今村久美(認定NPOカタリバ/公益社団法人ハタチ基金)

10代の学びと教育の支援をするNPOカタリバを20年前につくり、ずっと代表者させてもら…

今村久美(認定NPOカタリバ/公益社団法人ハタチ基金)

10代の学びと教育の支援をするNPOカタリバを20年前につくり、ずっと代表者させてもらってます。取り組みの中で感じたこと、自分の備忘用に、人から教えてもらって学んだこと、触れた本や映画、ニュースで感じたこと気づいたことなどをまとめるノートとして使ってみたいと思います。

最近の記事

『夏は能登でボランティアしたい』そんなあなたを募集しています。

「受験勉強を頑張りたいのに仮設住宅が小さくて、勉強がはかどらない」 「思いっきり遊びたい!だけど、校庭も仮設住宅で埋め尽くされてるし、安全に遊べる場所がない」 「親の仕事も変わってしまったし、今年は家族のお出かけも難しそう・・」 復旧復興工事もはじまったばかりの能登半島の被災地の子どもたちからは、そんな声も聞こえてきています。 そんなこの夏だからこそ、楽しもう、学ぼう!ということで、7/30~8/29の一か月間、輪島市のナイスガイな大人たちとNPOカタリバチームがタッグを組

    • 「のと未来トーク」4/6珠洲市、4/7輪島市から、はじまります

      石川県は、能登半島地震の復興ビジョン策定にあたりアドバイザリー会議を設置しました。(私も参加しています。) 歴史的に、忖度文化が(よくも悪くも)強く残るこの石川県で、県内既存組織代表的な利害関係者がほぼいない人員構成をされたこと自体は過去に例がない事らしく、県庁ご担当の方々の大きな勇気と、想像しがたい調整を要することだったと思います。 ただ、大きな被害があった地から140キロも離れた金沢の県庁14階で話しあうこの会議には、やはり当事者の声が聞こえません。未来を考える時、直近

      • 能登地震から発災2週間。正解は一つではない中で、小さな希望をみんなと作る

        地震の発災から二週間たちました。相変わらず、珠洲市・輪島市を拠点に生活しながら、カタリバチーム総力戦で、こども支援軸に特化した複数プロジェクトを動かしています。 いま、被災した地域である能登半島から外に出て、二次避難先に行く人がとても増えています。水道の復旧が相当後になりそうな見込みで、知事からも二次避難の推奨メッセージが出されました。 いま私は輪島市にいるのですが、先程お話ししたお母さんは「こっちでやっていこうと思ってたけど、さっき立ち話で久々のママ友に会って、出て行く

        • 物品支援をご検討の方に知っていただきたいこと(石川県珠洲市の現場から)

          珠洲の避難所で支援活動をはじめてから4日。目まぐるしい日々ですが、毎日のように変化が起きています。今日の段階の様子をお伝えします。 行政としては能登半島からできるだけ出て、金沢などに一時避難を推奨している模様 能登半島の各自治体行政の大きな方針としては、ライフラインの復旧に時間がかかる以上、能登半島からできるだけ金沢などに一時避難していただくことを推奨しているようです。 私が滞在させていただいている避難所からも、複数家庭の退去の様子が見られました。 子育て家庭の方は、今日

        『夏は能登でボランティアしたい』そんなあなたを募集しています。

        マガジン

        • 新しい学校のかたち
          5本
        • 今村久美のBook Log
          2本

        記事

          珠洲市「みんなのこども部屋」開始

          今朝、珠洲市にたどり着きました。この記事を書いている今も余震が続いていますが、能登半島の中でも先端に位置するこの場所は、今日は晴天。空も空気もきれいで、海も輝く、素敵なところです。 しかし、天気の輝きとは裏腹に、数日前に地震が奪っていった町並みは、静かに悲しみの表情を見せているように私には見えました。 1月4日(木)15:00の時点で、石川県では33,530人が避難していますが、特に人的被害の大きい地域のひとつが珠洲市。同時点で死者・行方不明者・重傷者は169名にものぼり、

