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いつきてもいい居場所が、オンライン上にあることを伝える卒業式。

生きていると、うまくいかないなあと思う、いろんなことがあります。ただ大人になると、選択肢はひとつではなく、常にオルタナティブを選択できることになっています。
職場が合わなければ仕事をやめて、次に働く場所を探せばいいし、
ご近所とうまくいかなければ、その土地から引っ越してもいいし、
夫婦関係がどうしても難しければ、離婚する権利だってある。
もちろん様々な事情が許さなくて、そんなこと決められない人もいると思いますが、選択する権利は持っています。

しかし子どもたちは違います。
まず親を選んで生まれてくることはできません。
そして、義務教育の場合、学校に所属しなければいけません。
子どもには、選択肢が一択しかないのは、おかしなことだとおもいます。
先生との相性、友達とのマッチング、学ぶスピードや学び方、運悪く合わなかった場合、違う選択肢がある日本にしていきたい。
しばらく別のところで学んだら、また4月に新しい学級で新しい学校生活が始められるかもしれないし、そのままその別の場所で学び続けることだってできるかもしれない。
それくらい簡単にオルタナティブを選択させてあげたい。
NPOカタリバは、昨年から不登校の子どもたちのもう一つの居場所 room-Kをオンライン上につくりました。

私たちは、学校一択なのも違うと思いますが、オンラインの学び一択なのもちょっと違うと思っています。
オンラインのもうひとつの居場所である私たちと、お子さんの在籍校の先生たちが手をつないで、壁にぶち当たっている子どもを一緒に支えたい。
そうすれば、オンラインとリアルの往還によって、学ぶことをやめなくて済む子もいると思います。

昨晩は、room-Kで学ぶ中学3年生の卒業式でした。

学校に何年も行っていなかったけどここには来て学び直している子、
午前はここに来て午後は学校に行くことを目指している子、
学校には行けるけど学級には入れなくて別室からここにつないでくる子、
さまざまな子どもたちとここで出会います。

もしかしたら学校の卒業式は行かなかった、もしくは行けなかった子もいるかもしれないからこそ、スタッフみんなで中3生たちを、そして後ろで支える保護者の方々をお祝いしました。
一人ひとりの担当メンターが卒業証書を書き、オンラインで渡しました。

今年、roomKで出会った子どもたちは、これまで1年以上学校に行っていない子が8割でしたが、みんな毎週一回以上はここで学びました。
よくがんばったね!卒業しても、立ち止まりたくなったら遊びに来てねと、送り出しました。

卒業式の最後は、「贈る言葉」の、替え歌(作詞 としさん)
2022年春 
roomKから 旅立つあなたへ 贈る言葉
これから始まる暮らしの中で
何があなたを待ち受けるのでしょう
まよいながら 振り向きながら
それでも未来は必ず来ます。
さよならだけでは淋しすぎるから
旅立つあなたへ 贈る言葉

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