃ基地作って爆竹で壊そう!」みたいに何つくるか友達全員で合意して作りはじめるときもあったなあ。

それってなんか大人になっても普遍妥当。同じようなことを見聞きすることが多い。

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A. 何かを実現したいリーダーがいて、その実現に共感して参加するメンバーで構成されたチーム
B. 集まったメンバーで何を実現したいかを議論→合意し、その実現に向けて進んでいくチーム
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音楽に置き換えると、

Foo Fighters、Metallicaのあたりは明らかにリーダーありき、彼ら(Dave Grohl、James Hetfield)のやりたい音楽を実現するためのバンドであって明らかにAタイプのチーム(日本のバンドだとKing Gnu(常田)とかもこのタイプ?)。一方、Stone Temple Pilots、System of A Down、RHCP(日本のバンドだとマキシマムザホルモンとか)なんかは全員が揃ってはじめて創れる音楽・出せる音であってBタイプのチーム。まあみなさんいろんな意見あると思いますがボクの感覚ではこういう解釈。

Aタイプのチームの場合、バンドでありながらバンドである必要がなくソロアーティストみたいなもの(言い過ぎ?)。あくまでリーダーがやりたいことに対してメンバーが異論を唱えるようなことは基本的にはなさそうで、リーダーがイメージするものをイメージするように表現するメンバー、という関係。リーダーから「4拍目にキック欲しいからもっかいやってみて」「そこ、ラリー・グラハムみたいな感じのスラップで」というような細かいリクエストも日常。

Bタイプはそうでなく、メンバーそれぞれの感性や想いが混じり合い、そのカオスから偶発的に生み出されるエネルギー、それが形になったものとしての音楽。別の表現をするならメンバーそれぞれがやりたいことを描いたときに「重なる部分」を形にしたものとしての音楽。あくまで合意や共感が前提。「もうちょっとテンポ上げてみよっか」「イントロ、もちっとfuzz強めにかますの試していい?」とかいろんなこと試しながらメンバー全員が腑落ちできるポイントを探していく。

※Cタイプもあるよなあと思ってて、それは曲によってリーダーが入れ替わるタイプのチーム。The BeatlesやKISSなんかは典型的で、メンバー全員がリーダーになれる。誰かがリーダーになったときはそれ以外がメンバーに徹することができちゃう。でもこれはホント稀。

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これもいろいろと意見はあると思いますが、ボクの少なくて薄っぺらい経験からでも米国の企業はAタイプ、日本の企業はBタイプが多いように感じてます。ここ数年ではDAOの形態をとる企業も出てきたりしてそれはBタイプに近いんでしょうねとかで上述の区分はボクの身勝手なステレオタイプでしかないですけどね。

で、そのステレオタイプをベースにした疑問。

「オレらはAだから」とか「私たちはBタイプなので」みたいにそのスタイルを合意し、適時「ズレてないよね?」と確認しながら前に進むようなスタイルを意識的にやってる企業はあるんですかね。ボクはどのタイプだと認識しているのかを関係者それぞれが声に出して確認し、合意しておくほうがいいんじゃないかなあと思ってます。プロジェクトであろうが経営チームだろうが、それがAタイプだと理解している人と、Bタイプだと理解している人が同一チームに混在している場合、そのことが摩擦や軋みを生み出してしまう原因のひとつになるように考えているから、がその理由です。

例えば、リーダーはAタイプのつもりで振舞っているが、それ以外のメンバーはBタイプのつもりで提言したり意見したり。

逆にリーダーはBタイプのマネジメントを心がけているが、メンバーはAタイプの理解でいたり、Aタイプの特性を持っていたりで、基本的には意思表示のない万年受け身の姿勢。

前者のパタンだろうが後者のパタンだろうが理解が揃っていないことによって起きるとてつもなくBullshitな摩擦や軋轢を回避するためには、とにかく語りあうことが重要。しかも熱量高めにね。

そして、AなのかBなのかをはっきりと合意した上で前に進む。(「前に進む」にもいくつかパタンがある。メンバー全員が合意して前に進む場合もあれば、合意できないメンバーが離脱した上で前に進む、とか。「音楽性の違い」ってやつ。)

チームの一部が右に向かっているのに残りが左に向かっているようではどうしようもない。同じ方向を見て先に進むためにも全員で熱く語ったればいいじゃん。


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