          被災した珠洲へ―子どもたちの居場所づくりのために

          令和6年能登半島地震の発災を受け、カタリバの災害時子ども支援チーム「sonaeru(ソナエル)」が1月3日(水)に石川県へ現地入りし、長期化が予想される復旧フェーズの親子を支援する取り組み準備をスタート。昨日1月4日(木)より、石川県七尾市にて子どもの預かり・居場所支援を開始しました。 私自身も、メンバー2名と一緒に1月3日(水)に能登半島の先端、珠洲市に向かうため出発。 金沢市から七尾市、穴水町を通りながら、珠洲市へ向かっていました。はじめは、ある程度スムーズに車を走らせ

          被災した珠洲へ―子どもたちの居場所づくりのために

          いつきてもいい居場所が、オンライン上にあることを伝える卒業式。

          生きていると、うまくいかないなあと思う、いろんなことがあります。ただ大人になると、選択肢はひとつではなく、常にオルタナティブを選択できることになっています。 職場が合わなければ仕事をやめて、次に働く場所を探せばいいし、 ご近所とうまくいかなければ、その土地から引っ越してもいいし、 夫婦関係がどうしても難しければ、離婚する権利だってある。 もちろん様々な事情が許さなくて、そんなこと決められない人もいると思いますが、選択する権利は持っています。 しかし子どもたちは違います。 ま

          いつきてもいい居場所が、オンライン上にあることを伝える卒業式。

          目的のない対話、それ自体が宝物

          朝日新聞の「耕論」でお話をする機会をいただきました。 あの震災は、当事者として被災した人たちはもちろんそうだったに違いありませんが、よそものの立場で被災地に関わろうとする私にとっても、それまでの経験や信念などほぼ全ての再構築が求められる日々であり、それはとても難しいことでした。 今よりも11歳も若くて、今よりも盲目で、しかも義憤に駆られていた当時の私のような人間は、最も厄介だったかもしれません。 悩みは尽きませんでしたが、それは違うよとか、勘違いしてるよとか、心配しなくて大

          『最後だとわかっていたなら』 Norma Cornett Marek (1940 - 2004)

          あなたが眠りにつくのを見るのが 最後だとわかっていたら わたしは もっとちゃんとカバーをかけて 神様にその魂を守ってくださるように祈っただろう あなたがドアを出て行くのを見るのが 最後だとわかっていたら わたしは あなたを抱きしめて キスをして そしてまたもう一度呼び寄せて 抱きしめただろう あなたが喜びに満ちた声をあげるのを聞くのが 最後だとわかっていたら わたしは その一部始終をビデオにとって 毎日繰り返し見ただろう あなたは言わなくても わかってくれていたかもしれ

          『最後だとわかっていたなら』 Norma Cornett Marek (1940 - 2004)

          全てのこどもが幸せに生きる権利を守るこども家庭庁への期待と要望

          先月25日、来年4月からスタートする「こども家庭庁」設置法案が閣議決定されました。 閣議決定された「こども家庭庁設置法」全文はこちらをクリック 私は、この法案は日本のこども政策の重要な転換点になると考えており、賛成しています。 この設置法案の一番初めに、とても大切な、今後の日本のこども支援政策の基本理念が明記されています。 当たり前のように見えるかもしれませんが、実はこの『こどもの権利利益の擁護』の一文を法律に明記するのは、そう簡単なことではありません。  例えば学校に

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          不登校の子どもたちの存在を絶対に見逃さない、からはじめたい(第130回中央教育審議会総会 参加メモ)

