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消雲堂自分史 阿武隈川

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駄目な人間の私が、どうやって生きてきたのかを再確認するマガジンです。自分のためのものですが、興味のある方はどうぞご覧下さい。
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湯河原温泉紀行2

湯河原温泉紀行2

僕とナマコを乗せたバスは15分ほどで現地に到着した。「源泉境バス停」は小さな橋を渡ってすぐだった。バスから降りて橋の上から渓流を見ると、川面にくっつくように垂れ下がったモミジや楓の葉は見事に紅葉していて、真っ赤な炎が川になだれ込んでいるような怪しさに満ちていた。橋の欄干を見ると「ニジマス禁漁」と赤い字で書かれた看板がかかっている。来年はここにフライを振りに(虹鱒を釣りに)来るか? なんて現実味のな

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「湯河原温泉」

「湯河原温泉」

僕は夏が嫌いだ。四季の中で一番嫌いだ。暑いからだ。暑いことに何の意味も感じない。裸に近い格好をして能天気に歩き回る若者の姿を見るのも嫌だ。汗だくになって外回りをしていた頃の息苦しいほどの暑さを思い出してしまうのも嫌だ。

その大嫌いな夏が終われば、涼しい秋がやってくる。僕は秋が一番好きだ。秋といえば紅葉で、旅行の季節でもある。

湯河原温泉に出かけたのは秋だった。会社勤めを辞めて少しばかり退職金が

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