          2月8日の昨日は、中央教育審議会(以下 中教審)に参加しました。 ※中央教育審議会とは 中教審には、小学校から高校までの学校教育をどうするかを考える初等中等教育分科会など、いろんなテーマの会議があるのですが、この「総会」というのは、それらすべての会議の全体を束ねる「日本の教育の方針」(スコープがでかい・・!)を検討する場、ということになります。 今回の「総会」では、教育振興基本計画という「5年に一度策定するこの国の教育政策の目標と施策」について、2023年から新しいクールに

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          ユースセンター起業塾第2弾!カタリバで働きながら、地元にユースセンターをつくる『起業準備コース』はじまるよ

          全国津々浦々 10代に伴走する人と居場所をつくるあなたを応援したい。そんな想いで、社会起業支援のETICと、10代支援のNPOカタリバがコラボして、ユースセンター起業塾がはじまります。 第一弾はすでに立ち上げる人にお金(最大1500万〈3年〉)と伴走支援をする『事業創造コース』は、現在募集中です。 そして第2弾。まずはカタリバの職員として中で働き修行しながら構想を固めていく2年間『起業準備コース』がスタートします。 こちらは、月給30万と、立ち上げる地域と行き来する交通費な

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          最年少市長はある朝、犯罪者にされた。 嘘を指示する日本の不都合な本当の話。

          2013年、全国最年少市長として話題になり、その1年後、突然逮捕された 藤井 浩人 くんの著書が、昨年末発売開始されました。私と同じく岐阜県出身で、彼は美濃加茂市の市長でした。 簡単に言うと「詐欺師にみんなではめられた」ということのようですが、日本の司法は正義の味方であると信じたい私としては、なぜ一審の無罪判決後に、検察による控訴で、本人の言葉での説明をする機会を一度も与えずに有罪判決をが出たのか、意味が分からないままでした。 昨日一気に読みながら、事件の詳細は理解が深ま

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          学校ガチャは終了の新しい当たり前を目指して(1月8日オンライン登壇します)

          中教審でご一緒している 堀田 龍也 先生主催の、教育関係者向けのセミナーにお誘いいただきました。今週8日(土)14:00~16:30でオンライン開催、無料です。 現状、公教育は平等、ということになっていますが、公教育を助けるシステムは行政ごと学校ごとになっていることが多いです。学校という建物や、一律の資格をとった教職員の数などは一律の基準をクリアしていているから、教育は平等に質の担保をしているようにみえるけど、例えば、先生の多忙をサポートするための仕組みや、学校に行けない生

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          教育NPOを立ち上げて20年目。自分たちだけでできないことがたくさんあるから、“場をつくる仲間”を応援したい。

          私が代表をつとめる認定NPO法人カタリバが、来月で設立から20周年を迎える。 靄の中、思い込みの強い2人で「NPOカタリバ」と名乗って、取り組みをはじめた。当時は想定していなかった素晴らしい出会いの中で、たくさんの広がりができた。 カタリバは、今では年間約10万人の10代に支援やプログラムを届けている。学校や地域に常駐してカリキュラムづくりから深く関わることもあれば、オンラインで子どもたちに学びの機会を提供することもある。 職員は140人。保護者や子どもの伴走支援を担う

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          校庭で数学の授業に出てもいい? 岐阜の『バーバパパのがっこう』が示す、学校の新しい当たり前

          岐阜市に、「バーバパパのがっこう」ができた。 ・・という記事が今年4月直前の3月30日に、バズった。→記事はこちら このバズった内容は、4月1日、岐阜市に新しい不登校特例校「草潤中学校」ができた、という話。 (絵本「バーバパパのがっこう」は、子どもたちが荒れに荒れてたいへんになってしまった学校を見に行ったバーバパパたちが、「ルールでしばった指導ありきじゃなくて、こういうやり方もあるんじゃない?」と親たちや先生に代案を示すという、公的オルタナティブスクールづくり、のようなお話

          校庭で数学の授業に出てもいい? 岐阜の『バーバパパのがっこう』が示す、学校の新しい当たり前